粉野瑠衣

片隅で書きます。

【短編】変換装置

 そう遠くない未来。人類は辟易していた。最も辟易しているものの中に理不尽なクレームがあった。AIに対応させてはみたが、彼らは人間を出せ、人間と話がしたいと譲らず最…

【短編】巣立つ

 大方の荷物は段ボールに詰め込んだ。整理しながら、今の自分が本当に取り扱えるモノやコトなんて、手で数えられるくらいなんだなと思う。  いくつかの服。いつでも異な…

【短編】オーディオコメンタリー探偵

「はい、というわけで、オーディオコメンタリーという初の試みなんですけれども」 「自分の事件を解説するというのはちょっと照れますね。でもこの事件が一番好きというか…

あたらしいせいかつ

 「ここ最近の自粛生活、どんな感じでしたか」と聞かれて、固まった。  自分で作ったしたいことリストの8割がたできているので上出来かなと思っている。が、お菓子作りも…

【短編】なんとなく名探偵

 探偵は焦っていた。全員容疑者とされる館に集まった人間達は苛立つ者や泣く者、第2の殺人を恐れる者、軽口を叩く者とさまざまだった。彼らは大富豪のパーティに呼ばれ、…

【短編】シュミのハナシ

 女は身構えた。来た、あきれるほど聞いた、あの台詞が来た。 「ソレハ カレシ ノ シュミ ノ エイキョウ?」 女は日本生まれで、日本育ちである。それなりの教育課程…