アダムグラント著『GIVE&TAKE「与える人ほど成功する』を子育ての視点から考えてみた

ビジネス書は子育てに役に立つ

私には、2歳~小学生までの4人の子どもがいるので、子育ての悩みは尽きることはなく
今までも、子育て本なども読んできましたが…
もちろんよい本もたくさんありますが、何かしっくりこないというか、ハウツーは分かっても
なぜその方法が効果的なのか分からないからなのか…袋小路に陥ってしまったことも何度もあります。

紆余曲折あり、様々なジャンルの本を読むようになった私は、あることに気付きました。
「どんな本でも、子育てに応用できる…!」と。

子どもも人間です。どの本も突き詰めて行けば必ず人間が繋がってきます。

例えば、ビジネスパーソンに向けての時間術だったら、子どもの学習や生活に当てはめることはできないかな?とか、
私の家事・育児・仕事の管理に使えるかな?などと考えてみたり。

こうやって本を読んでいる方もたくさんいらっしゃるとは思いますが、
私は少し前まで、かなり凝り固まった視点からしかものを見ることができず、視野狭窄に陥っていましたので、
視点を変えることの面白さを忘れないためにも、書いているというのもあるのです。

なお、本からの引用は【 】で表しています。


ギブアンドテイク

世の中はギブアンドテイクで成り立っています。

筆者は、人間の思考と行動を
ギバー(人に惜しみなく与える人)
テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)
マッチャー(損得のバランスを考える人)
の3つのタイプに分け、
ギブアンドテイクに至る筋道が まるで異なることを記しています。

ざっくり言うと、ギバーになりたくなる本です。

それも【自己犠牲的】ではなく【他者志向性】をもって、です。
【他者志向性】とは、
【例えばチームで仕事をするときに、自分の取り分を心配するのではなく、みんなの幸せのために高い成果を出す、そこに目的を設定する
ということで、こういうギバーが成功するということです。

(※私の場合は、この”チーム”を”家庭”に変換して読んでみたりしています。)

ざっくりすぎてごめんなさい…。
監訳者の楠木建氏が【人間の本性を見据えた骨太の本】と書いていますが、
これ以上の表現が思い浮かばないので、そういう本です。読んでみてください。笑


さて、ここから、私が考えたことを書いていきます。


☆子育てに使えそうな考え方

責任のバイアス

これは意識しておくだけで、かなり子どもとの関係もパートナーとの関係も
よくなるんじゃないかと思います。

【人は「他人がしてくれたこと」より、「自分がしてあげたこと」に関する情報を多く手に入れる
「自分はこんなに家族のことを考えてやってるのに、あなたたちは何もしないんだから!もう!」
みたいになった時に、思い出すといい。

そういうときには
お互いの貢献度を正しく判断するカギは、他人がした貢献に注目すること】それをリストにすること
だそうです。

例えば
「きょうだいで楽しく遊んでくれたおかげで、母の仕事がはかどった」
とか
「にこにこ笑顔をしてくれたおかげで、こっちも笑顔になれた」
とか
「ケガをせずに遊んでくれたおかげで、病院に行かなくてすんだ」
とか
こう考えるだけで、日常の当たり前…ととらえがちなことさえも、貢献に思えてくるんですね。

よく「子どもの良いところを探しましょう」って言うけれど、
もともとネガティブ思考の強い私の中ではあまりピンときていなかったのです。

だけど、貢献ととらえてみたら、私にはしっくりきて、子どもの愛しさが倍増しました。


恩送り

家族でも、勝ち負けや成功と犠牲ではなく、【全員が得をする】これ、大事だと思います。

例えば、「一緒に散らかしたのに、姉だけ片付けて、妹はのほほんとしててズルイ!」みたいな
こうなれば、姉が損した気持ちになってしまいます。

そうではなくて、全体の利益を大きくする、家族で言えば、みんなが最終的に得をするには、と考える
キレイになった部屋で気持ちよく過ごせるとか、
例えば、「おじいちゃんに優しくしてもらったから、私は妹に優しくする」みたいな?
連鎖、リレーみたいな好循環が生まれたらいいなと思いました。
そのためには、まず母親である私が優しくならないとな…
難しい(笑)ですが、努力ですね。


子どもの話を聞くこと

人は自分のことを話すのが大好き】なので【自分のことを話せば話すほど、グループのことが好きになる】
ということ、

これに加えて、

【聞く者の心をつかみたければ、本当に彼らの関心を強く引きたければ、彼らの住んでいる世界を知らなければならない
(これ、アドラーの【他者の関心に関心を寄せよ】を思い出しました)

ですので

子どもに自分のことをたくさん話してもらって、
子どもから母や家族への愛着や信頼を感じてもらい、
かつ子どもの関心のあることを聞き出せるということ、

子どもが今何に関心があるか分かれば、関わり方も模索しやすいのではないかと思いました。

例えば、よくある手法ですが、子どもがお人形遊びをしているとします。
「夜になったね、もうお人形さん ねんねさせてあげようか」とかそういう歩み寄り方です。
同じステージ?コート?リング?に立て、ということですね。

上から「寝る時間だよー!片付けてー!」じゃないってことです。

疑い深くなっている人に対して優位に立とうとすればするほど相手は抵抗する
とも言いますから。

勉強しなさいばかり言っていると逆に勉強しなくなるという話もありますよね。
(かといって、何も言わないと、本当にしないのが我が家の長男ですが…笑)

また、相手から答えを引き出す手法として、投票率を上げる話術というものがあります。
【ちなみにあなたは次の選挙で投票に行く予定ですか?】
【ええ、市民の一人として投票に行こうと思っています】

これは説得されたからではなく、自分自身で出した答えであるというのがポイントです。

よく園の先生にされるアドバイスとして「今、何する時間かな~?」みたいに聞くと
子どもの方から「お片付け!」と言って動き出す確率が高まるという方法です。
子ども自身も「そろそろ、あれしなきゃな…」と頭の中で分かっていることが多いので、頭ごなしに命令されてしまうと
「いまやろうと思ったのに…」とやる気がそがれてしまいます。
子ども自身から、行動を引き出す工夫も必要だと思いました。


心理的安心感

誰もが自分も貢献できると思えるような雰囲気】【何度失敗してもいいという心理的安心感
この環境を作ること
これは、子どもの自己肯定感や挑戦力・好奇心を高めるのに必須だと私は思っています。

お手伝いなどして家族への貢献感を持ってもらう、
自分の打ち込めることをみつけるためにも、まずは挑戦することが大事なので、
安心感の土台をつくることは大切だと思います。

例えば大場美鈴さんの『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』
のなかにある「OKカード」といって、失敗したときの対処法をイラストにしているカードがあります。
(例えば飲み物をこぼしても、ぞうきんで拭いたらOK)
これはいい方法だなと思い、我が家でも製作途中です。
子どももどうすればいいのかわかり、問題解決能力が上がりますし、親も必要以上に子どもに怒らなくなりそうです。


自己成就予言

子どもの可能性を信じること、これ大事ですね
自己成就予言とは【他人から期待されると、それに沿った行動をとって期待どおりの結果を出すこと
【リーダーが部下の可能性を信じれば】【学びのいい機会だととらえて協力的な態度で接することができる】
つまり
本人からもそうだし、周りの人からもこの自己成就予言を引き出せるということです。

プレッシャーやマインドコントロールにならない程度に、子どもの可能性を信じて
温かく見守ること、優しく背中を押してあげること、大事だと思います。


ここまで読んでいただいて、「ギブアンドテイク関係ないじゃないかい!」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

実は、今まであげたような方法は、ビジネスで成功するギバーの人たちが
意識して・または自然と行っていることや考え方です。
子育てによさそうと思った部分をピックアップさせていただきました。

☆母親のスタンス

他者志向のギバーであれ

人に与えるギバーには2種類あり、他者志向的ギバーと自己犠牲的なギバーがいます。
ざっくり言って、成功するのが他者志向的ギバーで、
燃え尽きたり、利用されてしまうのが自己犠牲的ギバーだといいます。

成功する他者志向的ギバーは、
自己の利益も他者の利益も両方目指せる生き方をしています。

日本では特にそうかもしれないですが、
母親は自分を犠牲にして子どもに尽くす(夫に尽くす)べきだ」のような考え方や、
母親ってもともと自己犠牲的な存在」というとらえ方があり、
周りから言われたり、自分で意識の上でとらわれていたりすると、

自分の時間を持つことや、好きなことすることなどに罪悪感を持ってしまったり、
私はまだまだ子どもや夫の役に立てていないのように思い込んでしまう人もいるかもしれません。

私も、(後々投稿したいと思いますが)
「子どもの自己肯定感をあげるのには、親の自己肯定感を上げることが必要」
「子どもに楽しさを教えたいなら、まず親が楽しむこと」
などと気付くまでは、夫に子どもを預けて美容室に行くことさえ罪悪感を感じたりしたものでした。

本によると、ギバーが燃え尽きる時(燃え尽き症候群になってしまう)というのは、
【与えたことでもたらされた影響を、前向きに認めてもらえない】とき
【うまく助けてやれないとき】だそうです。
そして【「私の努力は価値があるのだろうか?」と確信が持てないまま与えていると、
努力は苦痛になり続けるのが難しくなる】と説明されていました。

子育てはすぐにフィードバックが来ないものなので、
今している努力や働きかけが正しいのか分かるのは、
子どもの成長とともにということが多いと思います。

だから、今現在子どもが問題行動と思われることをしていても、それで一喜一憂する必要はないということです。
「どうしてこんなことをするんだろう…」
「どうして分かってくれないんだ…」
ってもどかしい気持ちになることも多いけれど、
最善を尽くしてるなら、そのうち分かるようになると信じることも大事だと思います。


母親のバランスを保つ方法

子育て中は忙しくて時間がとれない…
ですが、子育て中だからこそ、
もっとフィードバックが早い活動とか、元気を引き出せる活動とか、
子育て以外の活動をすることの大切さがわかってきました。(本からもそうですし、実体験の上でもです)

私自身の経験で言うと、最近在宅でお仕事をはじめたのですが、久しぶりに達成感を感じました。
家族以外への、社会への貢献感というか…この感覚何年ぶり?という感じでした。

(※専業主婦目線で書いています。)

PTA活動やボランティア活動もいいと思います。
私の住む地域では少子化の影響で、どんどん子どもが減り…我が家がきょうだいが多いというのもありますが、
毎年なにかしら役員になります。
(幸いみな田舎でゆるい人が多く、やりやすくてよかったです)
感謝されるのが正直嬉しいし、自分の努力が子どもたちやみんなのためになるというのが分かりやすいことが
自己肯定感にも繋がりました。

「ただでさえ自分の時間がないのに、人助けなんてしてる余裕ないわ!」とお怒りの方もいると思います。
私も、少し前まではそう思っていました。
子育てしながらボランティアなんて…聖人君子か!と(笑)

まぁ、確かに家事の手抜きが増えたり、仕事を抱えすぎたときは、子どもの相手をする時間が減ってしまったり…
育児と家事とのバランスがすごく難しくて、解決方法を模索中です。

ここで、ひとつ注意点ですが、
ただ与えたらいいというものでもなく、
ボランティアの100時間ルール】というのがあって、週に2時間ほどまとめて与えるといいそうです。

また、周りにサポートを求めること、これも自己犠牲的にならないポイントです。
なかなか難しいですけどね…。
私も人に頼むことにまだ抵抗があるので、自分で抱え込んでしまうことも多いです。
少しずつですね。


与えることは自分の殻を破ること

内向的で小心者で心配性で視線恐怖症で完璧主義で…(笑)
自分の殻がかなり強固だった私が、これでもかなりマイナス面を克服してきました。

それはやっぱり子育てのおかげだと思います。
さらに言うなら、子育てにおいて「子どもに与え続けてきたから」なのかもしれません。

子育ては、義務感と本能から来る行動も多いと思うので、
良くも悪くも、子どもに与えることばかりで、自分にフォーカスする余地がなくなったからでしょうね。

結果的にはよかったといえますが、だいぶ自己犠牲的でもありましたので、
これからは子育ても、子どもの利益、自分の利益両方目指せたらいいなと思っています。


まとめ

初note、、
試行錯誤の結果、
お堅い内容になってしまいました。

最後にまとめると、
もっと子どもに与える母親になりたいし、
かといって自分自身を犠牲にすることなく、
自分の価値観に合っているかなど、自問自答しながら
楽しめるように、日々向き合っていきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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