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友人Aよ。私の癖はまだ直っていない〜寮の思ひ出

「あ。ぱじゃなくてぽって書いちゃった。つけっぽなしになっちゃった。まぁいいか」

私の寮の部屋で一心不乱にメモ帳に絵を描いているのは同じ寮に住んでいる友人Aである。
「できたぞ」
と見せてきたメモ帳に描かれていたのはもやしもんのキャラクターと

「電気消したか?またつけっぽなしだぞ」

という一言。
「あーいいんじゃない?」という私の生返事を聞いているのかいないのか友人は「我ながらよく描けたな」などと自画自賛の独り言を言いながらそのメモを私の部屋のドアに貼った。

この友人Aは私の部屋のふたつ隣の部屋に住んでいた。
私の部屋の方が階段に近かったためかこいつは学校や食堂から帰ってくると自分の部屋ではなくまず私の部屋に来ることが多かった。

さらに私は当時、寮の中にいる時はドアに鍵をかけなかった。
不用心と言えば不用心なのだが女子寮だし金目の物と言えばノートパソコンと楽器くらいだ。
現金も大学生が持ってる金額なんてたかが知れてる。
最初のうちは食堂や風呂に行く際は鍵をかけていたがだんだんめんどうくさくなり外出する時以外はかけなくなってしまった。

私が寮内にいる時は鍵は空いているし部屋にいれば電気がついているから部屋にいるかどうかもわかる。
最初こそノックをしていたAだが1年生の夏休みごろにはノックもせずに上がり込むようになっていた。

風呂やトイレから帰ってきたらいつの間にか上がり込んだAがベッドでスマホをいじっていたりジャンプを読んでいることは日常茶飯事になっていたし、テスト期間には自分の部屋では勉強しずらいと私がレポート書いている横で自分の勉強をしていた。
挙句の果てには「今日泊めて」と自分の布団と枕を持ち込み何故か私の部屋で寝ることもあった。

そんなAにある日「お前電気つけっぱでよく出かけてるだろ。電気代もったいないぞ」
と指摘されたのだ。

「あー確かにそうなんだけど気をつけてもなかなか直らなくて・・・・・・」と言うと「じゃあ私がドアにメモ貼ってやるよ!」と。

そういう訳で前述の話に繋がり、私の電気付けっぱなし癖は格段に減りめでたしめでたしで終わるのだがこの話を急に思い出したのにはわけがある。

最近、妹と二人暮しから一人暮らしになったのだが一人暮らしになった途端、帰ると「電気ついてる!」となることが多々起こるようになったのだ。

社会人になってからは妹とずっと二人暮しをしていたので「つけっぱなしにすると妹に怒られる」という抑止力が無意識に働いていたのでつけっぱなしにすることはあまりなかった。

1人になって最初のうちは「私こんなにだらしなかったかな」と思ったのだがよく考えてみたら大学生の時からそうだったから別に昨日今日、急にだらしなくなったのではない。
「妹」という抑止力がなくなり元々だらしなかったのがまた顔を出してきたというだけの話であった。

そういうわけなのでAよ。私の癖は直っていない。
だからコロナが落ち着いたらまた家に着てメモを書いてくれ。そしてディズニーでも行こうじゃないか。

以上。私のだらしなさと学生時代の友人のお話でした。

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