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LINE Notifyのサービス終了。代替策は?

はじめに

2024年10月7日LINE Notifyのサービス終了のニュースが飛び込んできました。

2025年3月31日サービス終了なので、あと4ヶ月ほどしかありません。導入していた事業者は早急な対応が必要です。

そこで、LINE Notifyの5つの代替策を6つの観点から比較検討してみました。下表はその比較表です。

LINE Notify代替策比較

以下、各代替策について解説します。

ちなみに個人利用目的でLINE Notifyの通知を利用していた方はこの記事の対象外とします。そのような方はSlackやDiscordに移行するのがおすすめです。
今回は一般ユーザー向けにLINE Notifyを導入していた事業者が想定読者です。

公式見解

LINE公式は代替策に関して以下のように述べています。

ユーザーへ通知を送る代替方法として、LINE公式アカウントからメッセージを送信できるMessaging APIの利用をご検討ください。Messaging APIでは毎月、一定数のメッセージを無料で送信できます。詳しくは、「Messaging APIの料金」を参照してください。

ニュース:2025年3月31日をもって、LINE Notifyのサービスを終了します | LINE Developers

このように、Messaging APIを利用したプッシュ通知を推奨しています。

LINEプッシュAPI

そこでまずは、LINE公式が推奨するMessaging APIのプッシュAPIを検討してきましょう。

LINEプッシュAPI

プッシュAPIは専用の公式アカウントのメッセージとして通知が届くので、高い開封率が期待できます。
LINE Notifyを導入していた企業であれば、導入・運用も対応可能と考えられます。
問題はやはり通知コストになるかと思います。
下記が2024年11月27日現在のプッシュ通知の料金です。

LINE公式アカウント料金プラン
追加メッセージ料金

ご覧のように3万通までは1通約1~2円、それ以降は3円になって、通数がもっと増えるとまた料金が1円近くまで下がっていくという料金構成になっています。

3万通以上出している企業にとっては大きな経済的負担となります。

ただやはり高い効果が期待できますので、通数の少ない企業やプッシュ通知料金を負担しても費用対効果が問題ない企業にとっては一番有力な選択肢になるでしょう。

LINEミニアプリ

次にLINEミニアプリを検討してきましょう。

LINEミニアプリ

LINEミニアプリとはLINEアプリの中に企業やお店のサービスを簡単に提供できるサービスで、最近LINE公式が力を入れているサービスです。

このLINEミニアプリの機能の1つにLINEミニアプリ お知らせ ( サービスメッセージ ) という機能があり、こちらがLINE Notifyの機能に似ています。

サービスメッセージを送信する

こちらの画像のように、LINEミニアプリ お知らせという専用のアカウントがあり、そこに無料でメッセージを送信することができます。LINE Notifyと似ていますよね。

ただ、こちらの機能にはLINE Notifyにはない特有の制限があります。

Webアプリ上でユーザーが行ったアクションに対する確認や応答としてしかメッセージを送信することができないのです。具体的な例としてはアプリ上で予約操作をして、予約前にリマインドとしてメッセージを配信するというのが一般的なユースケースです。アクション1回に対して5回まで通知を行うことができます。
具体的な使い方はサービスメッセージを送信する | LINE Developersをご覧ください。

したがって、LINE Notifyのように無制限にどんどん送信するといったことはできません。

LINE Notifyを予約への応答として使っていた方はかなり近いユーザー体験が実現できるのでこちらが有力な選択肢になります。ただ、そうではない方はこの制限をうまくハンドルできるかが重要なポイントとなってきます。

ネイティブアプリ

次にネイティブアプリ(iOS・Androidアプリ)です。

ネイティブアプリ

ネイティブアプリはユーザーにインストールしてもらえれば、開封率は一番高いといって良いでしょう。

ただ、開発運用コストが高いので、資金力または技術力がある程度必要になってきます。また、利用開始コストの問題もあります。ユーザーの積極的な関与がないとインストールしてもらえないので、どうインストールさせるかが重要になってきます。
ただ、これらの障壁を乗り越えると、低コストで高い開封率が得られる状態となります。

PWA

PWA

PWAとはWebアプリをホーム画面に追加することでほとんどネイティブアプリのような挙動を実現する技術のことです。
PWAにより、Webの技術だけでネイティブアプリに近い通知機能を実現できます。Webの技術だけで済むので導入コスト・運用コストもネイティブアプリに比べると抑えることができます。
ただ、ユーザーにインスートールを誘導するのが比較的難しいという課題があります。特にiOSの場合、ブラウザのメニューから「ホーム画面に追加」という項目をタッチしてもらう必要があります。

↓はiOSでamazonのPWAをインストールする操作画面になります。

参照: amazon.co.jp
ホーム画面に追加

なかなか誘導が難しいというのが分かっていただけるかと思います。

ユーザーのITリテラシーが高く、熱量も高い場合には効果は高そうですが、そうでない場合にはインストールまで誘導するところで離脱してしまうユーザーが課題として考えられます。

メール

最後に言わずと知れたメールも分析してみましょう。

メール

メールは費用面もリーズナブルですし、ユーザーがサービスを利用し始めるまでの手続きも簡単なため、この点は大きな利点があります。
ただメールはやはり開封率がネイティブのプッシュ通知に比べるとどうしても低くなってしまうというのが課題になります。

ただし、導入が容易なため、他のプッシュ通知と合わせてメールも送信するというのが良いかと思います。
LINE Notifyを導入していた方ももともとメール通知も並行して行っていたという方が多いのではないでしょうか?

おわりに

5つの代替手段を検討してきましたが、LINE Notifyを完全に代替できるものは現時点では正直見当たりません。どれも一長一短あるのでプロジェクトの状況にあった代替策を選んでいくことになるかと思います。

なお、レーダーチャートでコストや効果などをグラフ化しましたが、何らかの統計データに基づくものではなく筆者の経験に基づく評価になっています。ご意見・ご指摘がございましたらぜひコメントいただけると幸いです。



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