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アンチコミュニケーションスキルのススメ

以前、職人さんに頼んでテーブルを作ってもらいました。

僕はインテリアが好きで、細部まで“こうしたい”というこだわりがあります。
職人さんに「天板をこんな形にしたいんですけど、できますか?」「足は、こういう風に組んでもらいたいんですけど、可能ですか?」と質問すると、かなり長い沈黙があり、こちらが不安になってきたころに「…たぶん、できます…」「それは、まぁ、可能です」とボソっと答えてくれました。
はじめ、この沈黙はなんの時間だろう?と思っていたのですが、そうか、職人さんが頭の中でイメージしてくれているんだな、と分かりました。

これは、一般的なコミュニケーションスキルという点では全くダメですよね。けれど、家具職人として考えた場合、流暢にセールストークを繰り広げるよりは実直さが伝わって、ずっと信頼できるわけです。僕は、その職人さんとのやり取りが気に入り、テーブルを依頼しました。

社会生活をおくる上で、コミュニケーションスキルが大事だということはずっと言われています。けれど、この職人さんが売り上げを増やしたいと思い、コミュニケーションスキルを学んだとすると、この方の良さは伝わらないかもしれません。

人が違えば個性も違うわけですし、コミュニケーションの取り方も違うわけです。ですから、僕自身は、スキルとしてコミュニケーションを学ぶよりも、自分の特徴を知る方が先だと思うし、強調されるべきではないか?と考えています。模範とされるようなコミュニケーションの取り方を目指すよりも、自分の良さがもっと活かされるコミュニケーションってどんな取り方だろう?と考えてみる方が良いと思うのです。

カウンセラーは、コミュニケーションの専門家とも言えます。ですが、魅力的なカウンセラーはみんなクセがあります。自分の特徴を活かしたコミュニケーションをとるようになっているのかもしれませんね。

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