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【月間100k】ヴェイパーフライがもたらす故障について

INGING

ナイキの「ヴェイパーフライ」シリーズに関して国際陸連が規制をかけるかどうかがホットな話題になっています。

世界陸連がナイキ厚底シューズ禁止の動きへ、ライバル社にも影響

多くの選手が同じ色の同じ型のシューズを履き、高い結果が出ていることは事実であり、そのフォーム(ZOOM Xフォーム)とカーボンプレートとのコンビネーションにより極めて高い反発力が得られるのは皆さんご存知の通り。そして他社が真似できない(量産できない)フォームの製造法をナイキが握っているのでこのような事態になっているのも現実。この善し悪しをここで語るつもりはありませんが、わたくしは自宅の靴箱にあるヴェイパーフライ4%とネクスト%を当分の間封印することにしました。

それは2019年にヴェイパーフライを履いた後に故障する事態を3度招いてしまったからです。

最初の故障は、ヴェイパー4%をギリギリで入手し、その甲斐あってサブスリーを達成した別府大分毎日マラソンでした。当初は、レース中盤にコースのアスファルトの陥没にはまって軽く左足首をひねったことで痛みがでたと思っていましたが、痛い箇所が足首ではなく足の甲の外側中央部でした。これが一ヶ月近く続き、おかしいなぁと思いつつも練習できない日々を過ごします。悶々としながらある日ネットで調べてみると、短腓骨筋腱付着部炎という症状が自分の痛みにピタリとマッチしたのです。そこで痛みが治まってきたところで、テーピングして走ると距離を踏むことが出来ることを確認し、そこから練習を再開しました。

次の故障はすぐやってきます。3月の板橋Cityマラソン。テーピングも万全にヴェイパー4%でスタートするも、気温上昇に伴いペースダウン。前回の故障の練習不足が如実に現れ3時間16分台のシーズンワーストでのゴール。そして数日後...今度は右足の同じ部分に痛みが始まったのです。おそらくは左足を無意識に庇ったランニングフォームになっていたと推測されますが、この痛みが消えるまで、再び1ヶ月半を要することになるのでした。

初夏を迎え、ヴェイパーフライ"ネクスト%"の発売が話題になります。当時の大迫傑選手出演の紹介動画によると「足の保護」を開発者は話していて、私が2度起こした故障は「ナイキが把握する"ヴェイパー特有のもの"なのではないか?そしてそれが解消されるのか!?」と期待したものです。8月頃に購入し、2019-20シーズンの勝負シューズにしようと考えました。

しかしネクスト%を履いて臨んだレース結果は残酷なものでした。11月のつくばマラソンは調整感覚でもあったのでタイムはそこそこでしたが、12月の千葉マリンマラソンでハーフのPB(1h27m16s)を出し、2週後の防府読売マラソンに向けて弾みがついたと思った矢先、臀部~ハムストリング~ふくらはぎ外側まで右脚全体が神経性の強烈な痺れに襲われます。夜は鎮痛薬を飲まなければ痛くて眠ることができないほどで、仕事中もオフィスチェアに座るのが辛い状態。痛み止めを飲んで何とかなればとスタートした防府読売マラソンは5km過ぎから右脚が痺れに冒され途中リタイアとなりました。

レース後、整形外科で坐骨神経痛の疑いと診断されるものの背骨のレントゲン自体には問題なく、結果リハビリフロアに案内されることに。発症からおよそ1ヶ月半の現在ですが、いまだ完治には至っておらず、2週後に控える別府大分毎日マラソンに出走出来るかどうかも微妙な状況です。丸々1ヶ月走ることができていないので、目標タイム以前に完走できるか否かの瀬戸際と言えるでしょう。しかしながら様々なアプローチを片っ端から試し、快方には向かっています。特に鍼治療は明らかな体感の変化をもたらしました。日常生活において鎮痛薬の必要性から解放されたのは大きな進歩です。

そしてある日仕事終わりにダメモトで訪れた都内のカイロプラクティック院でこう言われます。

・体幹弱いね。あお向けの状態で脚をあげて自力で支えられないなんて、体幹が弱すぎるよ。

・足踏みしてるのを後ろから見てると、踏み込んでる足が外側に倒れ込んでいるのがとにかく気になる。(つまりアンダープロネーション)

カイロプラクターの言葉を全て信じるべきかはなんともいえませんが、体幹の弱さと踏み込み時の倒れ込みを指摘された時に、これまでの3つの故障の傾向がカラダの外側で生じていたことにハッとさせられました。最終的に自分がO脚であることも踏まえ、次の推測に到ります。

・2度の短腓骨筋腱付着部炎は着地時にZOOM Xフォームの反発の向きが外側になり、腱の位置に過剰なストレスがかかったのではないか。

・ネスクト%装着による坐骨神経痛は、"足の保護"という靴の改良により足自体は問題なかったものの、それによりストレスのかかる位置が変化したことによって発生したのではないか。

・そしてそれらは体幹や臀部の筋肉の弱さ(※整形外科の運動療法士が指摘)に起因するのではないか。

・ヴェイパーには基本的にインソール着脱概念がないのでプロネーションが故障の一因になるのではないか。

"月間100k"族である私はそもそも距離を踏むことを極力避けつつレースでの高パフォーマンスを狙うことを主題としてきたため、より時間がかかる体幹トレーニングを避けてきた傾向があります。結果として、高反発のヴェイパーフライに対して自分の身体が対応できないことで大きな故障の原因になっていることは想像するに難しくありません。

よく「ヴェイパーに合った走り方が必要」と言われますが、単にフォアフットという走法だけでなく、体幹を含めたフィジカルの強さがヴェイパーには求められると私は考えています。今回、様々な治療施設の方から、レースで故障するヴェイパーユーザーが増えてきている、と聞きました。実際に購入を考えている方にはこの記事によって、自分にとってリスクになるかどうかを判断してもらえればと思います。

今日のまとめ:

・ヴェイパーフライの高反発に適合するカラダ作りは必須。特に体幹
・ヴェイパーフライによる故障は深刻なものになる恐れ大
・現在アンダープロネーションのランナーは特に注意が必要
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INGING
月間平均走行距離約100kmでサブスリーを達成。過剰なランニングを如何に減らして貴重な時間を"仕事"に回せるかを常に考える効率主義者。"たくさん走ってるのに結果が頭打ち"、"最後は走った距離に裏切られる"、そんなランナーのヒントに少しでもなれば幸い。稲毛(ING)在住(ING)。