父から受け取ったもの。
今年、うちは新盆。
3月に父が亡くなりました。
……まさか、父がいなくなるなんて思ってもいませんでした。
でも、人って本当に死があるんだなと実感。
母の再婚で、義父ではありましたが、法律上、10年以上養女であれば実父扱いになるって聞いたような。
でも、そんなことあまり関係ないなと思います。
父は、実父以上の愛をくれた。
なんだかんだ、父は私からしたら異性です。思春期に母の再婚が決まり、当時はあまり関わることを避けていたかも。
中学から、反発し、物凄い心配と迷惑をかけたけど、いつでも優しさと思いやりは溢れてる人だった。
泣いて私を怒鳴り、怒鳴ったことで、また1人で泣く父。
そんな涙脆く、本当は愛に溢れた人だったと、気がついたのは、母親から
「もう、長くないよ」と、聞かされて介護するようになってから。
悔いはない。
1月から亡くなるまで、関西から帰省し、母と2人で父の介護。
車椅子で、日に日に弱る父を見ていると、なんとも言えない気持ちになったけれども
一番もどかしそうなのは、いつも父だった。
自分で歩けない、着替えが出来ない……
最後には血糖値が下がりすぎて認知症のようになってしまい、病院に連れて行っても騒いでしまう。
父が病院に運ばれる前の晩に、お腹が空いたといって
どら焼きと、冷たい牛乳少しを渡すと
「半分食べろ」って言うのです。
「いいから、お父さん食べなよ」って言っても
「いいから、いいから」って、笑顔で。
2人で分け合って食べた。
それが、父がこの世で最後に口にした食べ物だったな。
目の前から、いなくなったことは、とても悲しかったけど、悔いがないのは
最後の最後まで、そばにいれたこと。
そして、父の魂は、私の中にいること。
無償の愛を教えてくれた人。
無償の愛なんてないだろう…と、思っていたけれども、父の死を通して教えてもらったのは、見返りのない愛。
それを、私はちゃんと受け取れた気がします。
その愛を今度は、自分の愛する人たちや、大切にしている人たちに、向けていきたいな。
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