AOIRO

元研究者/現画家

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春の訪れ

陽だまりが窓辺を照らし、肌を暖かく包み込む。まだ少し肌寒い朝だが、空気はひんやりとして澄み、どこか爽やかな香りが漂っている。窓を開けると、小鳥たちのさえずりが聞こえてくる。冬の間は静まり返っていた庭も、生き生きと蘇ったようだ。 目を凝らすと、梅の木の枝先に小さな蕾が膨らんでいるのが見える。まだつぼみは固く閉じているが、春の訪れを感じて、もうすぐ花開く準備をしているのだろう。 庭の草木も、冬枯れしていたのが嘘のように、芽吹き始めようとしている。地面から小さな緑の頭が顔を出し

    • 人物をスケッチする -基本編-

      前回まで、ジェスチャードローイングについて解説していきました。 ジェスチャーを捉えることは人物画において全体像を捉えるようなものなのでした。 骨組みみたいなものです。骨を作ったら、あとは肉をつけていくだけなのですが、今回はその「肉付け」に関して解説していこうと思います。

      • ジェスチャードローイング③

        さて、ジェスチャードローイングのやり方について、説明してきた。 実はとっても簡単なジェスチャードローイング。 ジェスチャードローイングの描き方、そして実際にスケッチの際に使ったらどうなるのかについては前回まででお話ししてきたので、今回は、おすすめのジェスチャードローイングの練習方法などについてお話ししています。

        • Canvaで動画を作ってみた話

          最近、動画をたくさん撮っている。 仕事で使うものは動画デザイナーなる人がしてくれるのだけれども、自分で使う分は自分で作らないといけない。 人の結婚式のMovieだの、プレゼンテーションだの、思えばなんだかんだ動くものを割と作ってきたとは思う。 でも、最近はわざわざ動画を作る機会もめっぽう減っていて、時代に取り残される一方だった。 ひとまず情報収集も兼ねて、youtubeで色んな動画を見ていると、「この人たちは、自力でこれ作ったのか。すごいなー」というような動画のオシャレな

        春の訪れ

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          春の訪れ

          「Firenzeのアトリエ」他に参加すると最後まで読めます

          陽だまりが窓辺を照らし、肌を暖かく包み込む。まだ少し肌寒い朝だが、空気はひんやりとして澄み、どこか爽やかな香りが漂っている。窓を開けると、小鳥たちのさえずりが聞こえてくる。冬の間は静まり返っていた庭も、生き生きと蘇ったようだ。 目を凝らすと、梅の木の枝先に小さな蕾が膨らんでいるのが見える。まだつぼみは固く閉じているが、春の訪れを感じて、もうすぐ花開く準備をしているのだろう。 庭の草木も、冬枯れしていたのが嘘のように、芽吹き始めようとしている。地面から小さな緑の頭が顔を出し

          春の訪れ

          人物をスケッチする -基本編-

          「Veneziaのアトリエ」他に参加すると最後まで読めます

          前回まで、ジェスチャードローイングについて解説していきました。 ジェスチャーを捉えることは人物画において全体像を捉えるようなものなのでした。 骨組みみたいなものです。骨を作ったら、あとは肉をつけていくだけなのですが、今回はその「肉付け」に関して解説していこうと思います。

          人物をスケッチする -基本編-

          ジェスチャードローイング③

          「Romaのアトリエ」に参加すると最後まで読めます

          さて、ジェスチャードローイングのやり方について、説明してきた。 実はとっても簡単なジェスチャードローイング。 ジェスチャードローイングの描き方、そして実際にスケッチの際に使ったらどうなるのかについては前回まででお話ししてきたので、今回は、おすすめのジェスチャードローイングの練習方法などについてお話ししています。

          ジェスチャードローイング③

          ジェスチャードローイング②

          「Romaのアトリエ」に参加すると最後まで読めます

          さて、ジェスチャードローイングの続きである。 前回はこちら。 ジェスチャードローイングで使うラインの1つを説明した。 今回は残りの2つのラインと、そのラインを使って実際に描いてみたらどうなるか、また、それらを踏まえた上で実際にスケッチしていくときにはどうなっているのかについて解説していく。 まずは2つ目のラインについての動画。

          ジェスチャードローイング②

          ジェスチャードローイング①

          「Veneziaのアトリエ」他に参加すると最後まで読めます

          前回は、ゲシュタルトの話から全体像を掴む話に展開していきました。 今回は、絵を描く際、とくに人物をスケッチする際に、どうやって全体像を掴んでいるのか、ということについて書いていこうと思います。 Figure Drawing(人物画)において、全体像を掴むというのはすなわち、ジェスチャーを掴むことを意味している。 だから、ジェスチャードローイング。 一瞬のジェスチャーを捉えて、描いていくということになる。わたしの場合は何につけても必ずジェスチャーを意識する。 ジェスチャー

          ジェスチャードローイング①

          全体像と未来の話

          「Veneziaのアトリエ」他に参加すると最後まで読めます

          ゲシュタルトのお話しを、トンテンカンと3つほど書いてみた。 そして、「慣れ親しんだ家の階段でも、ゲシュタルト崩壊を起こしたら危うく転がり落ちそうになっちゃうんだよな〜」とかなんとか考えながら、階段を大急ぎで降りていたら本当に転がり落ちそうになった。 ゲシュタルト崩壊、恐るべし。 ゲシュタルトとは何かから始まって、それを絵と学習に絡めて、最後は絵の描き方、スケッチの仕方の全体像の話になった。 今回は、もう少しだけ話題の角度を変えてみる。 「描くときに全体像を捉えて描く」と

          全体像と未来の話

        記事

          ジェスチャードローイング②

          さて、ジェスチャードローイングの続きである。 前回はこちら。 ジェスチャードローイングで使うラインの1つを説明した。 今回は残りの2つのラインと、そのラインを使って実際に描いてみたらどうなるか、また、それらを踏まえた上で実際にスケッチしていくときにはどうなっているのかについて解説していく。 まずは2つ目のラインについての動画。

          ジェスチャードローイング②

          ジェスチャードローイング①

          前回は、ゲシュタルトの話から全体像を掴む話に展開していきました。 今回は、絵を描く際、とくに人物をスケッチする際に、どうやって全体像を掴んでいるのか、ということについて書いていこうと思います。 Figure Drawing(人物画)において、全体像を掴むというのはすなわち、ジェスチャーを掴むことを意味している。 だから、ジェスチャードローイング。 一瞬のジェスチャーを捉えて、描いていくということになる。わたしの場合は何につけても必ずジェスチャーを意識する。 ジェスチャー

          ジェスチャードローイング①

          全体像と未来の話

          ゲシュタルトのお話しを、トンテンカンと3つほど書いてみた。 そして、「慣れ親しんだ家の階段でも、ゲシュタルト崩壊を起こしたら危うく転がり落ちそうになっちゃうんだよな〜」とかなんとか考えながら、階段を大急ぎで降りていたら本当に転がり落ちそうになった。 ゲシュタルト崩壊、恐るべし。 ゲシュタルトとは何かから始まって、それを絵と学習に絡めて、最後は絵の描き方、スケッチの仕方の全体像の話になった。 今回は、もう少しだけ話題の角度を変えてみる。 「描くときに全体像を捉えて描く」と

          全体像と未来の話

          ゲシュタルトの話③ 人物をスケッチする

          ゲシュタルトの話をしたので、今回はドローイングについて深めてみる。 ドローイングにおいても、「全体と部分の関係性」をしっかり保持しておくことがとても大切である。 ある作品が崩壊する時、それはとある部分が強烈に浮いてしまって、全体から切り離されてしまった時のことだ。 だからこそ、描き手は細部(部分)に固執せず、全体との調和を見つけていく必要がある。 でも、それは部分を疎かにしていいという意味ではない。 部分を疎かにした絵はこういう絵である。 パッと見た感じでは激しいコン

          ゲシュタルトの話③ 人物をスケッチする

          ゲシュタルトの話②

          せっかくゲシュタルトの話をしたので、そのまま全体の話をしようと思う。 今回はドローイングについて。 人物画を描くときにも、部分と全体の話は大切になってくる。 というよりも、人物画に限らず、絵を描く際には「部分と全体」の関係性がとても重要だ。 よくあるのは、細部(要するに部分)にこだわりすぎて、そこしか見えないまま描いてしまい、気がついたら全体としての絵が歪んでいたり、違和感を覚えたり、ということである。 これは初心者であろうと、長年絵を描いている人であろうと、誰もが陥り

          ゲシュタルトの話②

          ゲシュタルトの話

          最近、ちょっと面白いことをしていた。 デデン。(デデン、みたいな効果音はもう古いのだろうか。最近、若者と話すことがあって、「先生、日本語が時々めっちゃ昭和!」と言われて、悲しさで心が震えた)

          ゲシュタルトの話

          水没都市と人間の目の補完する力の強さ。人間の目は多少の違和感を突破して、知っているものとして統合的に見ようとする。案外、意識せずに見ている世界はこんな感じかもしれない。

          水没都市と人間の目の補完する力の強さ。人間の目は多少の違和感を突破して、知っているものとして統合的に見ようとする。案外、意識せずに見ている世界はこんな感じかもしれない。

          省エネな感じを吹き飛ばしてくれるハイコントラスト。こういうイラストが流行っているらしいので遊んでいる

          省エネな感じを吹き飛ばしてくれるハイコントラスト。こういうイラストが流行っているらしいので遊んでいる

          こういう夢を見た

          こういう夢を見た

          黄泉の国からの希望

          今日は斬鉄剣ばりにバッサリなお話。

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          黄泉の国からの希望

          ゾンビの話

          我が家には電子レンジがない。ついでにテレビもない。わたしが電気系のものがあまり得意ではないからである。 この電気系統のものが苦手なことが、子供の頃からかなりコンプレックスだったのだけれども、身体がすぐに何かを察知してしまうのは止めようがない。 苦手とは言っても、身体に症状が出るというわけではない。ただ、ビリビリする感じ、ピリピリする感じに敏感なだけだ。ただ酷いところだと、頭痛がしたりするので、近寄らないようにしている。 テレビの裏とか、テレビの近くとか、電子レンジが稼働し

          ゾンビの話

          万年筆な話

          万年筆を使っているとときどき珍しそうに見られることがある。でも、昨今ではさまざまな万年筆が発売されているし、以前よりもとっつきやすいものにはなってきているのだろう。 わたしは家の中で使うものと、外で使うものは分けるようにしている。 家用と外用で同じものを揃えることもあるし、外用だけ別のものの時もある。 家の中でも、外でも絵を描く時に一番使っている万年筆は、外用と家用で同じものを揃えている。 この万年筆が一番のお気に入りでかれこれ10年以上、同じものを使い続けている。 あ

          万年筆な話