ミネルバ大学のユニークさ

アメリカの大学といえば、ハーバード大やスタンフォード大が有名だが、8年前(2014年)に第1期生が入学したミネルバ大学は、その有名大学よりはるかに難関である。

合格率は、わずか2%である。

この大学は、いわゆるキャンパスというものがなくて、入学した学生は、4年間の学生生活を、世界7都市を移住して過ごす。

講義は、すべてオンラインである。本部は、アメリカのカリフォルニア州にある。1年生のときは、本部のサンフランシスコで学ぶ。

2年目からは、イギリスのロンドン、ドイツのベルリン、インドのハイデラバード、アルゼンチンのブエノスアイレス、韓国のソウル、台湾の台北で移住しながら学ぶ。

ヨーロッパ、アジア、南米で過ごしながら、異文化体験をして、現地の課題に触れて学びを深めるところがユニークである。

滞在費など大学の補助がどこまであるのかは分からないが、この大学の受験料はタダである。

日本の大学は、少子化の時代にあまりにも乱立しすぎて、至るところで定員割れである。

昔より学生は減っているのだから、定員の枠をもっと厳しくしても良いのだが、それだと大学の経営が成り立たない。

結果的に、優秀な人材が集まりにくい状況を作っており、学生の学びの質も落ちている。

加えて、学費は一昔前より上がっていて、家庭の負担は大きく、学生自身が奨学金を活用できたとしても、賃金が上がらない労働環境の中で、返済地獄に陥る。

そもそも、日本の学校教育自体が、従来の画一的教育からなかなか抜け出せなくて、学力向上のためのテコ入れとして教育内容が見直されても、制度自体はなんら変わっていないのである。

おまけに、本来は家庭が教えることを、学校が教えている。教師の負担が今まで以上に増えて、優秀な先生も集まりにくい。(教師を志望する人が少ない)

その結果、教育の質が落ち、子どもも親も学校に失望するという悪循環が生まれているのである。



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