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2021年新作テレビドラマ放浪記

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2021年のテレビドラマの感想記録です。
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2021年7月の記事一覧

「漂着者 ep,2」幸せの鐘の家という異質性と工作員という真実っぽい話と連続殺人の混沌

2回目。連続殺人はまだ続き、その犯人を追う警察には何も証拠らしきものが流れてこない。これは、このドラマで一番おかしいことだ。生瀬勝久が、事件の周辺を色々と追わずに、斎藤工周辺のことばかりを追っている。どこのものかもわからないものと殺人事件の接点は、斎藤の書いた絵だけである。 そして、追いかけてきた先が「幸せの鐘の家」という、宗教のようなコミュニティ。シンプルなセットだが、ここのいかがわしい空気感がなかなか秀逸であり、ここの主である、野間口徹は、それを象徴するように裏の顔が気

「推しの王子様(第3話)」学ぶことの意味とコミュニケーションの意味と…。

ラスト、白石聖が、渡邊圭祐と比嘉愛未が戯れあっているとことを見つめている。三角関係という流れなのだろうが、白石が渡邊を好きになった部分がまだ詳細には語られていない。この辺り、結構、重要な感じがする。 物語は、やっと渡邊が会社に貢献する話になってきた。私的には、意外に早いなと思ったりもした。とにかく、ここまでまともな会話能力や語彙力がない人間というはいないだろうと思ったところが、意外に早くどうにかなっていくようだ。そうしないと話が進まない? でも、本を読むとすく眠くなるよう

「八月は夜のバッティングセンターで(4回)」人生でマウンドを降りたくなる時は確かにある。インコースに怯えることも…

今回は、関水渚のピッチングシーンとバッティングシーンを見ることができた。両方ともなかなか美しかった。そんなに背が高いわけではないが、均整が取れた身体で、長い髪の少女がキレイなフォームでプレイするシーンは良い。何か、そこに過去がありそうだが、これからもこういうシーンが出てくるのだろうか?しかし、この人、どんどんキレイになっていくね。2、3年後がすごい楽しみ。毎回、ショートパンツ姿が目の毒でもあります。 今回のゲスト深川麻衣は、生活の中の不満に意見を言えない人である。勝負する前

「ハコヅメ~たたかう!交番女子~(第4話)」刑事ドラマ風の成長物語に、いろいろ癒される

4回目。今回の最後には、戸田恵梨香の過去にあることを示唆するような写真が出てくる。なかなか大物女優さんと一緒に写っている一枚。ドラマも中盤で、永野芽郁の警察研修的なものはここまでで、次のステージに入る感じですな。 今回の話は、先週の続きの婦女暴行犯の逮捕まで。県警が所轄に本部を作り、まるで「踊る大捜査線」。しかし、その名前をムロツヨシが永野と戸田に振ると、二人とも知らないという。「太陽にほえろ」と「あぶない刑事」の話を出しても、思った方に話は行かない。そう、時代は、そのくら

「彼女はキレイだった(第4話)」中島健人の演技の微妙な振幅がこのドラマの鍵?

先に、中島健人の演技が木村拓哉にはできない演技だと書いた。今回のように、一回、邪険にした女の子に謙虚になっていくような演技はそれこそ木村には無理だろう。ある意味、木村は皆の注目の中で、自分の演技スタイルを作ってしまったために、私的には木村拓哉という人の演技はあまり興味をそそらない(下手だといっているわけではない)。そんなことを考えながら見てると、今回の中島健人はなかなか難しい演技をこなしている。 つまり、だんだん馬鹿にしていた小芝風花が気になっていく。そして、最初からだが、

「シェフは名探偵(第8話)」愛する人を思いやる気持ちが奇跡を起こす!

こんな、奇跡的な話がいろいろ起こるレストランというのはあるのだろうか?まあ、食事の席は知らないところでいろいろな奇跡を起こしているのだろう。というか、こういうお客様の内面を見破れるシェフがいるお店ならいってみたいとは思う。見えないスパイスがたっぷりかかっている料理が食べられそうである。 今回も2つの愛の話で、どちらも素敵な話だった。 まずは、新しいパン屋をパ・マルのオーナーが出店する話から始まる。その店主になる若い娘は、いわゆる昔ながらのメロンパンや惣菜パンはおきたくない

「TOKYO MER~走る緊急救命室~(第4話)」パラレルで動く救命と、医者としても葛藤と命への想い

ラスト、敵であるはずの賀来賢人が眠っている鈴木亮平に握り拳を差し出す。ある意味、徐々に、賀来は鈴木をリスペクトし出している構図だ。どこで、賀来が鈴木側に着くのかは興味深いところ。 今回はトンネル崩落現場の救出と心臓移植手術がシンクロしてしまうという状況。崩落現場の救出と、そこからの移植心臓の救出と、移植患者の命と、優先順位がわからなくなるような中で、全てを救おうとするスーパーマンの物語である。まあ、エキサイティングな1時間だった。 そして、今回は仲里依紗の医者としての演技

「漂着者」秋元康的ドラマ作りに少し期待するということでしょうか?

企画・原作・脚本 秋元康 主演 斎藤工ということで、どんなものが飛び出すかという好奇心は感じるわけで、初回を観るが、なかなか謎に包まれている感じは興味深い。秋元は、もともと、ビジネスとして売れるためにはどうするか?を考える人だから、映画でもなんでも、導入部は流石にうまい。 昔から、こういう漂流ものみたいなものは多くあって、漂流してすぐに、女子高生がそれを見つけ、動画配信から始まるというのは、とても今風。そして、バズることで世間に知られるというのも新しさを感じる。こんな感じで

「八月は夜のバッティングセンターで(3回)」1000本ノックは1000本では足りない!

最後に、1000本ノックをしてグラウンドに座り込む川崎宗則が、「何故そんなことをするのか?」という武田玲奈の問いに「野球が上手くなりたいから」と答える。そう、ただただ、自分の仕事が好きであることだけがその技量を上げる術なのだ。自分で自分の自己承認に満足することがあってはいけないと言うこともいっているように感じた。 今回のヒロインは、武田玲奈。和食の料理人というなかなか古臭いものが残っている場所にいる。そして、まだまだそこは男社会である。和食は特に、観て覚える文化が残っている

「推しの王子様(第2話)」人はどうやって今の世界で生きられるようになったのかを問う怪作になりえるのか?

この渡邊圭祐演じる航のような人は、最近では日本に見ることのできない存在と言っていいだろう。まず、読み書きがまともにできない人間というのはいるのか?と問うと、不思議なところで引っかかる航のような人はなかなかいないだろうし、敬語のできない問題も、ここまでそれ自体を覚えられないということもないとは思う。しかし、考えれば、私たちをそれをどう学んできたのだろうか?とこのドラマは考えさせるわけだ。多分、このドラマの航というキャラを考えるのあたって「人間が、まだ生まれたての AIだったらど

「ハコヅメ~たたかう!交番女子~(第3話)」誰でも特殊能力を持っている?

漫画として、テイストは少し違うが、この話の根底には「こち亀」があるような気はする。話の核は結構真面目であるが、交番の中の少しゆるい雰囲気を見ていてそれを想像した。オレオレ詐欺犯人を捕まえるとこなどのテイストは似ている気もする。まあ、両さんのキャラはないが、ムロが交番で居眠りしてる感じはそれだよねと思ったりした。そして、キャラが皆それなりにできているのは原作が漫画ならではの技ではある。 今回は武術訓練の様子から。最近は、このように男女は関係なくやるものなのだろうか?まあ、この

「彼女はキレイだった(第3話)」キャラを交錯させるうまさは、韓流脚本の醍醐味?

前回の最後の小芝の酔っ払っての告白は、一緒にいた赤楚衛二の機転により、中島には伝わっていなかったようで、こういう風に、視聴者が思うことを少しずらしていく様は、脚本的にはすごくうまい。多分、こういう部分はネタとしている韓流ドラマのままなのだと思う。 赤楚が佐久間由依と知り合って、佐久間が赤楚を婚約者にしようとするというのも、ドラマ展開としてはスリリングな話なのだが、これも最後にはうまくいかないシナリオ。色々と近い距離にいる4人が、上手い具合にすれ違う感じはお見事。こういうのは

「シェフは名探偵(第7話)」友人を思う二つのストーリー

レストランとは、親族、友人、恋人など、大切な人との心を食事を通じて繋ぐ場所であったりする。だからこそ、そこにはお客様の数だけストーリーがあるわけだ。どんな仕事も、ストーリーのなかの一員として自分が動けば、その意味は大きく変わる。ここでの西島秀俊演じるところのシェフはお節介だが、お客様を愛しているからこそ、そのストーリーの中に入っていくという感じだろう。そこが見ていても心地よい。 今回は、2つの友情の話。一つ目は、金持ちの女性が、知らない間に友人たちに、たかられていたという話

「ボクの殺意が恋をした EPISODE3」徐々に複雑化していくが、テンポがいまいちの3話目

今回は、殺しの舞台がグランピングの場所に。ロケ地はどこなのでしょうか?湖があって、殺しの場所としてはうってつけということですかね。こういうのは昔からありますよね。しかし、このドラマ、殺し屋の話がそれに見えないパロディなのでしょうか?まあ、ラブコメですよね。 まあ、しかし、中川大志と鈴木伸之、そして新木優子の殺しの流れはずーっと同じような流れ。で、ここでおかしいのは、新木も殺し屋なのだから、この二人の不穏な感じは理解できてるだろうに?と思いませんか?そういう部分、ちょっと足り