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宅トレの変化から見る、コロナ後の住まい条件の変化

おうちでトレーニングする、いわゆる「宅トレ」。みなさまは励んでいますか?今回は、withコロナ時代の宅トレにフォーカス。試行錯誤する生活者の姿にはじまり、その話は宅トレに止まらず、その進化の背景にある暮らしの変化が見えました。

私たちRoomClipは、生活者のみなさまの写真の投稿を中心として、住まいや暮らしの話題を提供するソーシャルプラットフォームです。ここに集まる情報を生活者のみなさまだけではなく、ビジネスにおいても役立てられればということで当社マーケティングチームがお送りしているのが「ルームクリップラボ」。今回は2020年6月に実施されたライブ配信「これからのおうち時間。Case:宅トレ」を文字起こしし、一部編集を加えたものをお届けします。

スピーカー
(左)ルームクリップ株式会社 セールスマーケティングチーム 竹内優
(右)ルームクリップ株式会社 セールスマーケティングチーム 水上淳史

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今日のテーマは「宅トレ」

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【竹内】今回在宅のライブ配信では3テーマ目、今日もルームクリップラボの2人の自宅からお届けします。

【水上】よろしくお願いします。

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なぜ今「宅トレ」なの?

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【竹内】さて、今回なぜ宅トレをテーマに取り上げたのかというところから始めます。淳史さん、宅トレって今やってますか?もしくは必要性を感じてますか?

【水上】4月から会社も完全在宅ワークになった中で、本当に運動しなくなったんですよね。

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【竹内】通勤自体が運動みたいな側面もありましたよね。

【水上】そうそう。これまで僕個人的にはそこまで別に運動するタイプじゃなかったんですけど。おっしゃるように最低限通勤してればというところだったのが、それさえもなくなってしまって。それで、4月早々に買ったのがトランポリンですね。うちに5歳の娘がいて家の中でなんとか最低限の運動できるようにと。リビングにドーンとトランポリン置いて娘と一緒に跳ねたりしてけっこう足が筋肉痛になったりしています。

【竹内】そこで自分の最近の運動不足にも気づくとか、そういうこともあった感じですかね。

【水上】はい。その後、なんかしばらく出してなかったヨガマット出してストレッチしてみたりとかそんな感じですね。

【竹内】なるほど。コロナ禍において通勤がなくなったことで改めておうちの中で運動することに意識が傾いた方ってもちろん多くいらっしゃるかなというところですが、もうちょっと俯瞰的な話から。そもそも運動ってトレンドとしてずっときてましたよねっていう話です。こちら、Googleトレンドのコロナ禍前の過去5年のグラフになりますが、いわゆる運動に関わるキーワードを紐解いてみると基本的にはいずれもアップトレンドですね。筋トレだとかフィットネス。

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【水上】筋トレブームありますね。

【竹内】ランニングはもうちょっと前、iPodのブームの後から長く横ばいのトレンドですけど、それ以外のキーワードも総じて上昇している。

【水上】フィットネスがじわじわときてますね。

【竹内】そうですね。やっぱりフィットネスってワードは従来の運動とはまた違う文脈で生まれてきた言葉なのかなと。

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 逆に相関が有りそうだけど下がっているキーワードがあって、ダイエットがそれです。こちらもコロナ前までのグラフなんですが、いわゆるダイエットみたいな減量に関わる言葉って既に昔からありますが、関心ということ意味では少しずつ下がっていっている印象です。それをふまえて、今の運動トレンドをどう捉えたらいいかなっていうのは、こんな風にも言えるかと。コロナ前の運動っていうのは、健康の維持とか生産性の増進というのが目的で捉えられていた。それが流行を作り上げていたのかなって。

運動が3大アクティビティに

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【竹内】もう1つの変化というのが、なんで自宅でトレーニングをするのかということ。これに関してはコロナ禍の影響が非常に大きいということが自明かなというところですね。2020年4月には「おうち時間、何してる?」というテーマでライブ配信させていただきました。そこで、おうちでの滞在時間が非常に長くなった中で、家の中に外での楽しみを取り入れるというもくろみが今ソーシャル上で蓄積され始めていて、「おうち○○」といったテーマで皆さん様々なアクティビティに取り組まれているという話をしました。その中で、「おうちヨガ」といったようなキーワードが実際にタグでも投稿されているように、運動もおうちの中に新しい形で取り入れようというのが始まってますよというトレンドをお伝えしてたんですね。

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 この話の他にも、私たち5月の半ばにルームクリップのユーザーさんにアンケートを実施しました。1つ質問をピックアップしたんですが、外出自粛期間中におうちの中で実施した事って何がありますか?と、選択肢の中から選んでいただきました。このトップ3を見ていただくとわかりやすくて。画像10

 1位が「おうちカフェ」。これは4月のライブでも非常に大きなコミュニティーを持ってますってお話をしました。2位は「おうち映画館」。これは中でも非常にお気軽なアクティビティですね。動画配信サービスへの入会も非常に増えたみたいなニュースって多く聞きましたね。それで次が本題ですが、3位に来るのが「おうちトレーニング」だったんです。運動が、食とかエンタメに続くアクティビティとしてこの期間に捉えられていたということが実際あったっていうことなんです。従って、宅トレを取り上げることは宅トレ自体の状況のレポートはもちろんですが、コロナ禍におけるライフスタイルや住まいの変化みたいなところも実は捉えやすいテーマなのかなということです。

【水上】なるほど。3大アクティビティになってるわけですからね。

投稿イベントからカジュアルレポート

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【竹内】というわけで、今回取り上げる投稿イベントは「宅トレスペース」というテーマ。2020年5月1日から5月31日まで実施させていただきました。

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 はじめにいつも通り「投稿イベント」自体について簡単にご説明します。RoomClipは住まいや暮らしの様子を自由に写真をシェアしていただけるソーシャルメディアですが、特定のテーマを設けて投稿していただく投稿イベントも催しているんですね。旬の話題や、今アイデアをみんなから集めるべきであろうトピックをテーマにしていて。

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 では、今回の投稿イベント「宅トレスペース」をもとに、投稿された写真の被写体やタグ・コメント、もしくは投稿したユーザーさんのその他の投稿を深掘りさせていただいたようなところから、分析をお届けします。

 投稿枚数は約500枚ほどでした。それでは、どんな文脈で写真を見ていったのか。まずは1つ目のグラフをご覧ください。

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 宅トレのスペースを皆さん実際どういう風に構築してるかを見ました。グラフでいう青・赤・黄色だいたい3種類に分類できたんですね。まず1つ目が青色、専用の部屋を設けるフィットネスルームのような形です。これは10%に満たない程度。なかなか専用の部屋まで用意できる方っていないのかなというところ。2つ目が常設のコーナーですね。例えばリビングなどに特定のフィットネスの場所を設けている。これは37%。じゅうぶん、層が広いといえます。最後に、過半数を超えるのが、他のスペースと兼用したり、都度展開して宅トレをやられているという方々。リビングにグッズを広げてやるなど、普段は別の目的のスペースを宅トレに活用されてますよという方ですね。

【水上】写真が気になりますね、めちゃくちゃ。

宅トレスペース3パターンの写真は…

【竹内】専用ルームを持たれている方のケースからご紹介していきます。

【水上】おお、すごい。いわゆるガチ勢ですね。

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【竹内】スライドに「個々人に合った運動が思いきりできる専用の部屋作り」と掲げましたが、一番左なんて本当にジムなんじゃないかと思うような写真で。全面防音防振のマットが敷き詰められ、壁面と同じ位のサイズの鏡も設けながら、手前にトレーニングベンチやエアロバイク、大型のルームランナーのようななかなか自宅では揃えられないようなレベルのアイテムも並んでいます。普段専門の施設で運動してるそうなんですが、自粛でここの部屋の本領発揮していますと。こういった形でいわゆるボディビルとかアスリートレベルで鍛えたいという方が専用のお部屋を持っているのももちろんありました。とはいえ、それ以外の例ももちろんありまして。真ん中の方は、お子さんと一緒に家族でフィットネスできる場所としてグッズを集めている部屋がありますと。トランポリンだったり大型のフィットネス器具だったりとかがそうですね。面白いのが、色がワントーンで統一されていないところ。壁面もきれいな緑ですが、それ以外もいろんな蛍光色で、カラフルな色でテンションを上げて皆で頑張ってますっておっしゃっています。インテリアのコーディネートが定番の1色のトーンに馴染ませるのが好まれるだけじゃなく、運動においては自分のテンションに合わせてコーディネートされるケースが示唆されているように感じます。右端はお子さんのためにコロナを機に構築された例です。空手とキックボクシングをしているお子さんのために和室をプチトレーニングルームにしましたと。畳の上にさらにジョイントマットを敷かれているようなスタイルで、パンチングポールとか懸垂とか腹筋の器具みたいな物を揃えられている。

 このように、専用ルームってその人に合った運動をしっかり構築したい場合に活用されてるなと。アイテムも一個に限る事がなくて、自分の鍛えたい場所だったりルーチンでワークアウトに組み合わせたいものをしっかり配置したいときに活用されるんだなというところですね。

 次に、常設コーナー派です。この方々になると運動への捉え方がまた変わってくる。サンプルを3つご用意しました。

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 左は中でもガチ勢な方ですけれども、1ヶ月自宅待機だった夫の部屋にトレーニング用の場所を作りましたと。トレーニングベンチやウェイトのチューニングが可能なダンベルを用意して、その下に新しくマットを敷かれています。

【水上】奥の方にワーキングデスクみたいなのもありますもんね。

【竹内】そうですね。なのでお仕事をしながら運動にいつでもスイッチング可能なスペースになっているのかなと。

【水上】すごいストイックなライフスタイルをイメージさせますね。

【竹内】真ん中や右の例は非常にわかりやすい。真ん中はリビングに自転車が置いてあるんですね。

【水上】これリビングか。テレビが見えますもんね。奥はソファーか。

【竹内】ほぼ毎日ローラーにロードバイクをのせてここで夫がこいでいますと。逆にこれを投稿された奥様は、ここがリビングなのでソファーで録画したドラマやバラエティーを横で観ていますという。リビングで一緒に過ごしながら運動する人はするし寛ぐ人は寛ぐ、暮らしの中に運動があるというイメージですね。右の写真も中にいる実は似たような例でして、お子さんのジャングルジムの横に足ツボマットやヨガマットが置かれている。お子さんが遊んでる間自分のフィットネスの時間にしていますとコメントで説明されているものです。

 つまりコーナー派ってどういうことかというと、暮らしの中に運動をいかに取り入れるかみたいな視点で配置されている方が多くを占めている。ライフスタイルの延長線上にうまくエクササイズをおきたいという意思が感じられる投稿が非常に多く、そしてうまくいってる方の例なのかなと思いますね。

【水上】使われている姿が思い浮かびますよね。

【竹内】そうですね。埃が被ったエアロバイクがあるみたいな感じではないんですよね。

 最後は、宅トレスペースを都度展開されている方。実際最もイメージしやすいかもしれないなと思ったんですが、サンプル見ていただきましょう。

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 宅トレスペースを都度展開する方ってその中でもそれぞれテーマがあるかなと。大きく3つに分かれる発見があったのでそれも含めてご紹介します。左はテレビの前で動画を見ながらトレーニングされているということで、リビングにバランスボールやヨガマットを配置されてる。コンテンツと共に運動する必要があるので都度展開するとおっしゃっているわけですね。真ん中の方はまた違う理由がありまして、この方は宅トレスペースは洋服ラックとベッドの間のここだけなんですと。要はスペースがないんですね。だから必要な時に展開されるという形で構築されている。右はまたちょっと理由が変わります。入浴後のストレッチ時に写した写真ですということで、ストレッチのためにヨガマットを敷くだけじゃなくて、LEDのキャンドルをつけたり、リラックスできるムードまで作っている。こういった活動をこの時間に限ってするために様々なアイテムを共に展開するというケースですね。

 以上3テーマが主な都度展開の理由になってる。何かコンテンツと共に運動されるというケース、どうしてもスペースの都合があるので都度展開になるというケース、最後は展開する時間やタイミングがしっかり自分の中に決まっているというケースです。

withコロナ時代の宅トレ、定番アイテムとは?

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【竹内】写真について、そこに写っているアイテムも見させていただきました。実際に写っていたアイテムをカウントするとこんな感じです。宅トレスペースの定番アイテムがわかります。1番はヨガマットなんですね。これはダントツでして唯一過半数を超えて導入されているアイテムです。昔のおうちでのトレーニングみたいなのを想像されると、意外かもしれないなって私は逆に思いました。

【水上】そうですね。ダンベルとか鉄アレイとか、そういうのをはじめに想像しますね。

【竹内】そうなんです。ヨガマットに連なるようなヨガポールやフォームローラー、それと同じ位の占める割合でダンベルじゃ3番手に入ります。バランスボールも一時ブームになりまして、すでにインテリアになっている方もたくさんいらっしゃるかとは思うんですが。それ以外には、ジョイントマットやプレイマットのように、ヨガマットではなくより大きなマットを運動用に導入される方だったり。トランポリンも、淳史さんがおっしゃるように運動器具として導入されてる方がこれだけはっきりした層を占めています。

【水上】トランポリン、これだけの方が買ってるんですね。

【竹内】そうなんです。押さえておいた方が良いというアイテムを2つピックアップしてお話させていただきます。1つ目はヨガマット。

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 ヨガマットはかなり暮らしに浸透しているアイテムになっている。どうしてかというと、やっぱり敷くだけで宅トレスペースというものを構築できるっていうお手軽さだったりとか、これを使ってやりやすいフィットネスやヨガコンテンツが充実してるということもあるかなと。ヨガマットって別にヨガをするためだけのものじゃなく、ご自宅で運動される際に体にかかる負担の衝撃を吸収するであるとか、防音の効果も多少あるとか、そういう理由もありますし。左手の写真からご紹介しますと、ダイニングテーブルを少し動かしてヨガマットを敷いて宅トレスペースにしてますとおっしゃってる方。真ん中ですと息子さんとヨガをしますということで人数分を敷いて自分たちのスペースを作ったりとか。暮らしに浸透っていう目線では特に、右がわかりやすいかなと思います。手前に黒いヨガマットと宅トレアイテムがあるんですが、奥をご覧いただくとブラックをうまく活用されたインテリアでお部屋を作られてるんです。ヨガマットもすでに、そういったお住まいの中でもきっちり選べるラインナップが充実しているんですね。淳史さんちのヨガマットもカラーは黒っておっしゃってましたよね。

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【水上】そうですね、うちも黒ですね。ぐるぐる巻いて畳んでおく時もそれなりの大きさになるから、やっぱり部屋に馴染んだ方がいいかなと思って選びました。

【竹内】インテリアの一部と考えるとそうですね。そういった発想がある方にもしっかりちゃんと今って選べるアイテムがある状態。最近だとファブリック素材のヨガマットもブランドさんによっては登場してたり。そういう状況も普及の一因なのかなというところですね。

 で、もう1点押さえておきたいのがコレです。トランポリン。

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 トランポリンってどういう家にあるんだろうというと、やはりお子さんがいるファミリーです。先ほど淳史さんもお子さんの運動のためにトランポリンを買われたとおっしゃってたんですけど。おそらく、別のソーシャルメディアの口コミを見て購入されたという経緯ってあったんじゃないですか?

【水上】そうですね。SNS見ていて買ってる人いるなっていうのはありました。

【竹内】皆さんもこんな感じで、1番左の例ですと子ども部屋にトランポリン置きましたっていうお話であったり、真ん中はお子さんがお写真に写ってますけれどもその奥にトランポリンがあるんですね。右手もお子さんがいる家庭のリビングなんですけれど、これはさらに面白い例かと思っていて、投稿されてる写真のタグを見ると「トランポリンカバーは自作」というタグが付いています。先ほどヨガマットについて暮らしに馴染ませるという目線で選ばれてる方がいらっしゃって、アイテムも揃っている状況ですよって話しましたけど、トランポリンはまだそういう状況にはないのかなと。まだまだ暮らしに馴染ませるみたいな目線では選べるものが少ないというところの生活者のニーズのカウンターとして、トランポリンカバーを自作が発生し、自分の暮らしの中に取り入れる試行錯誤が今起こっていると。

【水上】そうですね。実際地味な色から売れていってるんですよね。自分が買うときもカラフルなピンクとかは多く残ってたんですよ。

【竹内】なるほど。在庫状況とか見ててもそういう感じだったんですね。だから自分でその悩みをケアするという発想に至ってる方がいらっしゃって、逆にいうと今こういったものをリリースされるブランドさんに求められているものがちょっと転換しつつある兆しも見えているというところですね。

 投稿イベントの写真全体にどんなタグが付与されてたのか、というランキングも見ておきましょう。

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 宅トレスペースが構築されている場所ってどこだろうっていうと、やっぱり多くはリビングなんですね。そしてアイテムはというと、やっぱりヨガマットであり、その次にトランポリン、こういったものが今宅トレスペースを構築する上で特に投稿者も意識的に取り入れている。宅トレスペースって、従来から宅トレを意識してお部屋まで作られているような方もいらっしゃれば、コロナによって運動を始めた方もいて、投稿イベントでは渾然一体となっています。

変化したプレーヤーから求められるもの

【竹内】またちょっと考える視点を変えてみます。コロナ禍における今の変化と、この先それがどういう影響を暮らしに与えるのか。まずコロナによって宅トレがどう変わったのかというところを一緒に振り返っていきたいと思います。

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 コロナで何が変わったんだろうってとこなんですけれども、このコロナ禍まで含んだグラフをご覧ください。先ほどグラフでダイエットが近年においては下がっているとご紹介しましたが、赤い線を引いてあるこのコロナを機に、実はダイエットも上昇トレンドに転換しているんですね。

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【水上】なるほど。ダイエットもV字回復ですね。

【竹内】はい。従来通りヘルスケアや健康もしくは生産性に対する運動に興味を持たれてた方もいらっしゃる中、コロナ禍で改めてここで自分たちの運動不足や体重の増加などについてどうにかしなければと考えてダイエットとかに関心を持たれてる方が増えているんですね。

【水上】実際話題になりますもんね。例えばビデオ会議とかしてるとどうしても自分の顔が見えるので、太ったみたいな話題になったり。関心が向きますよね。

【竹内】そうですね。そういった目線でイベントを再度見てみることにしました。従来からトレーニング好きな人ももちろん中にはいたとは思うんですけど、そうじゃなくてコロナを機にやられた方をもうちょっと見つめてみようと。紐解いてみると、このイベントはこんな感じだったんですね。

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 実は投稿の20%近い方々がコロナを機に宅トレスペースを構築されたという方だったんです。この方々にもっとフォーカスして分析を進めることにしました。

 改めて、そこに何のアイテムがあるんだろうというところから。先ほどのグラフとポジションがいくらか変わってくるんです。

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 コロナを機に宅トレスペースを構築されている方々がどんなアイテムがあったんだろうというと、ヨガマットがトップというのは変わらなかったんですが、その下ですね。わかりやすいとこで言うとジョイントマットやプレイマットのようなマット製品がグッと上がってきて、腹筋ベンチ器具、もしくはエアロバイク、もしくは腹筋ローラーのような特定の部位をより効率的に鍛えるみたいなアイテムってのが大きくグッと上がっている。あとはトランポリンとかゲーム機など、従来家庭で宅トレに参加してなかったお子さんだったり様々な方が参加できるような、楽しみ方を変えるようなアイテムみたいなものの数字が上がってきているのが見えるんです。逆に下がっているものを挙げていくと、ヨガポールやフォームローラーなどは積極的に取り入れてる方はまだ少ないのかなと。もう一つはバランスボールですね。バランスボールって即効性を求めるっていうよりはどちらかというと運動要素を日常のインテリアとして取り入れたいという方が多い印象だったので、今のタイミングではすぐには取り入れないのかなというイメージもできますね。

 実際どういった風景になってるのかをアイテムと共にご覧いただきますが、こんな感じです。

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 実際withコロナの今の状況になると運動を自分の空間に取り入れて習慣化するためにアイテムを伴ってやられてる方が非常に多くいらっしゃる。左はYouTubeで音楽流しながら、所有されているいろんなトレーニングアイテムを娘が毎日使ってますと。真ん中の方は非常に習慣化っていうところをわかりやすく表現されているんですけれども、休校から1ヶ月経ち、お子さんの運動不足をまずいなと思い毎日17時からエクササイズする時間を作りましたということで、ヨガマットを敷いている写真と共にご紹介いただいてるんですね。習慣化っていう目線では時間を決める以外にも、いつでも運動できる環境を作ることが方法としてあるのかなと思いますが、右の方はステイホームの間毎日エアロバイクをこぐ、そのためにリビングにエアロバイク配置されましたと。つまり何かしら習慣を作るために、アイテムやそれと共に自分なりのルールを取り入れましたというような報告があったんですね。

 コロナによって宅トレの生活者層がどう変わったのかというと、従来健康とか生産性を意識した方々が主なプレーヤーだったのが、それ以外の方々がドッと参入された状況ということです。外出自粛の運動不足が主な理由なのは自明のことだと思うんですけれども、結果そういった方々がどうしたいかっていうと、上手にやってる人のノウハウやアイテムを積極的に取り入れましょうと。手軽化や習慣化のニーズが今非常に顕在化していて、それに合ったアイテム、特にヨガマットが皆が持ってるものというのもそういった理由が非常に大きいのかなと思うんです。

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【水上】なるほどね。要はこれまでそんなに筋トレとかエクササイズしてなかった人たちにとってコロナで運動不足が差し迫った問題になって、じゃあ家の中で簡単にできることをやってみようかっていうところなんですね。

【竹内】そうです。かくいう私もそのにわか宅トレ勢なんですけども、やっぱり考えたのは、ちゃんと効果が出せてしかも続けられなくてはということ。その中で宅トレの中身っていうのも変化していったんだよと。

 そして最後に、宅トレの中身の変化というのは実は住まいだったり暮らしの形も変化させ得る状況の1つなんだという発見があったので、そこをご紹介させていただきます。

大きく進化した宅トレ

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【竹内】コロナで今後何が変わるか。コロナの騒動が終わって日常、好きに外に出かけられるようになったらそもそも宅トレなんてやらなくなるんじゃないのかという目線もあるとは思うんですよ。もちろん、おうちでトレーニングするのがいいなっていうことに気づきがあってやられるって方もいるとは思うんですけど。そうじゃない方々にとって、宅トレによって起こった変化ってもっと宅トレ以外の部分にも大きな影響を与えることはないのだろうかとか、その方が生活者の暮らしの根幹を揺るがす部分なのではないかとちょっと意地悪な目線で僕は考えて捉えてたところがありました。結果、実はいい発見に繋がるものがありました。

 その辺り最後のテーマとしてご紹介するのが、今後何が変わっていくかっていうところ。まず大きく変化したものはこれでした。コロナで宅トレをやるプレーヤー勢も変わったんですけれども、宅トレに使われているアイテム以外のものも実はすごく変化したんですね。

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【水上】オンラインのコンテンツですか。なるほど確かに。

【竹内】そうなんです。むしろアイテムの変化よりも大きかったのがオンラインのコンテンツなんです。筋トレ動画、トレーニング動画、ストレッチ動画、ヨガ動画、オンライントレーニングと、キーワードもグッとここでニーズが跳ね上がってる。これって単純に検索者のニーズが増えただけではないというのは今のニュースをご覧の方はご存知かなとは思うんですけれども。

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 アスリートの方やタレントさん、もしくはそういった方々を支援するようなブランドさんがこのコンテンツの充実に対して今市場に参入してトレンドを牽引していて、さらにYouTuberさんとか今までそういったコンテンツをアップしなかった方まで参加されて、オンラインを活用したトレーニングというのが多様な形で出来る状況になってきてるんだと思います。

【水上】そうですね。オンラインコンテンツが充実しているの、とても実感あります。

【竹内】というわけで、宅トレをコロナを機に構築された方が約20%いらっしゃいましたって話をしましたけれども、投稿イベント全体とその方々で、宅トレにコンテンツを活用した割合はどのくらいなんだろうと調べた結果がこのグラフの通りです。

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 左はコロナ前に宅トレスペースを作った方も含めた投稿者全体なんですけれども、宅トレにYouTubeなどの動画コンテンツやリモートでのサービスを活用された方々は約23%でした。ではこれをコロナを機に宅トレスペースを作られた方に絞ってみるとどうかというと、やはりその倍を超える数、約47%まで数値が変化するんです。

 それで、宅トレにコンテンツを使うとなると、スペースの使い方も変わるんですね。写真を見てもらうとわかりやすいかなと。

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 例えば、コンテンツを見ながらやらなきゃならないんで主にテレビ前にスペースを構築する方々が非常に増えてきます。左の方はYouTube見ながら子供と一緒にトレーニングしています、と。右はヨガスペースもテレビの前に構築されてる方。

 もしくはコンテンツと付き合いながらトレーニングするのが条件になってくるので、テレビ以外の方法でやりたいとなるとタブレットとかPCとかスマホになるんですが、それをヨガマットの傍に置いてトレーニングされるスタイルがたくさん見えてきました。このケースですとテレビと比べていろんな課題にも気がつきます。姿勢が変わるともう見えないんじゃないかみたいなところだったりするんですけど。

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【水上】そうですよね、タブレットとかPCとかスマホとかは画面が小さいですもんね。

【竹内】例えば腕立て伏せとか腹筋とかを想像するといいかもしれないんですが、寝る姿勢になってしまったらコンテンツが遠くて見えないとか、文字が入ったコンテンツとかだとついていけないみたいなことが起こったりとか。実は宅トレ用にタブレットとかスマホを特長的にうまく使われている例っていうのは写真の中で1つも見られませんでした。だから、今コンテンツを使いながらトレーニングをすることはまだまだ試行錯誤が続いているのかなというところではあります。

 もう一点、オンライントレーニングというもの。これは講師の方と双方向にやりとりをしながらやるものですが、そういった利用者ももちろんルームクリップの中で出現しています。

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【水上】Zoomヨガみたいな。

【竹内】そうですね。右の方はZoomでヨガをしていますっておっしゃっているんですが、例えばZoomになるといよいよテレビって使えない状況で、どうしているかというのは写真の中には実は反映されていなかったり、オンラインの双方向の通信みたいなところを家の中でどう処理するかということはまだまだ例では見えてきてないのかなというところもありました。そして最後に、コンテンツの話になるともう1個定番が増えてきているんです。ゲームですね。

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 左の子達は輪っかを持って運動してますけど、非常に今ブームになっていて入手困難でもあるニンテンドースイッチのリングフィットアドベンチャーですね。

【水上】竹内さんもこれでしたっけ。

【竹内】そうですね。おかげさまで今2週間位ほぼ毎日続いてますけど、自分でびっくりしてますね。口コミもあったことで僕も導入して。ピラティスみたいな運動になるんですが、これをやるとなると、ゲーム機だけでなくて、ヨガマットみたいな防音用のマットみたいなのを必須アイテムとして皆さん合わせて揃えられていたりとかするんです。

【水上】別に付属品として付いてるわけではないんですね。

【竹内】全く付いてないんですよ。やっぱり非常に動くのでドスドスみたいな音が気になってきたりするから、必須アイテムとして揃えられてる。このゲームの例、非常に分かりやすいなと思っていて、宅トレにも何かしら定番のコンテンツが出てくるとそれに伴って必要なアイテムや条件が現れてきますよねということだなと思います。

ライフスタイルの変化がもたらす住まいの課題

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【竹内】このあたりで、これって宅トレの話だけに収まる話でもないなと思ったんですね。コロナで不可逆になったシーンの1つなんだろうと。何が起こったのかっていうのをもうちょっと俯瞰的に捉えておくと、家の中でコンテンツと付き合いながらのアクティビティをするのが一般的になったんじゃないかなということです。

 オンラインに接続されているライフスタイルというのが、結果的に家での活動に利用されるレイアウトに左右する状況に今なってきてるんじゃないかと。

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【水上】なるほど。テレビの前にヨガマットを敷いている写真を見て会社のスタッフと盛り上がったのは、以前はソファーがあったリビングのテレビの前に、今はテレビでコンテンツを見ながら運動するためにそこの部分は広めに開けてヨガマット敷いて運動していて、本当にテレビとソファーのレイアウトの関係とかも見直すきっかけになっているっていう話題でした。

【竹内】総じて申し上げると、在宅ワークっていうのも宅トレもそのトレンドの1つなのかなと思っているんですが、住まいで起こる様々な活動が家の外とオンラインで繋がっている状態ってのがコロナをきっかけにして更に当たり前になりましたよねということ。今後の住まい作りの提案だったりとかリアリティーを持ってインテリアを作るっていうところにおいて、既に繋がっているコネクテッドファーストな考え方っていうのは実は外せなくなってきているんじゃないじゃないかなというところですね。

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【水上】コロナが落ち着いた後どこまでが不可逆でどこが元に戻るんだろうみたいな話の時に、在宅ワークって残りそうだよねというのはやっぱり社内でも盛り上がってますし、これまで遠くまで出張に時間かけて行ってたのもオンラインだったらもっと頻繁にお話できるかもねみたいな話とかもあったりして。前のように全部がオフラインにとはならなそうで、オンラインの可能性がいろいろ見えてる中で、オンラインでやるのにやっぱり住宅側がまだ準備できてない部分あるよねっていうところだと思うんですよね。

【竹内】ビデオ会議した時に痛感しますよね。

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【水上】本当にそうですね。今ライブ配信を家でやってるのもそうですけど、ある程度防音してないときついよねとか、家族の聞こえるところでなかなかテレビ会議できないよねとかと全く同じように、宅トレもパーソナルにトレーニングしたい場合はある程度、個室というか区切られたスペースで防音とかもされていることが必要になってくる。一緒にオンラインでやるって空間としてこれまで考えられてなかったものだから、それに対して家の形も合わせていく部分ってあるのかなと感じますね。

【竹内】そうですね。だから在宅ワークだけに限らないのかなと思っていて。インターネットに接続されたおうちってなると実はアクティビティ目線でもっとレイアウトや必要な設備に対する考え方も全く変わりますよねっていう。これは電気が通ってるものとかネットワークに繋がるものの選び方だけが関わるわけではないと思っていて、それこそ間取りの使い方かもしれないし、カメラに写すための設えの取り方みたいなところかもしれないし。少なくともこういった目的を確保したいみたいな条件は増えていくのかなと思います。

まとめ・クロージング

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【竹内】まとめます。今回大きく2つのブロックに分かれてますが、まず宅トレについて、おうち時間で運動っていうのが、食とかエンタメに次ぐシェアを今持っているアクティビティになってます。コロナ禍で運動不足を感じて体重増加や筋肉の衰えみたいなところを対策したいと考えてる方がたくさんいらっしゃって、そういった方々が今どんどん既存の宅トレ勢のノウハウを吸収しようと試行錯誤されてる。そして、このコロナ禍における宅トレの変化は実は暮らしの他の分野にも適用される面があるんじゃないかなというのがもう1つの気づきです。withコロナを経て宅トレにも見えたようにオンラインの活用ニーズが非常に上昇しましたよねと。これは前回の在宅ワークでも感じられたところだろうと思います。こういったものが住まいの活用レイアウトに影響を与えていきますよねと。従来の宅トレではコンテンツは必須ではなかったけどそれを楽しみながらやるっていう方々が当たり前になってくると宅トレする場所も変わる。それと同じように、コンテンツや宅トレだけじゃなくて他のアクティビティによってもそういった発見ってきっとあるということが示唆されているのではないかというところです。ありがとうございました。

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 今回は宅トレをテーマに話を展開しましたが、投稿イベントを、こういった形で特定のテーマで実施し、活用いただくことができます。いわゆる協賛という形でスポンサードをいただく、投稿キャンペーン。色んな写真を集めたい、話題を盛り上げられないかななど、是非ご相談下さい。よろしくお願いいたします。

【水上】よろしくお願いいたします。

【竹内】ではお時間まいりましたというところで、今日は終了させていただきます。ありがとうございました。

【水上】ありがとうございました。

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