「民族の触角」となり得ているか〜『「右翼」の戦後史』
◆安田浩一著『「右翼」の戦後史』
出版社:講談社
発売時期:2018年7月
昨今、日本政治の右傾化は話題にされることが多くなりましたが、本書では右翼思想の持ち主や右翼団体そのものの活動にスポットをあてています。その戦後史を記述するにあたっては、時代を大きく二つに区分けしました。一つは戦後から70年安保闘争まで。もう一つはそれ以降の新右翼台頭の時代。
第二次世界大戦における日本の敗北は、同時に右翼の自滅でもありました。戦後の占領政策で、右翼は「戦前の遺物」としていったんは表