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虚構文芸誌「WORK1 」

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既存の文芸誌が面白過ぎたので、ぼくも作ってみることにしました、一人で。

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群れの生存戦略というものがあります。ぼくは、生態学に好意的なので、
そのような戦略にも寛容です。あらゆる生き方を尊重しています

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<ご案内>

「WORK1」は、TwitterにDMいただければ、送料着払い(もちろん常識的料金)でお送りします。本体価格0円です。利益度外視なので、送料も無料にしても良いのですが、人は無料で手に入れたものを大事にしないという普遍の真理があるので、送料だけ徴収させていただきます。ごめんさい。とはいえ、それでもぎりぎりお買い得だと思います。

人質の取られた作家に、自由な表現は難しい。人はよほど意識しなければ、気づかないうちに多くのものを人質に取られ、表現は気づかないうちに歪み、迎合化し、陳腐になる。たとえば経済的自立、表現媒体の選択…。生前も死後も、誰一人にも読まず理解されなかったとしても、しつこくしつこく書き続けるむなしさ……。

だから仕事がある。経済的自立のための仕事と、表現の提出としての仕事。これらは不可分です。

表現における綺麗事は、背後に隠す広義の仕事の泥臭さによって肯定される。

はたして、小説家という職業はほんとうに「仕事」なのか?

虚構文芸誌「WORK1」、ちょい気になるけど内容に一抹の不安を抱いてしまいますねえ、との慎重派の皆さんにはこんなものをご用意しました。

試し読みです。最近の作で、パブリックドメインの「トリビュート」であります。青空文庫所蔵の「オリジナル」と比較しながら読むと、素敵な気分になれるかもしれません。初回は日本のSFの草分け、海野十三氏とのトリビュートであります。

凍結の批評者が、拙作を批評してくれました。読めば、購入の不安はたちどころに氷解します。ぜひご一読。


<商品説明> 

 結局のところ、この本は一人の人間の手によるものであってみれば、そもそも文芸誌ではない。否定神学的に、この雑誌の輪郭を明らかにする前時代的作業もふくめて、これこそが読書体験であるのだとうそぶいて、最初の逃げ口上としましょう。

巻頭(虚)言

 これは文字通り真実の巻頭言です。創刊の経緯が簡潔かつ率直に述べられています。

創作 道は昏い

 小説です。あえて要約すれば、複数の青年が「興奮」をする話といえます。2万字くらい。舞台のデリングシティは、永遠に太陽の昇らない、実在する街がモデルとなっています。描写不足は当時、描写嫌悪症に罹患していたことによります。

創作 G.city

 冗長化された小説です。大人向け遊園地「G.city」を一人の女性が冒険します。時間が足りず、説明描写が皮に浮く肋骨のように目立ってしまい見るに耐えません。が、スリムさに魅了を覚える方ならむしろ満足を得らるるかしらん。およそ10万字。

大型対談 ミュータントあじなし・剣剣波 「文学の未来」

 あのミュータントあじなしと剣剣波が、文学について対談しています。現代文学に関心のある少数派の人にとっては、まさしく噴飯の内容と言ってよいでしょう。

創作 どけ、おどけ

 新人記者の話です。ここで登場する中年の男は醜悪さと愛嬌において、一角の人物と考えます。2万字ほどの小説です。「立ち直り」がポイントで口当たり爽やか。

書評 割れた虹
書評 箱庭の太陽
書評 馬の表情

 これらは書評です。存在しない小説を書評する、というのは斬新なアイデアとはいえません。けれど、無遠慮の罵倒が可能となります。

エッセイ アメリカの思い出(1)

 アメリカの大学に特任講師として招かれた作家の、夏休み絵日記的エッセーです。続き物にしたのは、大したことのない日記・所感が連載されることにこそリアリズムが存するからです。

創作 nero Pt.2色落ち

 2018年文学フリマ東京で販売した物を改稿しました。古い版はnoteで公開しているので、興味のある方はぜひ。4万字ほど。

創作 1997年式の夕暮れ

 行き場のない子供の話です。行き場のなさは、他人に付け回されることによって顕在化しました。一般に、小説の語り手というのはストーカーです。

創作 猟的死数

 不老不死の少女が出てきます。2020年の東京オリンピック爆破テロで子どもを亡くした父親の話です。身代わり、入れ替わりは、興味深い文学的テーマですね。

批評 倫理因果律

 批評のようなものです。カント、柄谷、中島、ドストエフスキー、福永武彦、カフカが登場します。ここにショーペンハウアーを登場させていれば、もっとわかりやすくなっただろうと思いますが、当時は未読でした。生き方と書き方を、切り分けて考えることが必要ですね。

エッセイ 月の影

おしまい。

メッセージください。本誌を贈ります。


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