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2021年新作テレビドラマ放浪記

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2021年のテレビドラマの感想記録です。
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2021年9月の記事一覧

「東京放置食堂」伊豆大島と、くさやと、片桐はいりという化学反応

この時間の前作「八月は夜のバッティングセンターで」と同様にゲームアプリ原案のドラマ。ゲームもストーリーが大事な時代、ドラマとしてそれを使うのもありだと思う。今回で3回目。 舞台は伊豆大島。ここも東京だという括りで、都会に疲れた人々が流れ着いてくる話。こういうストーリーは、観光推進には良いかもしれないと思ったりもする。いや、このコロナ禍で疲れた時だからこそ、東京から逃げ出したいと、東京に行き着く人も多いのかもしれないと思ったりもする。そう、テレワークをするのは良い場所として流

「うきわ〜友達以上、不倫未満〜(第8話)」結局、女が独り立ちをして終了する現代絵図

ずーっと、どこを向いているのかわからない、いや、「うきわ」の中でもがいていたような門脇麦が、最後に、指輪から解放され、笑顔で前を見ている絵で終わる。まあ、こんな状況が多いから、シングルマザーも増えるのであろう。ここの彼女には子供はいないが。そう、不倫ドラマなのだが、どこにも、子供というものがないドラマなのだ。だから、自分の思いだけで動ける関係?だからこそ、簡単に崩れる関係?まあ、とはいえ、そこらじゅうに転がっていそうな話をドラマに仕立てたことが、興味深かった。 森山直太朗と

「漂着者 ep,9」何が作りたかったの?何も預言できてないじゃない。話がわからないよ。

というタイトル通りの終わり方でした。伏線らしいものもあまりちゃんとしてなかったから回収もちゃんとされてないし、最後にテロリストが出てきても意味がわからないし、それとリリー・フランキーはどう繋がっているのかもよくわからない。まあ、「なんのために」という部分は、狂気がおこなっているということで解決するとしても、バックヤードが全く見えてこない。 最後に幸せの鐘の家で、総理代行までが祈りを捧げていますが、これが、今の自民党の実態?日本会議なの、ここ?みたいな味方もできますが、まあ、

「#家族募集します(第9話)」このドラマの主役は、「家」そのものだったのですね!「ありがとう」で終わる素敵さ。

ラストシーン、出来上がった、飛び出す絵本のセリフが視聴者に語りかける。そう、「家」がみんなに語りかけてくるのだ。そう、ここで、このドラマの主役は「家族」の前に「家」だということがわかる。そういう意味で、「にじや」の古い建物は、確実に「暖かい家」だ。その場所で、ここでの主人公たちは、癒され、新しい「ありがとう」をいっぱい知って、旅立っていった。 そして、昔、ここに住んでいた家族が帰ってきて、また「家」の役目を家族の再生という仕事を担っている。そう、「家」も古くなって、多くの人

「推しの王子様(第11話)」着地点は、こちらが思っているところに。ドラマ全体の構成の悪さが辛すぎましたね

なかなか、最後のキスシーンは美しかった。まあ、年上女が王子様をからかっている感じを残しての愛の告白。こういう着地点は最初から多くの人が考えていたのではないか?そして、会社も元の鞘に戻るというこれも当然の結末。だから、ラスト前の2、3回はいらないという感じであったとしか言いようがない。 とにかく、世の中の常識を知らないが、デザインセンスはそれなりにある若者が、最終回で、やっとまともな恋愛対象になることが大事なのだと思う。それに合わせて、会社も売られて失敗する。その辺の企画自体

「うきわ〜友達以上、不倫未満〜(第7話)」心が波立つうちは、まだ「うきわ」から離れられる?

来週が最終回のようだ。とはいえ、この7話まで大きなドラマチックな事はほとんど起こらなかった浮気ドラマである。そう、そんな時間をかけて、それが特に強い思いではないという人たちは離れていく。大東駿介と蓮佛美沙子の関係が、一番よくある浮気風景。そして、西田尚美は元の生活に戻ろうとするが、浮気相手の気持ちが逆に高まる。これもありがちな風景。どちらにしても、男たちは女々しい感じを抑えられない。今の世の中はそんな感じだろう。女でも一人でやっていける時代なのだから…。 そんな中、門脇麦の

「漂着者 ep,8」ラスト前に口裂け女が出てきても、驚かないし、よくわからない。

来週が最終回なの?ラスト5分を見ろ的な予告編なのだけれども、その5分だけ見ればいいのではないの?というドラマだよね。 しかし、話は佐渡に飛び、最後にそこにいた口裂け女の根岸季衣に生瀬勝久が刺されるという顛末。誰がこんなもの予想するよ。もはや、書き手はこの話を面白いと思っているのか?という思いさえある。秋元康、全然、エモくないのですよ。まあ、局の人はその名前を使いたいから、こういうドラマができるのだけれどもね。 もう、今回で8回目なのだけれど、最初から同じことを繰り返してい

「#家族募集します(第8話)」夏休みだから、家族が寄り添いあう。そして、本当の家族も何かを求めて集まってくる

先週、突然、石橋蓮司が倒れ、悲しいモードになっていくのかと思えば、家族が一致団結、見事に石橋を病院に運ぶことができる。ここは、家族がいたからよかったというのと、みんなが一緒に住むことでちゃんと家族になっているというとこが大事なところ。でも、それは、子供たちがいることによって成立している感じがある。 先週、海水浴でよくある家族風景を見せておいて、そこから一気に日常に戻される感じで一泊もまともにせずに戻ることになった訳だが、子供たちは石橋をお見舞いにいくことで、毎日が楽しそうで

「推しの王子様(第10話)」大きなお金で楽しいことができないということ

大企業の傘下に入り、基本は重役が一人増えただけという話なのだが、言ってくる事は、スポンサーへの気遣いや、経費をどう取り返し、どのくらい儲けるということだけ。そう、仕事の本質が変わってしまうのだ。特に、新事業として参入する大企業は、金出して、人集めればどうにでもなると思っている。仕事の本質など知ろうともしない。ドラマでなくても、こういう現場は多いのだろう。所詮、ベンチャーと大企業が求めているものが違うということだ。 だから、大きな見晴らしのいいオフィスとか、食事代が只とかの向

「ハコヅメ~たたかう!交番女子~(第9話)」警察のペアっ子というものを描いたことで、新しく感じた警察ドラマ

多分、予定より、1〜2話、当初の予定より、回数を間引かれたのだろうと思う。そういう意味もあるのか、最後のドラマはなかなか一気にたたみかけるように終わった。それが、小気味よく感じたのは確かで、昨今のテレビドラマの基本がダラダラした間延びが多いということなのだと思う。通常通り流して、オリンピックであまり休みもなかったものに、その傾向が見える。テレビドラマは、それなりにサイドストーリーまでしっかりさせておく必要がある。また、昨今は、ネットでスピンオフのストーリーを流すことが多く、ネ

「彼女はキレイだった(第10話)」心地よい、エピローグ的な最終回

先週のラストが、クライマックスだったのだろう。本多力が副社長に就任し、MOSTが追っていた作家の正体が赤楚衛二だったということで、その記事を記載した最新号は、見事にライバル誌のシェアを上回った。そして、全てがうまくいって、4人の主人公は、それぞれの旅立ちをする事になる。ということで、最終回は、エピローグ的な展開。その中で、プロポーズが行われ、その先の展開まで見せる。すごく綺麗なラストだと思った。 まずは、MOSTの存続のキーを持っていた赤楚。この辺り、もう少し、謎めいたとこ

「うきわ〜友達以上、不倫未満〜(第6話)」浮遊する門脇麦の演技に、女優たちが蹴散らされていく感じ

社内と同じアパート、そんな近隣の同居人たちが、みんな、今の生活に隙間があって、それぞれに、違う人を愛して心の穴を埋めていく。そう、みんな、うきわを求めて漂流しているということでこのタイトルなのだろう。その辺りは、なかなか洒落ている。 そして、なんか、それぞれの不倫がみんなバレていく様がドラマになっていく。上の写真のシーン。門脇が、トイレで、夫の不倫相手が誰かを知るシーン。相手の蓮佛美沙子はさすがの演技である。こういう傍の目立つところにおくと、本当にひかる。そして、優等生の自

「TOKYO MER~走る緊急救命室~(第11話)」医者も政治家も、仕事は国民の命を守ること

なかなか、気持ち良い終わり方ではあった。それだけに、先週の鈴木亮平の妹、佐藤栞里が亡くなるシチュエーションは、なかなかキツい。多分、そのこともあって、賀来賢人は、MER側に着き、そのことで、厚生労働大臣の渡辺真起子の心を動かし、そのモヤモヤを都知事の石田ゆり子に誘導され、国としてMERを支持する側につかせる。こんな、ファインプレーのような政治の動きは、実際にはまずないだろう。ここは日本だ。もはや、利権が先にたつ国だからだ。つまり、そこを逆手にとって理想を語るドラマだから、多少

「漂着者 ep,7」1400年前から待ち続けられていた預言者に望むもの

「今流行りの、伏線回収しないサスペンスドラマ」というセリフが生瀬の口から吐かれる。視聴者は、秋元康に馬鹿にされているのだろうか?いや、このセリフが出てくる時点で、伏線回収を考えているのか?色々と、洒落にならないセリフである。まあ、このドラマについていえば、どこが伏線なのか?全くわからなくなってきているが…。 総理が殺されたことで、浮かび上がったのは、新聞記者、橋本じゅんの殺意だけ。これも、予想だにしていなかったが、ドラマの流れとしてあまりスマートには見えない。そして、新聞社