”塗る亜鉛”でウィスカ対策!
今回はローバル株式会社で検証した内容を記事化します。
弊社にも時々この件でお問い合わせをいただくのですが、
ウィスカとは、電気亜鉛めっき部材から発生している針状単結晶です。
形状が髭(ひげ=whisker)に似ているからそのように呼ばれています。
実はこの髭状のウィスカが発生し、鋼材表面から剥がれて空気中を浮遊して電子機器の基板や端子部品などに接触することで短絡(ショート)などを起こすようです。
かわいい名前の割にあらゆる産業の根幹を揺るがす問題をおこす、、、とてもやっかいな存在です。
しかも、ウィスカの根本的な発生メカニズムなどはまだ解明されていないことが多いようです。
そんな中、我々は次のように考えてみました!
電気亜鉛めっきの表面状態(滑らかで平滑な金属表面)と常温亜鉛めっきの表面状態(凹凸のある亜鉛粉末に覆われた表面)の形状の違い・・・。
一説によれば、”被膜の残存応力”や”表面状態”がウィスカの発生要因のであると考えられている。この点に着目することで、ローバルなどの”常温亜鉛めっき”であれば電気亜鉛めっきと異なるためウィスカの発生が防ぐことができ、防錆もできるのではないか?
ということから、有識者の方々にご教示いただき次の検証方法に辿り着きました。
<検証方法>
電子情報技術産業協会規格(Standard of Japan Electronics and Information Technology Industries Association) JEITA ET-7410 電機・電子機器用部品のウィスカ試験法 6章 6.2高温高湿(定常)試験参照
簡単説明いたしますと、一定の温度と湿度環境に試験板を置いてウィスカの発生を促進させ、一定時間経過後(今回は2,000時間)表面の状態を確認する方法です。
<検証結果>
電気亜鉛めっきやすずめっきはウィスカの存在を確認したが、常温亜鉛めっき施工した試験片からはウィスカの発生は見られませんでした。(↓一部抜粋の写真です)
当時の検証報告をまとめた資料は↓こちらからご覧いただけます。
ということで、今回の検証では”常温亜鉛めっき”からウィスカの発生は認められませんでした。
当時ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
まだまだ未知のことも多く、実際の環境では他にも様々な確認や検証も行う必要があると思います。
その際はお力添えできる場合もあるかと思いますのでお気軽にご相談いただければ幸いです。
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<記事作成:RSK>
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