いまこそ、あの名演説を
Pep Talk
ペップ・トーク。日本語でいうと、「気合いを入れるスピーチ」かな。
スポーツの試合前なんかに監督やキャプテンがロッカーで選手達にやるやつです。
自分もアメリカ在住時代に部活で何度か聞いた経験ありますが、めちゃくちゃテンションあがります。
特にアメフトの試合前のPep Talkは、もう内容は覚えてませんが異様にぶちあがりました。物騒な言い方をすると「あ、人はこういう状態だと戦争に行っても躊躇せずに人を撃てるのかな」って当時中学生ながら思ったくらい。
FFでいうバーサク状態に近いかも。
身近な例だとかつてライオンズに在籍したクリス・カーターという選手がPep Talkを。
「勝者と敗者の間には、1センチの差しかない。俺たちはチャンピオンを目指すチームだ。きょうはチャンピオンのように闘おう。チャンピオンは、あきらめない」(Number Web)
実はこのスピーチ、Any Given Sundayというアル・パチーノ出演のアメフト映画での名Pep Talkからきている。プロスポーツの裏側がチラッと垣間見える映画でもあるので是非。
後日、クリス本人に「あの映画のスピーチから引用したよね?」って聞いたら本人も照れ笑いしながら、
「実はそうなんだ。あの映画のシーンと自分のサッカー部のコーチがしてくれたPep Talkをミックスしてスピーチをしたんだ」と話してくれました。懐かしい。
前置きが長くなりましたが、このご時勢に一番ハマる、共感できるPepTalkといえば、
映画「Independence Day」大統領のPep Talkじゃないでしょうか。
まずは早速みてほしい。
グッとくる。ゾクッとする。泣きそうになる。奮い立つ。
世界を救うために立ち上がるPep Talkなんですが、
よく聞くと普段のスピーチにも役立つヒントが詰まってます。
まず冒頭、
いきなり拡声器がハウリングを起こす。
しかしそこは大統領、慌てずに少し声のトーンを落として続ける。
そして声の主に気付いたパイロットたちが注目する。
出鼻をくじかれるとそこで心が折れてそのあとがグダグダになったりすることもあると思いますが、そこはこの大統領を思い出して毅然としていましょう。「アーアー」言ったりマイクをポンポン叩いたりするのはやめましょう。
そこから内容の流れも、短くてわかりやすい、お手本のようなスピーチ。
「これから何が行われるか」
「団結の必要性、共通の目的があること」
「何のために行うか」
「歴史に残る大仕事であること」
「やるぞぉぉぉ!ウォォォー!」
これをわずか一分半でまとめてます。素晴らしい。
序盤「mankind(人類)」って言った後に少し間を置いてますが、
そこから自分の言葉で「違いを乗り越えて団結すべき」と述べているところも◎。
スムーズに喋ることが一番ではなく、伝えることが主目的。
そして徐々にテンションあげて気持ちを昂らせていくんですが、冒頭ハウリングを起こしたことをしっかりと覚えているのか、音が割れない程度に抑えている。完璧ですね。
終盤、night と fightで韻を踏んでいるところも、リズム感を生み出してて聞いてる人の気持ちを一段上げるのに役立ってると思います。日本語だと韻踏みづらいだろうけど。
簡潔に、内容と気持ちをしっかりと伝える。
是非、特に話が長くなりがちなおじさんたちはこの大統領を見習って下さい。
今我々が戦ってるのはエイリアンじゃなくてウイルスだけど、誰もが家にいることによってこのパイロット達になれる。
自宅待機ヒーローズとして引き続き頑張っていきましょう!
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