血栓から考える病気と闘病メモについて

 2020年5月22日にアメブロに投稿した記事です。

https://ameblo.jp/rozaroza-s/entry-12599301532.html

1 血栓の恐ろしさ

 昨今、新型コロナウイルスの死因の1つが血栓症でないかと言われていますね。血が止まってよいのは出血をした時だけです。

 私はこの件を最初、FNNのニュースで見ました。

 マウントサイナイ医科大学病院の重松先生が指摘されていますね。

 4月28日には医学誌「The New England Journal of Medicine(NEJM)(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)」に掲載されました。

☆論文情報

題名:Large-Vessel Stroke as a Presenting Feature of Covid-19 in the Young
N Engl J Med 2020; 382:e60
DOI: 10.1056/NEJMc2009787

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2009787

※PDFのダウンロードができます↑

☆FNNの記事

https://www.fnn.jp/articles/-/37536

2 血栓がからむ病気についてのメモ

(1)播種性血管内凝固症候群

 私の中では血栓というと、「播種性血管内凝固症候群」・「脳梗塞」・「腎梗塞」が頭に浮かびます。

 播種性血管内凝固症候群はDICとも言われ、循環している血液中のトロンビンやフィブリンが過剰にできたことで、血栓が体のそこら中ででき、細い血管をつまらせてしまう病気です。血液の凝固が増えると、そこで血小板や凝固因子を使い果たしてしまい、大量出血を引き起こす場合もあります。塞栓症と出血という相反するものが同居する厄介な病気です。原因は手術や感染と言われています。診断は血小板数,PT,PTT,血漿フィブリノーゲン,血漿Dダイマーで行います。(MSDマニュアルプロフェッショナル版から)

 最近ではポルノ男優の真崎航さん(腹膜炎の手術後)がこの病気で命を落とされています。

 私の中では恐ろしさを感じる病気の1つです。

(2)家族・知人の闘病についてのメモ

 脳梗塞・腎梗塞については、私は家族2人、親戚1人がこの病気になり、1人は心房細動が原因となる心原性脳梗塞(3回)+腎梗塞で闘病をしました。もう1人の家族は重度の発作を起こして、治療らしい治療を受けずに亡くなっています。さらに親戚は脳梗塞で救急搬送され、一時は改善がみられたものの、今度は脳幹出血を起こし、5年間闘病して亡くなっています。この親戚は癌の手術後に足にできた血栓が脳にとびました。

 病気しかり犯罪しかり、たいていの事は2回目、3回目の方が厄介なことになりやすいのです。2回目、3回目で状況によりよくなるのは、結婚とアイドルの再デビュー・ブレイクくらいなものでしょうか。

 友人の友人という遠い関係ですが、同い年の女性が20代でくも膜下出血を起こした際も、一時はよくなったものの、再出血を起こした後はほどなく亡くなっています。

 心原性脳梗塞を3回も起こした家族ですが、1回目は左半身の麻痺でした。数ミリずれたら半身不随であると言われたものの、発症から1時間で専門の病院に行き、酸素療法を受けたことから何とか回復しました。元々、不整脈があり、それが原因で右心房で心房細動が起こっていました。

 脳梗塞の前兆としてはテレビがまぶしい・物が一瞬見えないと言ったことでしょうか。どうやら、数回の小さな梗塞を起こしていたようです。

 その時、抗凝固薬としてヘパリンを投与され、退院後はワーファリンを服用していました。その後、消化器の手術を受けるためにワーファリンを止めている間に、心房細動が起こり、今度は全領域で脳梗塞を起こします。発症から30分で病院へ行ったものの、言語・運動は全部ダメ、目の動きもダメで、正直絶望的でしたが、酸素療法をしたところ半日で回復しました。

 3回目はワーファリンを服用していたにも関わらず、今度は前頭葉で脳梗塞を起こしました。この時も発症から30分で病院へ行きました。この回が1番大変で、認知機能にダメージが出ました。これ以降は心臓コントロールが必要とのことで抗不整脈薬も服用しますが、結局、これが慢性心不全の遠因となったようです。

 最後の梗塞から7年後、熱中症になり、その後、ワーファリンのコントロールが難しくなり、関係は不明ですが、神経調整性発作を起こします。この時のワーファリンの値がとんでもなく高かったので、一瞬脳出血かと思いましたがそうではなかったのです。それから、血液検査が不要であるというイグザレルトをワーファリンの代わりに使うことになりました。

  2年後、慢性心不全の悪化で食欲不振→嚥下機能の低下→誤嚥性肺炎と進み、これらの治療の過程で水分をコントロールした結果、元々腎臓にあった結石が大きくなり、尿道閉塞を起こし、尿毒症になって亡くなったわけです。

 腎梗塞の時は2回目の脳梗塞の少し前で、消化器の手術を受けて退院後数日の頃でした。本人が腹痛と血尿を訴えたので、手術を受けた大学病院へ行ったところ、主治医の先生から腎臓内科に回されて即診断でした。ちなみにこの日は点滴のみで帰り、4日後に脳梗塞を起こしています。

3 まとめ 

 血栓というと、私は上にあげた病気が頭に浮かびます。出血性疾患や癌も恐ろしい病気ですが、私は血栓関係の病気で大変な思いをする身内を見ているので、よりいっそう恐ろしい病気であると思っています。QOLにも強く関わることでもあり、1人でもこういった病気で苦しむ人が減ってほしいと思います。 

 どうしても私の場合は家族に血栓関係の疾患を患った人間が複数いることから、自分の中でも血栓ができないような生活をせねばと思い、運動や食事をしていますが、やはり恐怖は消えません。アンテナだけは常にはっており、意外にも現在の仕事で少し役にたっています。

 どんどん研究が進んでほしい分野です↓

〇脳卒中発症に関わる22の新しい遺伝的変異を同定―52万人のゲノム解析により脳卒中の病態を解明する新たな情報を発見―

https://www.amed.go.jp/news/release_20180313.html

 いずれにしても、コロナウイルスは肺炎や呼吸器疾患のイメージが強いですが、血栓がかなりのキーポイントのようですね。一筋縄ではいかないあたりが、王冠の名にふさわしいくらいの厄介な病気のようです。

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