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ボルマゲドン後

今年3月に書いた文章。たった半年で既に内容が陳腐化している。

「ボルマゲドンという聞きなれない言葉をニュースで見る。どんぶりものだったら不味そうな名前。なんのことはない、ボラティリティとアルマゲドンの造語。足元の金融市場の動きは、市場変動の急上昇が呼んだ人類終末戦争と。

市場での変動率が急上昇して、暴落でこの世の終わりのような追証が発生して、リスク投資は縮んで逆流、それが目下の世界的なUSドル買いに。それに対して政府は未曽有のドル供給実施。あたふたとしたドル買いは、実需からかけ離れ、あたかもトイレットペーパー買い占めのような。

輪廻転生の仏教徒には、終末論的な相場観はピンときませんね。この世の終わりでなく、新たな日常、ニューノーマルが受け入れられて、世界は続いていくのでしょう。政府・中銀も、時間稼ぎのロックダウンで経済が止まってしまうのを埋め合わせるくらいの、年間GDPの3割とかの財政・金融出動をがつんとやって。

ワニくんも最期が訪れた後には書籍化映画化が待っていたように、何事も終わりの後には、新たな始まりが」

そういえば、ワニくんとか3月だったなあ。

あれから6ヶ月。金融市場は、素直に政策に反応して暴落を帳消しにまでして、さらに正常化の期待までおりこもうとしているけれど、さてどうなるか。

過去を振り返れば、人類は、というか世界経済は、2001年のあの911からも立ち直り(空港のセキュリティ強化に順応しながら)、2003年のSARSも1年もしたらあたかもなかったかのように。2000年の最初の10年の半ばくらいには、グローバリゼーションで世界的な繁栄を謳歌。

ワクチンとか、治療法でウイルス対策の目処の先行きがみえてくれば、それは素晴らしいことで、コロナ前へと正常化することを当然期待したくなる。

そんなウイルスへの対抗策がみえてきたら、これまで溜まりに溜まってきた、レストラン行きたい、旅行したい、集いたい、などのうっ積した需要が一気にでてくれば、それは経済は瞬間風速ではすごいことに。

が、その先である、問題は。

このロックダウンの記憶はあまりにも強烈で、予想外に長かった。911の後に、面倒なセキュリティを越えて外国旅行を復活させたように、以前のように格安航空大繁盛、人々は国境を越えて大イベントで集って、飲めや歌えやの時代が100%回復するだろうか?100%が無理だとしたら、経済活動はどのくらいまで戻るのだろうか?

経済も金融市場も、ここからは、新たな正常化への期待、溜まった需要の急激な顕在化とかで明るい期待を持ちたいものの、再燃する感染でヒヤリとする局面はあるだろうし、コロナ後の世界を冷静に考える中で以前より停滞した世界を想定すると、ちょっと憂鬱に。あとから振り返ると、世界経済の「失われた10年」と評価されてしまうような時代にならなければいいが。

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