見出し画像

新生活アイテムの新定番は?「働く」視点も不可欠に

春は引越し、新社会人、大学進学など、新生活を始める方が多いシーズン。広く捉えると、片付けや趣味などを新しく始めることも新生活の営みに含まれると言ってよいでしょう。RoomClipでも、「新生活」や「一人暮らし」というキーワードでの検索件数が2〜3月が最も多いことから、新生活を始める方のお手本として利用されていることがわかります。今回は、そんなRoomClipでの生活者の姿から、2021年の新生活を予測しました。(※本テキストは、2020年11月に実施されたライブ配信「どうなる?新生活2021 2020年代、お部屋アイテム新定番」のダイジェスト版です。)

●完全版テキストは文末のリンクからダウンロードいただけます●

新生活で話題にされるのは、まず「食」周りのアイテム

 まずは2020年にスタートした、新生活に活用されるアイテムを紹介する投稿イベント「これ買ってよかった!新生活おすすめアイテム」の動きについて。

 新生活をテーマに先輩たちがおすすめするアイテムにはどんな傾向があったでしょうか?活用されるシーン別に分類したグラフがこちらです。

画像1

1位が炊事・食事、2位が部屋作り、3位が清掃・整理収納と続きます。お部屋作りに関するモノよりも、食周りの話題がまず積極的に投稿されることは新しい発見でした。いくつか事例を取り上げると、計量味噌マドラーやお玉置き、鍋蓋置き、お盆・トレーなど細かなアイテムがほとんど。

画像2

必需品というよりもちょっとした暮らしのストレスが緩和されたり、動線が改善するアイテムの話題がのぼる傾向といえます。

 家電では、新生活の新定番といえる3つのアイテムが登場しています。電子ケトルや、ホットプレートをはじめとした卓上調理器、空気清浄器・加湿器がよくおすすめされています。

画像3

卓上調理器は、調理と食事の時間が一緒になることで、食事を楽しむ時間的余裕が作れるところが支持されているようです。空気清浄器はコロナ禍で感染対策などを意識する方が増えたことや、在宅時間が長くなったことが影響しているといえます。

 部屋作りアイテムにも注目すべきポイントがあります。例えば、一人暮らしでも大きめのダイニングテーブルをおすすめされる方がいるなどが象徴的な事例です。

画像4

狭い部屋に大きなテーブルは意外かもしれませんが、例えば書きものだったりパソコン作業だったり、食べる以外の作業スペースも兼ねられるといった意図で支持されています。一昔前までは一人暮らしの部屋は「雨風をしのいで寝られればいい」という感覚の人も多かったのですが、今は過ごしやすさを実現するためのアイテム選びに話題が集まります。

先々まで考えた入居前の汚れ対策は必須

 もう一つ、別のテーマの投稿イベントを取り上げます。「入居前にやってよかったこと」というものです。集まった投稿を目的別に分類しました。

画像5

汚れ・傷み予防」が断トツの1位。その後に「カビ予防」、「居住性改善」が続きます。

 写真を見てみると、最近入居前の定番になっているのは、燻煙剤や燻蒸剤を利用して虫やカビ対策をすること。

画像6

特に水廻りは使い始める前にやっておくと効果が高いと言われています。また、各種テープ、フィルター類などを100円均一やホームセンターを回って買い集め、入居前セットとして紹介される方が多く見られます。簡単に貼ったり剥がしたりできる壁紙やシートでリメイクしたり、コンロ周りに油はね防止のシートを貼ったりするのも定番です。

画像7

汚れやすいところにマスキングテープやフィルターを貼る「予防掃除」として注目されています。

 掃除をしやすくするために、可動性を持たせることも話題になっています。

画像8

洗濯機を乗せたまま移動できる洗濯機置き台は最近の定番です。共働き世帯が増加したことで、暮らしの難易度を下げて後々の手間を減らす視点から多くのアイテムが選ばれています。

コロナ禍で見直されるより快適な日常生活

 また、2020年に新型コロナの影響によりテレワークや在宅勤務が余儀なくされたことで、新生活でもワークスペースの確保は条件として欠かせなくなると考えられます。

画像9

住まいを見渡すと最初の頃は主にダイニングと混在していたワークスペースでしたが、住まいの中でスペースの使い方や役割が見直されたりしている点は新生活のシーンにも注目すべきポイントです。

画像10

例えば物置化していた和室を仕事場にしたり、寝室をリモート会議用のプライベート空間として利用したりという工夫が見られます。そこに、必要なアイテムを揃えています。

 グリーンが好きな人はベランダや庭を整えたり、長時間座っても疲れにくいチェアを取り入れたり、ディスプレイを増設しています。

画像11

意外なところでは、パソコン使用時の冷え解消用として、足元に置くヒーターを置いたり、1日分のコーヒーを常備しておくためのポットなど、単純に作業に必要なものだけではなく、シーンの周辺で活躍するアイテムも話題となるのがポイントです。今までは日中会社に行っていて気にならなかったことが大きく見直されています。

 また、在宅勤務が条件となると、住まいにはオンとオフの切り替えもより重要になる傾向も見られます。

画像12

休憩時間用に好きなおやつと紅茶を用意したり、お花を飾ったり、癒しや気持ちの余裕を求めている様子が見られます。

画像13

コロナ禍により「暮らす」の中には「働く」という視点が加わり、心身共に生活難易度が上昇したと言えます。新生活、住まいの中にやるべきことが増えた中、無理のない暮らしを続けるためのアイテムが今後いっそう注目されると考えられるでしょう。

完全版テキストは、こちらからダウンロードいただけます。