前田穂南

青梅マラソン

こんにちは、池上です。
しばらく貧血でやりたい練習が出来ない時期が続き、今はいったん競技からは離れて生活しています。昨日はそんな中で、プロランナーの『川内優輝』さんに勝つことを目標にエントリーした青梅マラソンに遊びで出場することにしました。
やりたい練習も出来ておらず、1月中旬くらいからは練習中にもフラフラして真っ直ぐ走れなくなったりの繰り返しで、30kmを走れることすらありませんでした。
精神的なものもあるのだろうなと思い、仕事として走るのではなく、趣味として走りながら、体も回復させる目的で競技からは離れました。

そんな中で昨日は遊びで走ることで、何かが変わると良いなと思っていました。

楽しく走りたかったのですが、あんまりゆっくり走っても30kmが長くなるので女子の先頭と一緒に走ることにしました。

正直序盤から女子にしてはペースが速いなと思っていました。
このままでは日本記録が出てしまうというペースです。
しかも序盤でペースメーカーが落ちるというアクシデントもあり、急遽ペースメーカーの人にペースを聞いて勝手にペースメーカーを引き受けることにしました。
日本記録が出るかどうかはその時点では当然分かりませんが、そのペースが予定通りということ自体、『前田穂南』選手はそれだけの準備をしてきたということです。
一方、私としては前日も一日中仕事をしており、適当に走っているだけでした。
まさかそれだけのチャンスを持った選手を目の前で見捨てる訳にはいきませんでした。

そこからは1:39:00を基準に何秒貯金があるかを彼女にポイント、ポイントで伝えながらペースを作りました。青梅マラソンは細かい起伏もある上に距離表示も1キロごとの距離表示はズレているところもありました。
そんな中で自分の感覚と5キロごとのタイムを目安にペースを作ったのですが、本当に日本記録を作るペースメーカーというのはプレッシャーも半端ではなかったです。

自信があるかないかでいえば100%に近い自信がありました。
女子のレースペースというのはマラソンの為の距離走の後半のペースとほぼ同じなので、体が覚えています。時計なんかなくても失敗しません。

ですが、1秒でも日本記録を破れば、彼女の名前は残ります。
仮に誰かが破っても元日本記録保持者という肩書は一生残ります。1秒でも超えれば、その時は話題になってもいずれ忘れ去られます。

それを考えると、どれだけ自信があっても半端ではないプレッシャーです。
結果だけみれば大幅に日本記録を更新しましたが、数秒差で日本記録を更新できないとなるとそれはペースメーカーの責任です。
男子も非公式レースの方が世界記録よりも速いのは車でペースを作ったり、他の選手が風除けになっているからです。

30km走って数秒というのはペースメーカーが如何に良いペースを作れるかにかかってきます。
後半は神経をすり減らし、1kmが2kmにも感じられました。
29km地点で時計をみたら日本記録は間違いありませんでした。
ホッとして一度は後ろに下がりました。というより、もしリズムをいきなり上げて筋痙攣を起こすかもしれないなどのリスクを考えると、私がリズムを変えるということは出来ませんでした。
本人があげるなら上げれば良い、大丈夫そうなら最後の400mで、もう一度横に並んで上げれば良い、そう思いました。
最後まで足どりが力強いのを見届けて、最後は並走し、横に並んでゴールしました。

スタートからゴールまで日本記録を見させてもらえて、自分自身良い経験になりました。身体と相談は大切なので、しばらく競技レベルでは走れないと思いますが、2時間10分切りを常に頭に入れながら、今自分に何が出来るのか、それを考えて日々の行動を積み重ねていこうと思います。

ゴール後に労をねぎらっていただきました『谷川真理』さん、
ありがとうございます。
また、色々とアドバイスを下さい。
よろしくお願いします。

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