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廃墟のきみ

レンガ造りの 廃墟に

腰かける 半透明のきみ

今にも消え入りそうに 見えるのは

眩しすぎる 夕陽のせいか

ただならぬ 怪しい雰囲気のせいなのか

きみは笑いながら 壊れているピアノを

弾こうとしている

ここは 悲しみの溜まり場で

半透明な人 ばかりだ

音を無くしたはずの ピアノは

とても綺麗な音色で ぼくを癒してくれる

時間が経つにつれて

半透明な人たちが 増えていくから

異質のぼくは 立ち去らなければ

またきみに 逢いにくるよ

どうせお墓には いないのだろうから

ここは 悲しみの溜まり場だけど

悲しくも 寂しくもないよ

きみが ここにいるから





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