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Zoom が香港のデータセンターをルーティングしないように設定する

経緯

Zoom のデータセンター問題

Zoom はかつて、意図せずミーティングの暗号キーが中国本土のデータセンターを経由していたことが問題視されていました。

この問題はすでに修正されており、有料アカウント、または教育アカウントを持つユーザーは、データセンターのリージョンを選択することができるようになりました。

また、中国国外のユーザーは、デフォルトで China が「オプトアウト」されるようになり、任意で選択しない限りは中国本土のデータセンターを経由することは無くなりました。

中国の Great Firewall(金盾) について

中国本土は Great Firewall(金盾)という大規模検閲システムにより、中国政府によるインターネットの監視・情報統制が行われています。Google や Twitter、Facebook、LINE などを始め、政府のコントロール下にない国外サービスはほぼアクセスができない他、中国政府や中国共産党にとって不都合な情報についてもブロッキングが行われています。

香港情勢の悪化

香港(中華人民共和国香港特別行政区)は、イギリスから返還後、中華人民共和国に属しつつも高度な自治権が与えられており、Great Firewall による検閲の対象外となっていました。中国本土への旅行や出張時には、Google などが利用できる香港の SIM を購入してローミングするのが定石でした。

しかし、昨今の中国政府による香港への介入により、香港の情勢は著しく悪化しています。一部では香港に対して Great Firewall が導入されたとの報道もあります。

また、Zoom 社は中国政府からの要請により、天安門事件に関するミーティングを行った香港のホストアカウントを一時停止したことを認めています。

今後、香港におけるインターネット通信も中国政府による監視・検閲が行われる可能性があります。

データセンターのルーティングを変更する

さて、前置きが長くなりましたが上記の経緯により、Zoom のミーティング / ウェビナーが Hong Kong のデータセンターを経由することも、China と同様に懸念が生じてきた、というのか個人的な意見です。

ルーティングの変更方法を記載します。

1. Zoom の アカウント設定 に管理者アカウントでサインインします

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2. ミーティングにて(詳細)をクリックします

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3. 下部へスクロールし「Select data center regions for meetings/webinars hosted by your account」を有効にします

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ここのチェックボックスから Hong Kong を外せば OK です。( Zoom は US 企業のため、United States を外すことはできません)

この作業は管理者アカウントでしか行えないため、自分が管理者でない場合は所属する組織の情報システム部門にお問い合わせください。

香港の民主主義と自由が守られることを祈ります :pray:


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