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LOGINプロジェクト レポート

1日目

1泊2日LOGINプロジェクトで京北を訪れました。この日はあいにくの雨、それに加えて京北が山の上の方の地域であることもあり冷え込んでいました。最初に集まった人数はスタッフ含めて17名。木こりの方、林業に詳しい方、山を持て余している方等が集まっています。途中で抜けられたり入ってこられる方もおられたが、今回は大体十数名程で各ワークショップ等を行ないました。

LOGINブロジェクト」とは、里山の環境を活用し、木材産地のことや素材の力を知ってもらい、DIY で山や森を元気にすることを目指す取組み。

まずは今回の参加者がどのような人なのかを知るために自己紹介から始まりました。

一段目の左の方から順番に、
フェイランさん(Rootsの共同代表。10年前に京北に移住。ヘルスケア事業の企画・戦略デザインをしていた)
中山慶さん(同じくRootsの共同代表。80ヶ国以上を仕事で旅してきた。英語、中国語のガイド・通訳・講師)
とのしたさん(京北で生まれてずっと暮らしている。森林関係のことならなんでも知ってる)
辻さん(兵庫県篠山市からきたテクノロジー系木こりさん)

二段目にいって、
西さん(西脇市出身。かんな等の道具の制作をしている)
豊田さん(京北に3年前にIターンで来た。家を買ったら山がついてきた)
KGさん(丹後から来た海の民。古民家に住んでおり、住みながらその家をよりよくしていくことを学びたい)
緑郎さん(去年の春から京北に移住。NPO法人みんなの地球の暮らし方を主催している)

三段目にいって、
富山さん(1年前に京北に移住。山の使い方を考えている。写真家)
小池さん(プロダクトデザイナー。フェイランさんの元上司)
井上さん(フェイランさんの夫、やってしまう力かすごい)
中道さん(最近京北に住むことが決まった。以前はグアテマラに住んでいた。霊気と頭蓋仙骨という施術をしている)

四段目にいって、
宮崎さん(大阪出身。25年前に美山町で大工を始めた)
吉岡さん(京都府立ゼミナールハウスを管理している職員)
明子さん(7年前くらいに東京から京北に移住。子育てしながらセラピスト業をしている)
住山さん(京都市内出身。20代でニューヨークに行き20年間暮らし、今は北山杉の事務所で働いている)
そして、私、日野です。大阪工業大学の4回生です。

全員の自己紹介を聞き終えたあと、とのしたさんに林業についてのお話を伺おうとしたのだが、ここで、彼が衝撃の一言を放ちました。

その続きと林業の話に関しては別記事でご紹介します。→京北の林業について知る

そして話は丸太の競りについて話題に

フェイランさん : これ↑なんぼやと思います??
KGさん : 皆目検討もつかないです。一本70万くらい?
明子さん : 3万円くらい?
とのしたさん : これ0.2立米弱。
フェイランさん : 1立米買いますってなったらいくらで落とせます?
とのしたさん : 立米9000円、だから一本1800円。それに市場で売ったら手数料、配属料いるから。だから1500円くらいまで落ちる。
住山さん : (育てるのに)何年かかったんですか。
とのしたさん : この輪の数勘定したらわかるけど、たぶん50年弱。年輪は1年1個ね。
? : 時給いくらですか笑
フェイランさん : ちなみに板材になるとなんぼになりますか?
住山さん : 製材所で買うと立米5万円から10万円くらいで買ってるんで。だから5倍から10倍くらいになる。
フェイランさん : それ、たぶん業者価格、大工さん価格。だからDIYユーザーからしたらさらに高いです。
? : これから製材したらどれくらいとれるんですか。

よし、じゃあやってみましょっか!

ということで、宮崎さんに指導してもらい、ニュージーランドの会社が作っている軽トラに乗せられる製材機を使って実際に製材を体験しました!

実際に私も体験してみました。セッティングさえできていれば切ること自体は初心者でも難しくなかったです。ただ、刃が斜めに入るとキックバック※が起きてしまう可能性があるのでどのように切っていくかで技術が必要になってくると思います。
※キックバックとは工具の刃が挟まったりぶつかったりすることにより工具が作業者側に跳ね返ってくる現象。

今回は一度斜めに切れてしまい、そこからリカバリーするのに少し時間がかかってしまうことがありました。
ただ、これは軽トラに積めるサイズの製材機なので、山に持っていきその場で製材することも可能である。なので、使いこなせるようになれば、個人がレンタルして使う分だけを製材するのには便利ではないかと思います。

製材が終わり、美山のカジカーノというカレーとピザのレストランでランチを食べました。
ここでは、それぞれテーブルごとに分かれてお話をしました。私は慶さん、住山さんと日本人と外国人の違いについて話しました。

そして午後からはDIYのプロ、浅野目さんのお宅へ

彼は京北に来る以前はアルピニストとして活動しており、38歳のとき、ハーブ園をするために京北へ移住。素人がつくれるのはログハウスしかなかったので初めてで上記写真の大きさのログハウスを建てました。
京北へ来て4年間はハーブ園だけでは生活できなかったために並行して林業関係の仕事をしながら、木についての知識やチェーンソーの技術を学んだそうです。
ログとは芯のある木材のことをいうそうです。芯があると3倍程長持ちします。

↑カモミールがモチーフのシャンデリア。家の中にも外にもこのようなこだわりのものがたくさんありました。燻製機やピザ窯も手作りしたそうです。

浅野目さんの敷地内ツアー

↑フィンランドのタイニーハウス。こちらは2ヶ月で建ててしまったそうです。交互に部材を重ねていて、この作り方だと部材をセーブしながら楽に組み立てることができます。

↑これは浅野目さんのオリジナルです。ベニヤ板で作られた壁にルーフィング(屋根材の下に敷く防水シート)を巻いてその上から装飾を施したタイニーハウス。

実際にDIYをするために必要な道具の使い方を教えて頂きました!

↑くさび(硬い木材等で作られたV字型の道具)をホゾ※を入れたあとにはめることで木が広がりぜんぜん抜けなくなります。
※木材等を接合するために部材の端部に設けられる凸部分

↑写真の奥に見える工具を使うことでホゾ穴にはまるように角材を丸くすることができます。

↑ビスケットジョイントという接合方法。ビスケット(ブナの圧縮材)がボンドの水分で膨らみ、釘を使わずに接合できます。

↑丸ノコは途中で修正するとキックバックが危ないので、一回切ったら最後まで。また、もし道具を買うときはプロ仕様のものを買った方がいいそうです。やっぱり正確さがぜんぜん違うそうです。

最後に浅野目さんのハーブティーと奥さんのケーキをいただきました


そして、晩御飯はあうる京北で懐石料理

慶さんは今日が誕生日!おめでとうございます!
明子さんが誕生日ケーキを作ってサプライズ!

2日目

今日はあうる京北のゼミナールハウスの1号館の机や椅子をみんなでつくるワークショップ。

指導してくださるのはKUMIKI PROJECTの方々です。左からくわばらさん、白濱さんと丹羽さんの3名。

KUMIKI PROJECTは「D.I.T」(Do It Together ともにつくる)をコンセプトに、お店、オフィス、公共空間などをともにつくる空間づくりのワークショップを企画開催しています。

彼らが一番最初にやったプロジェクトは岩手県陸前高田市の津波でほとんどの建物が流されてしまった場所。そこに2日間で集会所をみんなでつくることだったそうです。その中で、地域の外の人と中の人みんなで楽しく作り、みんなで作ったものをそのあとも使っていくことに素晴らしさを感じました。

今回は2つのグループに分かれました。


こちらのチームはshopbotという工作機械で事前に加工されたパーツを組み立ててイスやミニテーブルをつくります。デジタルの機械と木が出会ったらこんなことができるよっていう可能性についてレクチャーして頂くそうです。

もう1つのチームは京北の田中木材さんの板材で複雑な加工をせずにテーブルをつくります。地域の材を使い、"簡単に自分たちの暮らしに取り入れられる"ということを学びます。

私はテーブルをつくる方のチームに参加することにしました。まずは、分かれたチームの中で自己紹介とDIYレベルの理由をシェアします。DIYレベルは1から10まであり、私はインパクトドライバーを使ったことはあるが、久しぶりなのでDIYレベル2にしました。

そしてまずは、体を温めるためにすでに組み立てられているベンチの仕上げのかんながけとやすりがけをします。

↑私含めて多くの方が初めてのかんながけ体験
思っていたよりもするする切れたが、小口を均等に綺麗にするのはなかなか難しかったです。

↑同じ長さの板を何枚か天板になるように綺麗に並べて、その上から溶接された脚になるパーツを置き、インパクトドライバーでビスを打つだけです。プロ仕様のマキタのインパクトドライバーはとても使いやすかったです笑

↑続いて、丸ノコ体験です。キックバックすると危ないのて刃の直線上に足を動かないように。

↑そして溶接体験。中のワイヤーを溶かして接合しています。免許もいらず、家庭でできるそうです。ただ、直視できないのでみんなスマホ越しに見ていました。

DITを楽しくするためのポイント

それは、リスクをどれだけ減らせるかです。例えば、塗装するときにスーツを着ていくことは自分のスーツを汚さないように気をつけながら作業をすることになるので、スーツに気を取られ他のことに注意ができなくなりトラブルがおきる可能性が高くなります。

作ったものを並べて、完成!!

↑カウンターもいい感じです!

今回、木は苗を植えるところから考えて丁寧に育てられていることを知り、実際に製材を体験し、実際に一人で建てられたログハウスを体感し、初めてプロ仕様の道具の使い方を見学し、そして、実際に簡単なところからみんなで協力してイスやテーブルをつくりました。
林業や木についての理解が深まり、つくるためのプロセスは教えて頂いたので、あとは作りたいもの実際に作ってみるだけだなと感じました。

また、最後にフェイランさんが "パブリック性をみんなで思い出とともに作っていけたらな" と言われていてとても共感できました。

ありがとうございました!

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