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【提案】ロボット・AI時代の経済システム・労働・教育のあり方

皆さんは「労働」で幸せな人生を送れているでしょうか?

現在、多くの方は人生の大部分を「仕事」に割いています。すなわち人生を楽しく後悔なく過ごすためには仕事で幸福を感じることが必要です。

もちろんやりがいのある仕事に就けた方は自発的に楽しんで仕事人生を送れているでしょう。好きなことを仕事にできた方は時間が過ぎることも忘れて没頭できるでしょう。

しかしながらブルーカラー層の肉体労働や学卒者の配属ミスマッチも世の中には存在しています。このような状況では主体的な仕事ではなく労働となり、1日あたり8時間×平日5日間の時間の我慢料として給料に交換するという状況になります。「雇用」という形態ではこのような「労働」という状況に陥ることが多くあります。

労働法に詳しい神戸大学の大内伸哉教授も「雇用とは時間を企業にささげるような働き方だ」と述べています。

おそらく昭和の時代はこれでよかったのです。労働者として働くことで安定した収入を得られ、働けば働くだけ給料が上がった。一億総中流社会として格差のない社会が実現できていたのです。

しかし現在は令和です。どれだけ我慢して働いても給料は上がらない。このような状況で昭和スタイルの労働をしていても当然モチベーションは上がらないでしょう。この状況が幸せといえるでしょうか?

なので、モチベーションの上がらない仕事はロボットやAIで代替できるようにデジタルトランスフォーメーションをいち早く推進することで苦役から解放し人々の幸せに繋げる。これが当面我々が進むべき方針ではないでしょうか。(物理的な作業は人間の指のような繊細な動きが求められない限りロボットで代替できるようになり、コンピュータ上の仕事は単純作業だけでなく判断力が必要な知的労働までAIに代替できると言われています。)

その結果、将来的には神戸大学の大内伸哉教授の仰る通り会社員は消えるでしょう。そうなったときに富の再分配をする仕組みを考えていく必要があります。

今回は、デジタル化の結果雇用が減った社会に適用する幸福を一番に考えた経済・労働・教育システムの案を提案します。

※あくまで一般人のただの妄想なので、一つの案としてご覧ください。

まず、「ポスト資本主義」となる経済システムを考えました。

資本主義経済では資本家が労働者を雇用し、労働者に給料を支払います。今後労働者をロボットやAIに置き換えることができれば資本家は儲けが増えるでしょう。しかしこれでは資本家一人勝ちになってしまうので、ベーシックインカムやユニバーサルベーシック配当などが提唱されています。

ベーシックインカムやユニバーサルベーシック配当の考えは賛成です。しかし、もう一つ考慮すべき点があると思います。

ロボット・AIは一切人間に悪影響なしに価値を生み出し続けてくれるのでしょうか?答えはNOです。電気エネルギーが必要で、太陽光発電などの自然エネルギーを利用しない限り環境負荷があります。

よって、ロボットが生産した商品で豊かな生活を歩んでいくことは、少なからず環境に負荷を与えることを意味します。資本家に集約された資本をベーシックインカムで再配分する経済成長モデルではこれまでの資本主義経済同様環境への負荷が年々増加していくということです。これでは地球温暖化もどんどん進行し、異常気象などで快適な生活を送れなくなるでしょう。これは持続可能な豊かな社会とは言えません。

そこで提案するのが「環境負荷本位制通貨」です。商品を生み出すのにかかった「環境負荷」を数値化し、それを商品の価格として環境負荷本位制通貨で支払うというものです。人々はベーシックインカムで得た収入で支払いを行います。

環境負荷の数値としてわかりやすいのはCO2排出量でしょう。CO2排出量が大きいと商品の価格が上がり競争力が低下するので、資本家は省エネルギーのシステム構築に力を注ぐでしょう。国力はGDPではなく一人あたりの『環境負荷の逆数』(要するに(1/環境負荷)/人口)などで示せばいいのではないでしょうか。人手が必要な労働の人件費は、通貨で市場価値に見合う給料を払えばいいのです。

当然ベーシックインカムだけでは満足に娯楽を楽しむには不十分でしょう。しかし、医師や看護師など人の手がなくてはならない仕事の枠を増やし週休5日制で働ける制度にすれば、ベーシックインカムを補う収入源としての雇用の増加ときめ細かい医療体制が実現できるのではないでしょうか。教員も増やすことができれば教員一人あたりの生徒数減少によるきめ細かい指導が期待できます。

きめ細かい医療体制のメリットとして、今回のコロナウイルスのような感染症の拡大でも、普段は週休5日制で働いている多くの医師・看護師の方に一時的に週休2日制で出動していただければ医師・看護師の方々に無理なく働いてもらえるし、助かる命も増えるのではないでしょうか。

きめ細かい教育体制によって得られるメリットもあります。本来学校は社会性や教養、考える力を養う場であるはずです。しかし、現在の日本では教育は受験戦争に勝つための知識の詰め込みになっている節があります。本来あるべき思いやりや優しさ、哲学、思考力をおざなりにして偏差値だけを求める教育で人は幸せになれるでしょうか。

きめ細やかな医療サービスによって健康な社会を実現し、教育によって教養を蓄えた若者が自分の人生を正しく判断できる社会にする。このような「環境資本主義」ともいえるシステムであれば持続的な幸福を追求できるのではないでしょうか。


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