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映画で分かった恋の行方

学生時代、付き合っていた人と映画に行った。
彼が見たがっていたものを2本、はしごした。

1本目は、「JFK」

アメリカのケネディ大統領暗殺事件をモデルにした映画。
どこまでが真実で、どこまでがフィクションなのか、全然分からない。
ものすごく、リアリティのある映画だった。
オープンカーに乗って手を振るケネディ大統領が、何者かに銃で撃たれ、あおむけに倒れるシーンが、何度も繰り返し映し出される。妻のジャクリーンが車の後方に飛び散った彼の肉片を拾うシーンが、今も脳裏に焼きついて離れない。
司法解剖するシーンでは、収穫したイモやダイコンみたいに、頭蓋骨から脳が取り出され、医師の手に高くかかげられ、秤にかけられる。「至近距離で撃たれたとしか思えない。脳が半分なくなっている」と淡々と語られる解剖の状況。思い出してもぞっとする。(ここらへんあたりから記憶がない。怖くて気を失っていたのかもしれない)

昼食を経て2本目。(多分、食欲なんてなかっただろうな)

「エイリアン3」


リプリーという女性がエイリアンとか男性たちにひたすら追いかけられるストーリーだった(と記憶している)
驚いたのは、リプリーはボウズ頭だった。この役を体当たりで演じたシガニー・ウィーバーに拍手を送りたい。
エイリアンは怖くて気持ち悪くて、もうどこを見たらいいのか、目のやり場に困った。
ネタバレになるけれど、一番衝撃だったのは、リプリーの体内にエイリアンの卵が産みつけられていると分かり、彼女がエイリアンを駆逐するため、卵とともに溶鉱炉に落ちて一人死んでいくという驚愕のラストだったこと。
この少し前に大ヒットしたターミネーター2の「I will be Back」のシーンをデジャブしたのかと思った。
エイリアンと男たちに追われて追われて、最後に人類を守るため死を選ばざるを得ないなんてあまりに理不尽で悲しすぎた。

本当のことを言えば、子供のころから、人が残虐に殺されるサスペンスとか、エイリアンみたいなホラー系の映画は大の苦手だった。

「きゃあ、こわーい!!」なんて、かわいらしく、彼の腕に寄りかかりでもできれば、こんな映画もイチャイチャのネタになったのかもしれないが、残念ながら、そういう性格でもなく、ただただ真剣に映画を見て頭の中で咀嚼し、自己完結するタイプ。

あの頃、初めて好きになった人と付き合えることになって、うれしかった反面、不安ばかりだったあの頃。
彼が自分から離れていかないように、必死で彼の好みの見た目になろうとしてみたり、あれこれと世話を焼いたり、彼の好きなものを好きになろうと頑張っていた。
苦手な映画を我慢して観たりして。

その後、彼とはいろんなことで衝突して、結局、お別れした。

いつまでたっても、苦手なものは苦手なまままだし、好きなものは今も変わらない。
無理をしても、うまくいかないと学んだ恋だった。

(注:私個人の感想です)

#映画館の思い出

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