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おうちにお花を生けたい #ハッピーになるかもしれない朝エッセイ

学生のころお付き合いしていた人が、花農家の息子さんで、ときどき実家で栽培された花をくれることがありました。
あまりメジャーではない花ですが、今でもその花を花屋の店先で見ると彼のことを思い出します。

別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。

この言葉を知ったのは、有川浩さんの小説「植物図鑑」でした。

調べてみたら、もとは、川端康成の掌編小説集【掌の小説】の一遍、『化粧の天使達』に出てくる一説なのだそうです。

この言葉を読んだときに、「やられた」と思いました。
彼にその意図はなかったでしょうが、結果的に死ぬまで毎年彼のことを思い出すのですから。罪な奴。

それはさておき……

2月終わりごろからでしょうか。
街が春めいてくると、スーパーのレジ横や野菜売り場のそば、ショッピングモールに併設されている花屋さんでも、春らしい花が売られるようになってきました。
そんな、季節の花々を眺めるのが好きです。
地方ですので、仏花や榊のほうがたくさん売られていますが、その中に季節の花々がアレンジされて陳列されているのを見ると、長いレジの列を待つイライラも少し落ち着きます。
時間に追われ、時計を見ながらせかせかと買い物する足を止めて、深呼吸する時間をくれます。

我が家の玄関には、ドアを開けた正面に、引き出しのついた小さいテーブルがあります。長いこと、そこには観葉植物を飾っていたのですが、最近、花を飾るようになりました。

きっかけは、仕事でお世話になっている方から、地元で栽培したというお正月の「おもと」をいただいたこと。

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いい塩梅だったので、それから、ここは花の居場所となりました。
(観葉植物はリビングへお引越し)

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桃の節句に合わせて、桃の花とチューリップ。

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息子が卒業式で頂いてきたチューリップと、名前は知らないけど見た目が気に入って買ったスーパーで買ったお花。

ですが、花のアレンジがよく分からないし、花瓶に生けてもどうもぱっとしない。地味。なので、とりあえずお店ですでにアレンジされたものを買ったり、花屋さんで金額を伝えて適当にアレンジしてもらったりしていました。

好きなお花を3本だけ買って、生けてみるといいですよ。

これは、北欧、暮らしの雑貨店というネット上の雑貨店の、店長、佐藤さんとアシスタントの青木さんがやっているインターネットラジオ「チャポンと、行こう!」で聞いた言葉。

家にお花を飾りたいけど、どこから始めたらいいか分からないという、リスナーさんの質問に佐藤店長が答えたもの。

低めの花瓶、透明と白いものを二つ買って、花は3本。花の茎の長さを変えて、花に似合う花瓶を選んで、茎に高低差をつけて生ければ、不思議とまとまって見えるとのこと。
お花3本なら、お財布にも優しいですよというオマケつき。

なるほど、いいことを聞いた。

さっそく、スーパー(花屋に行けよ)の野菜売り場の横の生花売り場を物色。気に入った花を3本買って帰った。
さて、生けてみようと、袋から花を出したら、

ボトリ。

3本のうちの1本の花が、茎から首がもげるように、ボトリと床に落ちた。
茎の細さに対して、花が大輪だったせいかもしれない。

はあああ、がっかり。

というわけで、先ほどチューリップと一緒に生けてあった、名も知らないカワイイ大輪の花は、その残りの2本ということです。

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落ちた花は、小さな花瓶に飾って、ダイニングテーブルで元気にしています。

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次こそはきっと、気に入った花を3本買って生けよう。

もし、この花の名前を知っている方がいらしたら、教えてください。
きっとあなたのことは、一生、忘れられないと思います。





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