成約単価を上げる方法
こんにちは、RtoRの井川です。
人材紹介事業者における経営指標の一つに「成約単価(決定単価)」というものがあります。
人材紹介事業の売上は、決定数×成約単価になりますので、売上を伸ばそうと思えば、決定数を増やすか?成約単価を伸ばすかということになります。
これは、個人のコンサルタントにおいても同じことが言えて、去年よりも売上を伸ばそうと思えば、決定数を増やすかより高単価な決定を増やすかのどちらかになります。
「エージェントによって異なる成約単価」
人材紹介業における成約単価というのは、実は対象としている業界や職種、レイヤーによって全く異なります。
単価100万円未満・・・1件当たりの成約単価が数十万円~70、80万円といったエージェントがあります。よく聞くのは、「新卒紹介」「既卒者やフリーター」などのほとんどキャリアのない方を対象としている場合や、「トラックドライバー」「整備士」などといったブルーカラー系の紹介、若手未経験者を未経験エンジニアや未経験施工管理として、SESや派遣会社に紹介するスキームもこのレンジの成約単価であることが多いようです。
単価100万円台・・・若手営業職などの大量採用など、大手媒体系の人材紹介会社が行っている人材紹介の単価は100万円~150万円程度だと思います。また、エンジニアやクリエイターなどであっても若手や比較的年収レンジの低い属性を扱っている場合はこのあたりになります。
単価200万円~300万円・・・以前は平均単価200万円くらいだと「ミドル層」として、一定のキャリアがある30代以上のイメージでしたが、最近は手数料率の高騰や決定年収の増加もあり、ミドル層でも300万円程度の決定が増えてきている印象です。
単価400万円~500万円以上・・・1000万円の決定年収の35%で350万円になりますので、それ以上の決定単価となると、「ハイクラス」「エグゼクティブクラス」となってきます。最近ではミドルクラスでも70%~100%といった手数料率もありますので、必ずしも単価だけでは判断できませんが、通常であればこのくらいのクラスになるとエグゼクティブサーチに近い世界になってきます。
「成約単価が高い案件」
では、各社、各個人における成約単価を上げる方法とはいったいどのような方法があるでしょうか?
答えは簡単で「決定単価の高い案件をやる」ということになります。しかし、「言うは易く行うは難し」ですので、もう少し「決定単価の高い案件」について分解してみたいと思います。
決定単価が高いとは「年収が高い」か「手数料率かミニマムチャージが高いか」のどちらかになります。
そのため、決定単価を上げる方法としては、①年収が高い案件をターゲットにするか、②手数料率が高い案件をターゲットにするかの二択になります。
では、年収が高い案件とはどのような案件があるでしょうか?
・大手企業で年収が高い(総合商社、大手コンサルなど)
・外資系企業で日系企業と比較すると年収が高い
・CXOなどのポジションで役割として年収が高い
などがあります、また「外資系+管理職以上」「大手企業+管理職以上」など、これらの条件が組み合わされるとより高い年収提示もあり得ます。
また、手数料率が高い案件とはどのような案件でしょうか?
・希少性の高い求職者を求める求人(エグゼクティブクラスやニッチなエンジニアなど)
・特定の資格が必要で急募で募集している求人(弁護士、会計士や各業界で必要な各種資格)
・急成長して儲かっており採用ニーズが非常に高い(コンサル、M&A、エンジニアなど)
「成約単価を上げる方法」
具体的に成約単価を上げる方法としては、上記のような求人を獲得し注力することです。
しかし、このような内容を見ても一向に成約単価が上がらない企業や個人の方々もいらっしゃいます。
そのような方々は、得てして「成約単価が低い案件もやっている」ということが多いです。
成約単価を上げたいのであれば、「成約単価が低い案件をやらない」ことが近道です。どうしても個々のコンサルタント任せだと、クライアントの熱量や想いから、成約単価に関係なく仕事に取り掛かる方もいらっしゃいますし、それはそれで正しいことでもあります。
しかし、もしその組織の課題として成約単価を上げたいのであれば、成約単価が低い案件に取り組まず、成約単が高い案件に集中することが大切になります。
成約単価を上げている人材紹介会社の取り組みとしては、下記のようなものがあります。
・年収500万円や600万円を下回る求人には着手しない
・手数料率40%未満の企業とは取引しない
・ミニマムチャージで300万円もらえない場合は着手しない などです。
現在のように、これだけ過度な求職者争奪戦の中ではより高い報酬を出してくれるクライアントに集中するのも頷けますね。
ちなみに、弊社では幅広い企業と取引し求職者の可能性を狭めないことと、私自身が手数料率やミニマムチャージが高いクライアントに偏り過ぎない(フェアな気持ちで)紹介ができるよう、手数料率は35%でミニマムチャージも良心的プライスで取り組んでいます。
皆さんの会社ではどのように取り組まれていますでしょうか?
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