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散歩駆動開発(SDD)

散歩というのは、最もクリエイティブにつながる行為だと思う。缶ビールがあればなお良い。

システム開発の現場において、いくつかの開発手法がある。システムが正常稼働するレベルのテストを用意した上で開発を進めるテスト駆動開発や、データありきで開発を進めるデータ駆動開発が有名だ。前者はTDD(Test Driven Development )、後者はDDD(Data Driven Development )と呼ばれる。

では個人で創作する時に何を先駆けとするか。私は散歩駆動開発を推したい。SDD(Strolling Driven Development)とここに命名する。

三上という言葉がある。これは中国の欧陽修という人が残した言葉で、最も良い考えを思いつく場所を指す。三上とは、馬上、枕上、厠上である。つまり「移動中、布団に横になっている時、トイレ中」の3箇所だ。散歩とは時に目的地がないものなので、移動していると言えるか微妙である。が、これを移動中という定義の中に含んでしまえば、1000年以上前の人物の言葉なのだからと、周囲を納得させるに足る話になる。

かの哲学の道も、京都の哲学者が議論しながら歩いたことが名前の由来らしい。
こう考えていくと散歩が考えを整理するのに有効であることは、古から論じられてきたことだとわかる。

もちろん机の前に座っている時も色々考えている。しかしそれらが繋がるのは机の前ではない。食事中や作業中。執筆中などに断片的な思考を何処かに書き留めておく。そしてそれらが散歩中に次々と繋がっていく。私もnoteと散歩とアイデア発想がつながるとは思いもしなかった。散文を今こうしてまとめている。

アルコールがあればさらに良い。先入観を排除できるからだ。素面だと性格的なものか、ついついネガティブな理由も考えてしまう。しかし気を軽くすることでそれらはポジティブな感情によって抑えつけることができる。アイデアの確実性の他にもう一つ問題がある。ちゃんとメモを取らなければ忘れる可能性が高いということだ。

時間も重要なファクターだ。私は完全に夜型人間なので、夜の散歩を好む。人通りが少なく、音が少ない方が思考の整理をしやすい。ただし成人男性が夜な夜な缶ビール片手に街を徘徊するというのは外聞が悪すぎる。やむを得ず昼間に散歩することが多い。大抵は駅前でコーヒーをしばいたり、本を買って帰る。

仕事中であっても昼食に外に出られるのであれば、10分程度街を歩いてみるとよろしい。今まで見えてこなかったが見えてきたり、リフレッシュすることができる。とはいえあまりしすぎると現実逃避の手段となってしまうため良くない。

散歩が好きだ。
一人で歩くことも。友人と話しながら歩くことも。音楽を聴きながら歩くことも。


日常を大切にしたエッセイをこれからも書き続けて行こうと思います。 サポートいただけるとnoteを書くためにカフェに行くことができます。是非よろしくお願いします!!