見出し画像

廣瀬俊朗と音楽(後編)

RUGGERSオリジナルコラム
「廣瀬俊朗と音楽」

筆:廣瀬俊朗
1981年生まれ、大阪府吹田市出身
元ラグビー日本代表キャプテン
株式会社HiRAKU 代表取締役
NPO法人 Doooooooo 理事

※前編はコチラ

~スポーツと音楽~

 音楽は、ラグビーとだけ相性が良いのではない。多くのスポーツに言えるのではないか。2016年にリオで開催されたパラリンピックに行った時も同様に感じた。特にアリーナで実施されている競技は、音がアリーナの中で響く。ラテン気質の人たちは音楽を聴くと踊り出して、本当に楽しそうにしている。その様子を見て、こちらまで楽しくなって、思わず一緒に口ずさむこともあった。当然選手もモチベーションが上がって、とても気持ちが入った試合を展開してくれた。
 でも、マストという話ではない。例えば、剣道や弓道等は、その競技の価値観として、音楽で盛り上げる要素は少ないのではないかと思う。

 「スポーツを観る」という観点からこれまで述べてきた。
 一方、「スポーツをする」という観点から考えてみる。
 私が現役の時は、よく音楽を聴いた。練習が終わって、部屋に戻って、リラックスしながら、かりゆし58を聞いて、フーッと一息ついた。試合当日は、試合会場に移動するバスの中で、ホルストの惑星を聴いたり、アップテンポの曲を聴いて、自分自身の気分を盛り上げた。これまでの努力を振り返り、試合で大事なことを確認する大切な時間であった。帰りのバスでは、皆で歌を歌いながら帰ることが多かった。勝ったら、とても気持ちよく歌える。負けたら、悔しいので、感傷的になりながら、なにが足りなかったのかを振り返った。

 最近、私自身はランニングが趣味になっている。新型コロナウィルスの影響でジムが使用不可になり、自分自身のコンディションをどう維持していくのか悩んだ。そこで、この期間を逆に使って、外で走ることを楽しもうと発想を変えた。一つの目安は10kmで、場合によってはもう少し長く走る。その時に、自分を支えてくれるのが、音楽である。アップテンポの曲を聴きながら走ると本当に気持ち良い。余計なことを考えずに走れる。脳も気持ちが良いのだろう。色々と面白いアイデアが浮かんでくる。走り終わって、家に帰ってきてからメモして、忘れないようにする。最近ではScrumUnisonでの取り組み、ビクトリーロードをどう盛り上げるのかという観点で、走りながら思いついたアイデアを実行した。逆に、音楽を聴かずに、海沿いを走る時は、波の音を聴きがなら、ボーッと走る時もある。それはそれで、音を感じられて気持ちが良い。早くマスクが取れて、匂いも十分に嗅ぎながら走れる世界が戻ってきて欲しいなと思う。

 スポーツと音楽の掛け合わせをどう考えるのかは、人それぞれである。私自身としては、掛け算以上の効果があると思っている。だからこれまでの人生においても欠かせないものであったし、これからもとても大切にしていきたい。お互いが持っている素晴らしさを最大限に引き出せるような仕掛けをこれからも創っていきたい。

ランニング優先1

音楽聞いてる

(ランニング中・音楽を聴く筆者)


日本ラグビー選手会公式
選手とつながる無料ラグビーアプリ「RUGGERS」
ダウンロードはコチラから。
https://ruggers.jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?