とうといもの

あたりの空気をほぐしてくれるうた
いのちの体温
うまれたての緑
えるえむえぬがからまるきらきら星
おもいつめた子をふり向かせる金木犀
かろやかな足どり
きれいなルージュ、潤う恋心
くれどきに聞こえる蟬の声
けしゴムにしのばせた名前
こもれびのまだら模様
さよならを見据えるとき
しめやかな雨の日に淹れるコーヒー
するどすぎる感受性
せかいは朝からはじまったの？の問い
そつのある暮らし
たとえばかみさまがいたら
ちっとも飛ばない紙ひこうき
つんと鼻の奥がしびれる夜
てのひらも腕も広げてひとこと「おいで」

とうといは、

なにも起こらなかったというできごと
にゅうどう雲の気配
ぬすまれなかった時間
ねおきの猫の伸びのＲ
のどかな昼下がり
はばからないハグ
ひの長さを感じる17:30
ふかふかおふとん
へんてこな寝癖
ほかほかのご飯
まよなかに目がさめたときの息づかい
みずみずしい五感とひらめきと行動
むせかえる初夏に食べるスイカ
めがくらむほどのときめき
もりの耳慣れない呼吸
やわらかいまなざし
ゆたかな光を受けとめてくれるカーテン
よるが波のように引いたあとのあさやけ
わたしだけのリズム
をかしな鼻歌
んふふでほほほ

あいうえおで考えるわたしの尊いものについて。
みなさんにとっての尊いものを教えてください。（ら行の存在を忘れてました……）