さみしさをおすそ分け

深夜1時。夜中に目覚めてしまった。

寝る前に、遅くまで働く友人に送った「がんばれ」のLINEは、未読のまま。
別の友人と話していたけど、私からの返信を最後に、既読のまま返事はない。
投稿しておいたnoteにスキは付いていない。
Twitterにも通知はなし。タイムラインも静かだ。

スマホを消して、布団にもぐり直す。

なんだか寂しいな。

そういえば、「また飲みに誘うから!」と言ってて別れた友人からは、一度も連絡がこないな。
春になったら、あの子はどこかへ行っちゃうのかな。

大人はみんな、それぞれに忙しい。仕事、育児、家事、介護、付き合い……
目を向けることが、たくさんあるんだよな。仕方ないよな。

でもやっぱり寂しいな。
世界に置いていかれたような、みんなが私の存在を忘れてしまったような。

布団の中で、寝返りを打つ。お母さんのお腹にいる赤ちゃんのような姿勢になる。

すると、隣で寝ていた夫も寝返りを打った。

そっと夫の布団に右手を入れる。夫の手に触れる。
なまっちょろくて不器用そうな白くて長い指。つるりとした肌を触る。
ほんのり温かい。夫が寝ぼけながら手を握り返す。

居場所はここにあるな。

それを確認するかように、夫の手の体温を自分の手に移るくらい、じっとしてみる。

次第に眠くなってきた。

「ブーーー」

スマホからメッセージ受信の音がした。

スマホは見ない。

さみしさをおすそ分けしたくなる、いじわるな金曜の夜。

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