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私たちは応援が力になることを知っている

今回は、マラソン大会の沿道でランナーを応援することについて。

サポーターの後押しが選手たちの力になる

私は地元・熊本県にあるサッカー・J3リーグに所属している「ロアッソ熊本」のサポーターをやっています。

ロアッソ熊本はかつて元サッカー日本代表の巻誠一郎選手や現日本代表のGKシュミット・ダニエル選手、MF橋本拳人選手が所属していたことがあります。現在は若手主体のチームでJ2復帰を目指しています。

サポーターとは ”熱心に応援するファン” といった存在で、ゴール裏で飛んだり跳ねたり、歌を歌いながら応援したり、手拍子したりして、選手たちに力を発揮してもらえるよう応援しています。

よく「応援って本当に選手たちの力になっているの?」という疑問を耳にします。選手たちに尋ねると「スタンドからの声は聞こえている」、「応援されると力になる」という答えを返してくれますが、実際のところ、私も「本当かな?」と疑問に思っていました。

その疑問は、ランニングを始め、マラソン大会に出るようになって「応援は本当に力になる」ということを実感して解決しました。

応援されて初めて実感できた「応援の力」

マラソン大会に出場する人の格好は様々です。ランニングウェアを着て走る方が大半で、実業団や学生ランナーなどの上位の選手はタンクトップにハーフパンツ。キャラクターに扮したコスプレ衣装を身に着けて走る方もいます。そして、Jリーグやプロ野球チームのユニフォームを着て走る方も多くいます。

走っている最中、沿道にいる方々から多くの声援をいただきます。この声援が格好によって大きく違ってきます。

普通のランニングウェアで走っている方への応援は主に「がんばれ!」といったものになりますが、キャラクターなどのコスプレ衣装で走っているランナーには「ピカチュウ!」、「ミニオンズ!」などキャラクターの名前で呼ばれます。そして、呼ばれる回数も圧倒的に多くなります。

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(こちらは東京マラソン2018を走られていた「風の谷のナウシカ」のコスプレランナーさん。思わず「ナウシカ!」と応援したくなります。)

「がんばれ」という応援も聞こえてはいますが、誰と限定されていない多くのランナーに対しての応援としても聞こえます。

それが自分が着ているキャラクターの名前で「ピカチュウがんばれ!」、「ミニオンズファイト!」となど応援されると「自分のことを応援してもらっている」とはっきりとわかります。

不特定多数に向けられた応援と、自分に向けられた応援を受けた時の違いは歴然で、明らかに自分に対する応援を受けた時の方が力になります。

私もマラソン大会に出る時、サポーターをしているロアッソ熊本のレプリカユニフォームを着て参加しています。

「少しでも目立ちたい」、「ロアッソ熊本のことを少しでも知ってもらいたい」という気持ちとともに、「選手たちと同じような気持ちで戦いたい(走りたい)」という気持ちになります。

そして、沿道から「ロアッソがんばれ!」や「熊本ファイト!」などと声をかけられると、たとえそこまでの走りで疲れていたとしても、ふっと疲れが消え、走る気力が湧いてきます。

この応援の力を受けたことによって「応援は選手たちの力になっている」ということがわかりました。

そして、「もっと選手たちの力を引き出す応援をしよう」という気持ちになりました。

応援は力になることを知っている。だから、応援する。

私は一人の市民ランナーとしてマラソン大会に出場して、自分の目標達成に向けて走ることに加え、自分が出場しない大会でも応援に出かけ、ランナーの皆さんを応援しています。

自分がマラソン大会に出て応援されたことで走る力が湧くことが実感できたこと。そして 、応援する側としても、応援することでランナーが再び元気に走り出す姿を何度も目にしてきたからです。

フルマラソンにおいて、一番キツく感じるのは35km付近というランナーが多くいます。すなわち、35km 付近でランナーたちの力を引き出す応援ができれば、最も力になれるということです。

私が初めてマラソンランナーを応援しに行ったのは2015年の「東京マラソン」。会社の上司が出場されるというので、上司を応援しに行ったのが始まりです。

コース終盤で最もキツイと思われる 38km 手前の豊洲橋付近で上司を待ちながら、他のランナーを応援していました。

時折走ってくるJリーグやプロ野球のユニフォームを着たランナーにチーム名を言って応援すると、こちらを振り向いて喜んでくれたことを覚えています。(なお、上司は地味すぎる格好で走っていたため気づかず終いでした)

翌2016年の東京マラソンでは、自分もロアッソ熊本のユニフォームを着て応援しました。すると、前年よりもJリーグやプロ野球のユニフォームを着て走るランナーからの反応が格段に良くなりました。

応援される側としても、ユニフォームを着ている人が応援してくれているとわかりやすくなって応援に反応しやすくなることに加え、「同じJリーグサポーターだ」とか「スポーツやってる人だ」という共通点がわかることで、応援が伝わりやすくなるというのを実感しました。

特にJリーグのサポーターは「なぜ東京に熊本のサポーターがいるの!?」という驚きの表情を見せてくれることも多いので、より一層、応援が伝わりやすくなります。

2017年の東京マラソンからは、現在の東京駅前がフィニッシュ地点のコースに変更となり、応援する場所も豊洲から品川に変わりました。

応援もバージョンアップさせ、ランナーが着ているチームのチャントや応援歌を歌うようにしていきました。

不思議なもので、自分が応援しているチームのチャントが聞こえてくると、どんなにヘトヘトでも走る気力が湧いてきます。しかも、そのチャントは他のチームのユニフォームを着た人から聞こえてくるのではありませんか。

「自分が応援するチームの歌を歌ってくれている」という効果から、再び走り出していくのですから、応援がランナーに与える力は絶大です。

Jリーグのユニフォームを着たランナーだけでなく、プロ野球の読売ジャイアンツのユニフォームを着たランナーに "Let's Go GIANTS!!" のコールを送ったり、阪神タイガースのユニフォームを着たランナーに「六甲おろし」を歌ったり、ソフトバンクホークスのユニフォームのランナーに「いざ行け無敵の若鷹軍団」を歌ったりもしています。

横浜マラソンの応援に行った時は、横浜DeNAベイスターズのユニフォームを着たランナーに「熱き星たちよ」を何百回歌ったかわかりません。

その度に、ランナーの皆さんは応援に答えて、再び元気に走り出すランナーの姿を何百人、何千人と目にしてきました。

2018年の東京マラソンでは Twitter での呼びかけによって他のチームのサポーターも一緒に応援してくれて、2019年にして初めて東京マラソンに出場する側となり、逆にランナーの立場から応援する人たちを応援する、ということもできました。

応援によって選手やランナーの力になれるように

残念ながら2020年の東京マラソンは一般ランナーの参加が中止となり、沿道での応援の自粛要請もあって、応援はできませんでした。

その後、各所のマラソン大会をはじめ、多くのイベントが中止となり、いつイベントの開催が再開されるかわからない状態が続いています。

今、私たちにできることは1日も早く事態を終息させるよう、一人ひとりがやるべきことに努めることしかありません。

そして事態が終息し、イベントが再開され、再びマラソン大会も開催されるようになったら、自分がランナーとして出場して無事に完走するだけでなく、参加しない大会でも出場するランナーの力になれるよう、また応援に行きます。

応援は確実に選手たちの力になります。

どれくらい応援が力になるのかを知りたい方は、ぜひスポーツ大会に出場してみてください。

マラソン大会はオススメです。制限時間内に懸命にフィニッシュしようと走るランナーをみんなが応援してくれますし、東京マラソンなどには私も応援に駆けつけます。

そして応援が力になることが実感できたら、応援することで選手たちに力を与えていきましょう。

これからも健康維持のために走りながら、読んでくださった方も走りたくなる note を書いていきます。ぜひフォローして一緒に走っていきましょう!