〜逮捕された時の事〜朝食、運動の時間、尿検査

掃除を終えボーッとしていると、

A『食事です!』

朝食がきた。

私『え!なにこれ!』

朝食は、コロッケパン、アップルパイパン、バナナ、牛乳だった。

B『こんな朝食見た事ないでしょ?笑 これから毎日、朝はいつもこれなんだ。』

私『うん…私アレルギーでバナナ食べれなくて、牛乳もダメなんです。』

B『まじ⁉︎早く言ってよ‼︎アレルギー対策用に違う物に出来るから、明日からすぐに変えるね!』

私『ありがとうございます。』

B『食欲ないだろうけど、一口でも食べるんだよ!』

そう言いBさんは、隣の部屋にも食事を配りにいった。

私はもちろん全く食べれなかった。

食事を食べた後は房の下の小窓みたい所に食事を出す。

まるで餌入れだった。

”だからみんな豚箱って言うんだ…”

そう思いまた更に落ちて泣いた。ここにきて、というか、ガサ入れから私ずっと泣き続けてる。

頭が痛かった。


C『1007番さん、飯食ったっすか?え!全然食べてないじゃないすか!こんなんじゃ身体持たないっすよ!』

Cさんが食事を下げにきた。

私『いや…本当に食べれなくて…税金なのにごめんなさい。』

C『税金なのは、俺も給料税金なんで気にしなくていいすけど、身体が心配っす。明日の朝食は違うフルーツ出るみたいなんで、食べれるといいな…』

Cさんはブツブツ言いながら食事を下げた。

C『もうすぐ運動の時間っすよ!少し気晴らししましょう!またあとくるっす!』

”運動⁉︎なに外少し出れるのかな⁉︎”

こんな所でも運動があるなんて、びっくりした。

そして、少しでも外の空気に当たりたかった。

B『1007番さん、運動だよ!』

運動の時間はBさんだった。

同い年ということもあり、Aさん、Bさん、Cさんの中で一番Bさんが好きだったので、安心した。

B『運動って言ってもさぁ、多分全然気晴らしにならないだろうけど。笑 少しでもリフレッシュできたらいいね!』

そう言い運動上に案内された。

なんとそこは、高いコンクリート張りだった。

天井は逃亡防止の為か、網網の鉄線が張られていた。

私『これが運動場⁉︎』

B 『そう笑 やばいよな笑 けど、俺ら2人だけだし、10分あるし、なんかあるなら話聞くよ。刑事と俺ら警察は組織が違うから、ここで1007番さんが言った事は刑事には言えないんだよ。調書に書くわけじゃないから、証拠にもならないしね。』

私『そうなんだ…けど私今回チクられて入ってるから、もはや人間不信。笑』

B『だよな〜笑 ちくりって男?』

私『そう。男も女も。まぁ、ハメられたに近いのかなぁ。聞いた感じ。』

B『友達だったの?』

私『うん、そう。仲良くしてた。』

B『そいつら、まじで最悪だな。自分らも楽しんでたんだろ?まずどんな事があろうと、女売るってかなりやばいよ!』

私『私も本当に突然の出来事で、しかもこの前も電話きたばかりでさ。けど、令状見ると名前書いてて…。それでこんなに落ちてる。逮捕と裏切りのダブルパンチ。』

B『そりゃ落ちるわ!笑 まず○物系なんて、職質かチクリかしか、どちらかしかねーからな!』

B『あ!これから取り調べとか毎日あると思うんだけどさ、例えばここから自分が出て不利になるような事とか、身の危険に繋がる事とか、無理に言わなくていいんだからな!黙秘した方がいい!警察はここから出たら守っちゃくんねーから!だから事件が増えるんだよ。』

私『うん。こんなに落ちてるけど、私刑事の味方にはならない。自分を守る。それは決めてるんだ。』

B『そこは大丈夫だね!』

私『Bさん…やっぱり警察じゃないみたい。笑』

B『いや、警察だけど刑事とは一緒にしないでくれ!笑俺はあの仕事が大っ嫌いだ。あんな仕事は、やれる奴がやればいい。ここの留置所でも、冤罪で捕まって起訴された人を何人も見てきてるんだ。』

私『起訴ってなにか知らないけど、なんかやばそうな話だね。』

B『かなりやべーよ。俺らって1007番も含め、みんなの書類を見れるんだよ。そして俺はみんなとこうやって話もしてるんだ。確かに俺に嘘ついてる奴もいるけど、明らか俺から見ても、こいつ悪くねーだろって人もいっぱいいるんだ。』

私『権力って怖いね。。』

B『そう!そうゆう事!今は少なくなったけど、昔なんて警察や偉い奴らが悪い事しても軽い処分くらいだから。俺一人で変える事は出来ないけど、だから俺はここで刑を待つ推定無罪の人達には、敬意を示した仕事をするんだ。』

私『すごいね…こんなに熱い警察官いるんだね。』

B 『実際これが普通だから!けど、こんな所に入らないように、縁を持たないのが一番だぞ!気をつけていても、もらい事故をするのと一緒!人生を大切に生きような!』

私『うん…本当にどうもありがとう。私Bさんに、ずっと看守になって欲しい。笑』

B 『そりゃ、無理だ!笑 俺今日泊まり明けなんだから、寝させてくれ。笑 今日は違う当番の人らが来るからね!気難しい人もいるけど、耐え抜いて!また明後日くるから!』

私『うん。頑張る。本当に助かった!まだまだ毎日泣いてしまうと思うけど、とにかく気をしっかりもって耐え抜くわ。』

そう言いながら、私はまた泣いてしまった。

B『おい〜!泣くなよ!それ、マツエク?綺麗なまつ毛が取れちゃうよ!!

さ、戻ろっか!』

私は房へ戻った。

房へ戻ると、違う看守グループがきた。

Dさんだ。背が高く、筋肉質な男性だった。

D『本日担当のDです!よろしく!昨日ここ入ったんだ!で、なんで泣いてんの?』

私はこの時点からDさんが、大っ嫌いだった。

私『逮捕がやだから。』

D『やだって言ったって、自分悪い事したんでしょ?しょうがないじゃん!さっき引き継ぎもしたけど、飯食べてないんだって?食べてくれないと、こっちも困るから。』

呆れたように言った。

私『はい。』

私はムスッとして、背を向けた。

悪い事したなんて、充分理解してる。

ご飯を食べないといけないのだって知ってる。

けど今は詰められても、現状を変えられないよ。

Dさんの態度に不安になり、またひたすら泣き続けた。

しばらくすると、眼鏡をかけた優しそうなオジサンがきた。Fさんだ。

F『1007番さん、取り調べです!』

私『取り調べ…?』

F『あ、初めての逮捕でしたね。説明遅れました。取り調べがある日は、こうやって私達が迎えにくるんです。そして、ここに入ってきた時と同じく、刑事さんに引き渡すんですよ。』

私『わかりました。』

私は泣きっ面で房を出た。

Fさんと一緒に、女性警察官もきていた。

女警『身体検査するんで、手を開いて立って下さい。』

女性警察官は、上から下までくまなく調べていた。

身体検査が完了した後、手錠と腰縄をされる。

私『え、もしかしてこれ毎回やるんですか?』

F『そうなんです。移動のたび毎回やるんですよ。中には凶暴な方もいるんでね…』

私『推定無罪でも扱いは犯罪者ですよねやっぱり。』

F『悲しい事に…その通りです。私も、女性にはしたくありません。すみません。』

Fさんは申し訳なさそうに謝りながら、手錠と腰縄を結んでいて、嫌味を言った事にとても申し訳なくなった。

F『○時○分、よろしくお願いします!』

刑『○時○分、お借りいたします。』

私は刑事に引き渡された。

刑『どう?少しよく休めた?』

私『別に。』

刑『別にってさぁ、沢○エ○カじゃないんだから。』

冗談をかましてきているのだろうけど、どうも刑事には心を許せなく笑えなかった。

取り調べ室に行く途中、通路から外が少しだけ見える。

”うわ…鉄格子のない空だ…こんなにも違うんだな”

そう思ってしまうと、外にいるみんながまたより一層、恋しくなってしまった。

”ぁぁぁ、私今からこんなんで、まぢで大丈夫なのかよ…”

そんな事を考えていると、取り調べ室へ到着した。

取り調べ室へ着くと、パイプイスに座らされ、パイプイスに腰縄を結ばれ、最後に手錠で取れないようにくくりつける。

座るだけでも、一苦労だ。

刑事が女性警察官にお礼を言って、刑事と2人きりになり取り調べが始まった。

刑『○時○分、取り調べ始めます。』

私『お願いします。』

刑『で、今日はまず尿を出してもらうから。覚○剤とかM○M○の検査ね!』

私『え!なんで!?私やってないんだけど!』

刑『いやぁ〜それは検査結果を見てからのお楽しみ。それにこれは強制だから。』

すると刑事は備え付けの電話でどこかに電話を始めた。

数分後、男性刑事3人、女性警察官1人がきた。


その中にいた男性刑事1人に、とても見覚えがあった。

そしてハッと閃いた。

私『あ!!!この刑事わたしが捕まる前の日、私の家の近くの自販機でジュース買って、私の事ずっとみてた2人で!あの時の人でしょ!?』

刑2『そうですねぇ〜。よく分かったね!』

私『だって、私絶対警察だって思ってた!けど、まさか自分が内偵入れられてるなんて思わなくて…はぁぁぁ。やっぱりよく思い返しても、しくじったわ、私。』

記憶が蘇るほど、自分のツメの悪さや馬鹿さに落胆した。

私『もう尿でも血でもなんでもしてくれ。刑事さんらが思うようなもんは、間違えても出てこないから。』

トイレへつき、尿キットセットを開ける時に写真を撮ったり、尿をとった後に写真を撮ったり、とにかく写真を撮られまくった。

逆ギレだが、腹が立ちすぎてピースをしてみた。

刑『ちょっと!ポーズはだめだから!撮り直し!』

当たり前だが、刑事に怒鳴られた。

ピースをした事によって、頭が変でもっと違法な事をしているのではないかと、人がぞろぞろやってきた。

勘弁してくれよ。自分を呪いたくなった。

私の尿一つをとるのに、8人の刑事と警察官に囲まれた。

トイレは包囲されていた。

”うわぁ〜…たかだか○○でこんなに勢揃いで…こりゃあ税金と精神の無駄遣いだよ”

なんだかわらけてきた。

刑『なんで笑ってるの?やっぱりなんかやってるんでしょ。』

私『いやいや、みんな凄い剣幕だし、たかだか○○で日本の警察は本当すごいなって。しかも見てよこの状況!囲まれて尿するんだよ!私こんなに正常でピンピンしてて、人を○ろした訳じゃないのに、うける以外なにがあるの!』

刑『これも立派な犯罪です。』

私は無視して、尿を出す為トイレへ入った。

尿を出し、その尿を違う容器に移し替える。

その時をその瞬間を写真にとられる。

残りの尿をトイレへ流す。

トイレの便器の水には、誤魔化し防止の為、墨汁が垂らされていて、真っ黒だった。

全てを終え、また取り調べ室へ戻る。

”腰縄もいちいちあるし、これみんな重労働だな…”

私1人を動かす為に、必ず女性警察官がくる。

まだ新米警察官で、腰縄を結ぶのもとても大変そうだった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?