とある理系の研究室2 研究チーム
某国立大学の理系の研究室の話。
そこそこの大学のそこそこの研究室。国内外の学会にもコンスタントに出ていて、論文もそれなりに出している。活気もそこそこ。古き良き時代の雰囲気を残している研究室。
研究チームの話。
研究室ではチーム単位で研究活動が進む。
研究チームは5つ。原則1チーム1テーマ。
チームとは言っても2-3名。M1、2とB4の組み合わせで構成。B4だけでチームが構成されることはない。
M1、M2の修論がメインテーマで、その中の一部分をB4が卒論でやるのが基本路線。
もちろんとB4が全く違うというのも例外的にはある。この場合1チーム2テーマ以上となる
5つの研究チームを准教授と講師の2人が緩い分担をしながら見る。その上位に全体を広く浅く教授が見ている。
居室のデスクはチームで島をつくり、B4の指導はマスターが行う。
職場での先輩後輩関係と同じである。
チーム内の人間関係は同期間の人間関係よりも重要になる。
何せ研究室での時間の大半を同じチームで過ごすことになるから。
また、同じ時間を過ごすという意味では、使う実験室の影響もある。
居室の他に実験室は3つあってそれぞれ少しずつ離れている。
同じ実験室を使っているチーム同士は必然的に多くの時間を過ごすことになる。
ある実験室を使っている2チームが、実験室の測定機器用の大型ディスプレイで、マリオカートを始めた。
先生は参戦した。
一方その頃、異なる実験室を使っている2チームは実験室で鍋を始めた。
先生は食べにきた。
残る1チームは発狂した。
先生は帰宅した。
それぞれのチーム、実験室単位で研究外活動を日々独自に実施している。
ごく稀に恋が生まれたりもする。
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