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雑記 10月

蜘蛛の巣から抜け出そうと羽をばたつかせる渡り廊下の蝶
長い廊下に広がる水槽の水の音
東棟4階の1番奥のトイレに使用禁止の張り紙を貼ったのは私。
誰にも邪魔されない秘密基地が欲しかったの。
私がまだ17才なら、許されていたことなのかな。どうしようもなく嘘つきで、ごめんね。

私を許してくれたあの日から、あなたはずっと特別で、でもあなたはきっと誰からも特別。私はあなたのなんなんだろう。あの子はあなたのなんなんだろう。2人お揃いの小さなふたつ結びを後ろから眺めていた。君のショートカットが好きだった。ロングの私とお揃いにしても、誰か気づいてくれるだろうか。
あなたを可哀想だと思ったの。あの子はあなたを傷つけていると思い込んだの。でもきっと私の知らない2人がいて、信頼があって、それが垣間見えてしまう。それが私を深く傷つける。何を感情的になっているんだ。私には何もない。一方的に、眺めている。だけ。
あなたはいつでも唯一無二で、私は真似っ子、ただの模倣。どれだけ着飾っても、繕っても、あなたには届かないのがわかってしまう。何も隠せない。嘘はつけない。ただ手がつなげるだけで、それだけでいいよ。それすら出来なくなっちゃうから、できるだけ触れ合っていようよ。作り物じゃない君のこと、なんだか不思議に思ったりするんだ。

愛も恋もだるくて嫌いだからもう愛してるとか訳わかんないこと言わないでね。なんだかんだ世界って楽しくてほんとつまんない。私の事見つけないで。雨がやんでも外には出ない。もうひとりぼっちでいたいんだ。
嘘つけないとか嘘を重ねて矛盾だらけの私になって、みんな消えちゃえばいいって嘘も誰も暴いてくれない。

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