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アナリストのキャリアデザインを考える②

サラリーマンアナリストとはいえど・・・
日本のラグビー界における社会人チームは、基本「企業チーム」である。
 トップリーグであろうが、トップチャレンジリーグであろうが、完全なプロチームはない。
企業内にある「企業スポーツ」の1つである。
 今はプロ化が進み、プロ契約する日本人選手も増えてきたものの、未だその企業に「社員」として入社し、その企業のラグビーチームに所属する選手であることが多い。
 つまり、選手もサラリーマン選手なのである(職種は色々だが)
察して、サラリーマンアナリストが特別なモノではないのだ

 ただし、過去に 会社業務 と アナリスト業務 を兼業していたという人には出会ったことがない。
 それだけアナリストの業務ボリューム的にもリスキーだったのかもしれない。社員だけど、業務がほぼアナリスト業務のみという例はあった。
 でもサラリーマンをやったからこそ、経験、学べたことはたくさんあったので以下に記したい。

社内のファンを増やす広告塔である

 企業スポーツは、その企業の業績結果や経営陣の判断に大きく左右される。それは社内にも影響をもたらし、社員全員が応援してくれるわけではない。
もちろんアンチもいる!(そんなもんなのだが)
 まったく所属する企業チームに無関心の社員だっている。だからこそ、チームスタッフであろうが社員として一緒に同僚・上司と働くことで、普段の会話などからラグビーの話が増え、少し興味を持ってくれたり、好きになってくれたりする社員が増える。今まで無関心か、ニュースやホームページ等で見ているだけだった社員が、同僚がやっているからとわざわざ会場まで試合を観戦に来てくれたりもするのである。

私の経験談だが・・・
私の所属に異動してきた先輩社員がいた。すごくキレ者で仕事もでき、オシャレでかっこいい人だった。でも最初に言われたことは、
「俺 ラグビー部キライなんだよ!ラグビー部のヤツラ仕事しないだろ!」と言われた。ショックだった。
 漏れなく私もラグビー部スタッフだったので、全然会話もしてくれなかったが、そんなバイアスが悔しくて仕事も懸命に取り組んだ!
 その後 飲み会でその先輩から「やるじゃん!しっかり仕事やってんじゃん!」と言われ、認めてくれた。それ以降、むしろ仲良くなって、プライベートの話までするようになり、会場にまで観戦に来てくれるようになった。
むしろ外部の方などにラグビー部を紹介してくれ、私と同僚なんだ!って紹介してくれた。うれしかった。

ネガティブなバイアスにしてしまう情報だけが先行している中で、一緒に仕事をすることで理解はかなり深まるのである。

企業スポーツにおいて「会社」を知る

アナリスト偏重な内容になるが、
アナリストは多くの機材やソフトが必要になる。しかも高額!!
よって、なかなか「秒」で購入できるようなことはない。
企画書を作成し、なぜ必要なのか?どんな効果がもたらせるのか?等を会社にプレゼンし、理解してもらえないと購入は難しい。
特に分析に関する機材なんてのは、普通の人にとっては理解し難いモノばかりなので、さらに説明が必要になる。
 ※例:DVDデュプリケーター
 (DVDを5〜10分で何枚も同時にコピーする機材)
だから ここでは企画書の作成方法や表現方法を学べたし、いかにわかりやすく伝えるかなどのスキルも学べた
そして 何より高額品が多いため、いつでも、継続的に欲しい!欲しい!なんて言い続けていると、業績が低下している際などは逆に逆鱗に触れることになる。
なので、社員として働いていることで、会社の業績や状況などを把握することができたため、タイミングの良い時期を見計らって提案することもできた。
関係部署の社員ともFace to Faceで挨拶できたり、話をすることもできたので、繋がりもできて、話を早く通すこともできた。
特に管理職・経営陣クラスと直にお話をさせていただく機会もあったので、かわいがってもらったし、直接ラグビー部のことも気に掛けてもらっていた。
会社の業績や状況、人事・組織を把握しておくことができたので、ラグビー部の依頼事項を提案する際には交渉しやすかった。

サラリーマン業務から学んだこと

担当業務上の話にもなるが、社会貢献に関わっていた際は、地域の皆さんや小中高校などに企業だけでなく、ラグビー部をコマーシャルすることもできた。
デスクワークではパワーポイント、エクセルを多岐に使用することから、色々なパソコンスキルを身に付けることもできた
(社内に各オフィスソフトのプロ並みの知識を持った人がいたので、いろいろ教えてもらった!トラックボールの話などでも盛り上がりながら…)
 何よりビジネスマンとして、社会人基礎力を身に付けることができたことは大きかった。アナリスト退任後に自分の身の振りを考えた時、選択肢を多く持てた方がいい。どんな身の振りになろうが、社会で仕事をしていくにはマナーは基礎として必要であり、仕事上の第一印象を決めるものとなるため、為になった。

「人事」で学んだことはスポーツにも通じる

一番長く所属していた人事では、社内教育用研修の立案、企画、資料作成や研修講師を担当した。前職が教育関係だったこともあり、やりがいもあったので、アナリスト業務との両立は一番ハードだったが学ぶことが多かった。
「人材育成」について業務上必要な知識を学び、社内外から情報を得ることができた。
ビジネスにおけるリーダーシップロジカルシンキングといったスキル、自己分析他者分析、そこから活用するコミュニケーション能力のスキルなど、社内研修用に準備しながらも、スポーツでも使える!とワクワクしながら業務をできた。
管理職用研修では、コーチングマネジメントが必ず内容に含まれてくる。ビジネスの人材育成・組織論だが、スポーツにおけるチーム創りにすべて使えるスキルと知識ばかりだった。
ビジネスであろうがスポーツであろうが、「組織創り」は一緒だ!
エディーさんもよく仰っていたが、まさにそれを目の前の感じていた。

これからの知識やスキルを学べたことは、ラグビーにおけるコーチングやマネジメントの基礎なり、スポーツのコーチングを学ぶ際に納得ばかりで学びが深かった。
最近では、人材育成や組織論について、スポーツでの判例が多く出てくるようになった。スポーツからだと身構えずに頭を柔らかくしてインプットすることができるので、理解も早いのではないか。
【参考サイト】
▶︎新規事業の人材育成とスポーツ界の人材育成の、当然といえば当然の共通点
▶︎強い人材、組織をつくる要諦 ~スポーツに学ぶ~

サラリーマンアナリストをしたことで学べることは多かった。
もちろんフルタイムなら もっとアナリストスキルや知識を高められたかもしれない。しかし、人間的成長ができたことは実感できたし、後悔はしていない。また、企業を理解し、企業スポーツに携わる上で大切なことも理解できた。

今 ベストセラーになっているエリック・シュミット 著の「1兆ドルコーチ」も元はアメフトのコーチから転身し、ビジネスコーチになったという。
(まだ読了できず 積読してあります)


ここまでのことは、あくまでも私個人の環境下における経験なので、すべてが当てはまることでないことはご理解いただきたい。


でも サラリーマンアナリストはしんどかったけど やってよかった!


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