最後はおでん

少し早いけれど、母の日の花を贈った。日付指定が出来なかったので、間に合うか不安だったけれどもう届いたようだ。お昼頃、嬉しそうなLINEが来て安心した。

今年に入ってからまだ実家に帰っていない。つまり母にも会っていない。某ウイルスのなんとか宣言とか思っていたら、すっかり帰るタイミングを失ってしまった。頻繁にLINEや電話をするわけでもない。でもまめに仕送りが来る。毎回開けるのが楽しみな大きなダンボール。

去年の冬に帰った時は、おでんをつついた。私が作るのよりも優しい味で具だくさん。とりとめのない話をしながら、どんどん食べていいよ、ご飯も食べる？とかいがいしく世話を焼かれる。実家暮らしだった頃はうっとおしいと思っていたことさえ、なんだか嬉しく思う。

よく実家を出ると親のありがたみを感じると言うけれど、あれって本当だと思う。門限はなかったしわりと自由にさせてもらえていた身だったと思うけれど、あの頃の私は早く自由になりたかった。朝早くから起こされたり、どこに行って誰と会うのかとか深夜に帰ってきたりこっそり抜け出すと怒られること。そのすべてを窮屈に感じていた。

2年前に家を出てから、何時に起きても何時に寝ても、何時に帰ってきても出かけても、何をしても何も言われない。それこそ自由を私が欲しかった自由を手に入れたわけだけれど、全てを自分で決め動かなければ家は荒れ生活は荒れた。

やっぱりお母さんってすごい。いつも家は綺麗だったし、ご飯もテキパキと何種類も作る。そうなりたいと思い続けてもまだまだその背中は遠い。

母にはなりたくないけれど、お母さんのような人にはなりたいなと思う。