共感や寛容の精神の礎となる〜『ネガティブ・ケイパビリティ』
◆帚木蓬生著『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』
出版社:朝日新聞出版
発売時期:2017年4月
ネガティブ・ケイパビリティ。──どうにも答えの出ない、どうにも対処のしようのない事態に耐える能力。あるいは、性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑の中にいることができる能力。精神科医にして作家でもある帚木蓬生は本書においてそのような能力を称揚します。
この概念を世界で初めて口にしたのは詩人のジョン・キーツ。兄弟に宛てた手紙のなかでシェイクス