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#冒頭3行選手権
新たな冒険の始まり #冒頭3行選手権
この世界のどこかに、一度入ると、生気を奪われ、エネルギーを吸いつくすまで逃げられないという恐ろしい城があるらしい。
しかし、私はそれを都市伝説のたぐいだろうと本気で信じてはいなかった。
果たして、恐怖の城は本当にあった。
大好きな彼が、恐怖の城に取り込まれた。朝早く、細長い乗り物に乗せられ、城まで連行され、深夜に解放される。365日休みなく。彼の顔から、日に日に生気が失われていく。
城の名前
マスクを外す、5秒前 #冒頭3行選手権
「え、じゃあカナコ、ついに今夜マスクを外すんだ!」
「きゃあ、やめて! 恥ずかしい! うふ、でもね、もう勝負口紅は買ってあるの! 真っ赤なやつよ。 次が3回目のデートだし、いよいよかなぁって」
「きゃあ、カナコったら!」
20XX年の新型ウイルスのパンデミックをきっかけに、人々がマスクで口を覆うようになったことを、私たち若者は知らない。
朝から、すみません!!
課長代理 田中絹子の秘密日記
「正直、僕も忙しいんで、これはこんなもんでいいと思うんですけどぉ」
あんた、さっきの会議で寝てたじゃねーか! 今だって、喫煙所に行って1時間戻ってこなかった。何が忙しいだバーカ!
田中絹子はそう言いたいのを我慢して、「ここ、もうちょっとやってくれない? それで時間内にできなかったら私がやっとくから。あ、あと、ここ数字間違ってる」
最後に数字の間違いを指摘したのはヤツに対するせめてもの攻勢。