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カーティア・アントシキナさんの『花の似顔絵』

最近新しい絵本を買いました。それは、モスクワのイラストレーターでグラフィックデザイナーのカーティア・アントシキナさん (Katya Antoshkina) の『花の似顔絵』です。絵本の創作過程に興味を持って、カーティア・アントシキナさんとのインタビューをさせていただきました。

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自然を対象として選んだ作品が多いですね。郊外で多くの時間を過ごしますか?

夏の時はだいたいモスクワの郊外の故郷で暮らしています。家から徒歩5分ほどに森と川があります。でも、森で絵を描くことはめったにしかしないが、お散歩のときにただ周りの風景を眺めて、インスピレーションを受けて、アイディアを集めています。それに散歩の時だいたい他のものに惹かれてしまいます。それは私の長年の趣味である野鳥観察です。いろいろの鳥の声を区別できて、つぐみとかクマゲラの巣を見つけられます。絵は、もっと便利で、快適な家庭の雰囲気で描くのが楽です。普通の画材が全部あって、机の上にちゃんと置いてありますし… ただ二本の鉛筆だけで描くことがあまり好きではありません。だから外で絵を描くことは苦手です。それに、重いものを運ぶのは嫌いですよ!(笑)

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『花の似顔絵』という絵本のためにテクニックをどのように選びましたか?

私にとって一番使いやすいテクニックはグワッシュ、アクリル、インクをともに使って、オイルパステルを加えるテクニックです。柔らかい色が必要でしたら、グアッシュの赤、青、白、黄色この四つのペンキで十分です。もっと明るい色が必要でしたら、アクリルを使います。鉛筆とパステルがテクスチャーを加えて作品を完成させます。だからこの絵本の創作過程ではテクニックについて特に考え過ぎたことはなかったです。コンポジションとデザインを中心にして働きました。

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『花の似顔絵』の花は子供の頃から馴染みのある花だとカーティアさんのホームページで読みました。私の意見ではその絵本は花だけでなく、居場所の感覚についての絵本でもあります。ハーバリウムはドキュメンテーションの方法の一つですから。あの花が生きている場所はどのような場所でしょうか?

この絵本はとても身近ななものになって、確かに特別な場所についての絵本ですね。描いた花がどこにもあって、ありふれた花ですけど、絵本では私の日々の道順で会える花が描いてありますから、順番が大切です。ガキが遊んでいるサッカー場から深い森の中へ、七月のカミツレの白い道へ、次に畑の端にある松の森へ、後は魚と小鳥が宿っている小さな濁った川…
この普通の道順の森は現在変わってきたのですが。今ピクニックとしてよく使われてる場所ですから、ゴミがいっぱいあります。残念ながらも…それに畑の一部は高速道路の工事現場になってしまいました。もう慣れてる故郷の風景は変わって来ることはもちろん悲しいです。ある意味ではこの絵本は全部が不思議という感情に溢れた子供の頃の思い出を大切にする方法です。母さんと歩いていて、母さんに何の花は何の名前があるかを教えてもらっていたのですから、ずっと子供の頃から各花は私の友達だという感じを持ってます。

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カーティアさんの作品では生物学者のように研究に興味があることが感じられます。最も面白い研究を想像してみると、何の研究になるでしょうか?

研究者としての私の夢は陶芸です!3次元のスペースで形を創るのはすごく面白いと思います。でも、私にはまだ難しすぎます。まだ他の用事でバタバタしている中、どこか頭の片隅に潜んでいる思想ですが、いつか古代ロシアの建築の現代表現の解釈になるプロジェクトを作りたいと思います。どうやったらいいかまだ分からないですが、粘土を使うプロジェクトになるとの自信があります。

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カーティアさんの作品を見ると波田佳子さんとへスース・シスネロスさんの作品を思い出します。花についての絵本の創作過程では影響を与えたアーティストは誰でしょうか?好きな日本のアーティストとイラストレーターがいますか?

それがびっくりしました!もう数人の人にこのような連想について言われました。それを聞いて嬉しいといつも思います。でも、シスネロスさんの作品に初めて出会ったのは自分の絵本の完成の後でです。今考えると、もう少し早めに見たら、自分の描き方をもっと面白くする可能性があったのかもしれません。
インスピレーションのことと言うと、オリガ・イエゾワ・デニソワさんのビジュアルハーバリウムと森のスケッチがとても好きです。彼女は優れているアーティストだと思います!もう6年間くらい彼女をフォローしていますよ。彼女の作品が普通見えない自然の細かいディテールを温かい気持ちを持って、ストーリーにする絵を作る魅力があると思います。
日本のアーティストなら、丸山真琴さんきたむらみねさん菅祐子さん、 網代幸介さんの作品が好きです。そのアーティストたちは似たようなスタイルを持っていて、ナイーブアートの感じがします。そして、とても微妙な色の使い方で、面白くて、賢い装飾の使い方は特徴だと思います。それにもちろん、Mogu Takahashiさん!とてもシンプルなイメージで強くて感動させると思います。

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カーティア・アントシキナさんのページ:

https://www.behance.net/ukusillustrate 

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