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【8月度】建築の見方をひろげるnote10選

noteの建築系コンテンツ、新規に参入される方もたくさんいらっしゃり、ますます盛り上がりを見せていますね!
「たくさんありすぎてどれを読んでいいかわからないよー」という人のために、ロンロ的におすすめなnoteを選んで紹介していきます!

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こんにちは、ロンロ・ボナペティです。
早速8月分のまとめを紹介していきます!
7月度に引き続き、以下のような基準で選びました。


推薦文とともにご紹介していくので、気になったものからぜひ読んでみてください。
※掲載順は投稿順にしています。


①カジュアル二拠点生活のすゝめ/村上智彦(キャン太郎)さん

二拠点生活のための古民家を、千葉で探しているという村上さん。
自由に使える古民家を手に入れて、どんな生活をしたいのか!?

・使われていない古民家を自分たちの秘密基地のようにDIYしたり・波が良ければサーフィンしたり・魚を釣って捌いて食べたり・自分たちで育てた野菜を、自分たちで収穫して、料理して食べたり・自然に囲まれて、星空眺めて、好きな音楽かけて、ビール飲んだり・地元の人と、楽しく交流したり。ギターとか弾けたらもっと最高。

お、おぉ〜、、東京で仕事もしつつ、週末は地方でのんびりなんて、だれでも一度はあこがれる生活なんじゃないでしょうか?
建物のストックはすでに十分足りている一方で、日々新築の建物も建てられ続けている日本。
特に個人所有の古民家などはなかなか不動産市場に流通せず、活用されずに朽ちていってしまうのが問題になっています。
果たして村上さんの情熱はそのハードルを乗り越え、理想の古民家と出会うことができるのでしょうか?
今後の展開にもぜひご注目ください!


②住む人のくらしに想いをはせる構造設計者/koyo(structure bank@(株)U'plan)さん

構造設計というのは、建築が構造的に成立するよう(荷重に耐えられるのか、地震で倒壊しないか、など)計算し、構造を設計するお仕事。
たとえば住宅などでは意匠設計者が住み手と直接やり取りをして建築のかたちを決め、意匠設計者が構造設計者とやり取りをして構造を決めていきます。
直接のクライアントは意匠設計者になるわけですが、では構造設計はデザインのためにあるのかというと、そうではありませんよね。
どんな仕事でも、実際に使ってくれる人のことを想像して取り組めるかどうか、ってとても大切だと思いますが、普段は直接会うことのない住まい手のことを考えるきっかけになったという少しほっこりするエピソード。
koyoさんのnoteは一見取っ付きにくい構造設計の世界をとてもわかりやすく解説してくれています。
ぜひご一読ください!


③パリこでかけモロッコ編② 市場と驢馬と香辛料/yukakudo12さん

パリを拠点にショートトリップ、「こでかけ」を楽しまれているyukakudo12さんによる、モロッコ・マラケシュの旅の記録です。
ユネスコの無形文化財にも登録されているジャマ・エル・フナ広場。
広場一体は「マラケシュ旧市街」としても世界遺産に登録されています。
いまでも11世紀にできた当時のすがたがみられるそう。
世界中のどんな都市も、なんらかの理由で人が集まり、家が建てられ、町として発展していった過程を踏んでいます。
できた当時のすがたを留めているということは、そこに集まってくる人びとも当時と同じ目的をもって来ているのでしょう。
観光地化されて、きちんと管理された場所とは違う、自然発生的な人びとの活動がいまも営まれている。
ここに行けば都市が生まれる直前の熱量みたいなものを感じられるのではないか? そんなことを思わせてくれる記事でした。


④水辺の空間とバワの建築/廣部剛司さん

廣部さんは、建築雑誌にも作品が掲載されるような、人気の建築家です。
そんな廣部さんが、スリランカの建築家ジェフリー・バワの作品を紹介している本記事。
バワ作品を、実際に訪れた際の述懐としてまとめているのですが、導入のこの言葉にしびれます。

まず最初に、実はバワの建築に対して、懐疑的なイメージを持っていたことを告白せねばならない。

バワ作品のどんなところに懐疑的だったのか? 
廣部さんのような建築家がそれを明かしてくれることは、われわれ読者に指針を与えてくれることだと感じます。
知識や理論で作品の価値を論じるのとは違う、実務者としての実感を伴った言葉。
果たして実際に体験してみたことで、バワ作品に対する評価は変わったのか?
ぜひ読んで確かめてみてください!


⑤建築のこと/Norio Akimotoさん

大学時代、西洋・近代建築史の研究室に所属されていたというAkimotoさん。
建築の学生というと、設計課題に取り組んで模型をつくったり、図面を書いたりといったイメージが強いかもしれません。
意匠設計のコースに進むとそうした日々を送ることになるわけですが、こちらのnoteでは、意匠設計ではないさまざまな建築学生のあり方が紹介されています。
特に歴史系の研究室を出た学生は、研究者として大学に残る以外に社会に出て実務として建築の歴史に取り組む道がほとんどないこともあり、どのようなことを学んでいるのか、紹介されることは少ないかもしれません。
なにより体系的に建築を学ばれたAkimotoさんによる「建築」という学問の整理は非常にわかりやすく、ロンロ的にもとても参考になりました。


⑥病院の建築的「余白」を考える/守本陽一さん

研修医として働いているという守本さん。
病院の空間を観察するなかで、病院建築にはもっと「余白」が必要なのでは? と思うに至ったそうです。
ロンロは常々、建築に従事している人だけでなく、だれもが建築に対して意識的になることが、社会全体の建築を良くしていくと思っています。
守本さんのように、建築の専門的な知見がなくとも自らが働く職場や家、訪れる場所に興味をもつ人が増えれば、社会全体が良い建築を欲するのではないかなと。
もちろん、設計者としてではなく発注者として建築にかかわることはだれにだってあり得ますし、近年では公共施設の設計を市民ワークショップで検討する機会も増えてきています。
noteを通じて、いろんな人にそれぞれの立場で建築について書いてほしいなと、思うロンロにとって、とても勇気づけられる内容でした。


⑦好きな空間を知っておくこと/カナエナカさん

カナエナカさんは日々の生活のなかで目にしたデザインについてのエッセーを書かれていますが、今回は空間のおはなし。
自分にとって「集中できる空間」「リラックスできる空間」の条件を言語化してみる、という試みです。
どれも漠然としたイメージではなく、かなり具体的な要素に落とし込まれていて、そのまま空間として立ち上げられそうな言葉ばかり。
そうして言語化された好きな空間を、ご自身の暮らす街で探されているんだそうです。
いつでも好きな空間にアクセスできるようにしておく、って素敵な考え方ですね。
記事の最後には僕も大好きなあの建築の写真が……!
建築の魅力を捉えた、とても美しい風景です。


⑧田舎の風景は残酷に歓迎する/横山ヨコタさん

「田舎にはなにもない」
美しい自然に囲まれた田舎ならともかく、それなりに人も住んでいるのにさびれた商店街しかないような場所に対して、そういう先入観をもってしまう人は多いのではないでしょうか。
僕自身も、だれかに地元のことを紹介する際、ついついそういう言葉を使ってしまいます。
本当は僕にとっては面白い場所にあふれているにもかかわらず。
そうした田舎の風景に対する漠然とした無関心を、横山ヨコタさんは鋭い言葉で指摘しています。
普段は都会でショッピングを楽しみ、観光の際にはガイドブック片手に名所を巡るような人にとって、ギクリとする内容かもしれません。


⑨そう!尾道に行ってきました。/ushimadoTEPEMOK(牛窓テレモーク)さん

タイトルの通り、尾道への旅のレポートです。
尾道といえばしまなみ海道のサイクリングが定番ですが、ここでは一風変わった三軒家アパートメントなど、建築的に楽しめる尾道の旅がレポートされています。
ロンロもnoteを書くようになって、旅行に行ったときのものの見方が変わったように思います。
どんな風に紹介しようかな、と考えを巡らせたり、記事になりそうなネタはないかな、といろんなものを観察してみたり。
個々のスポットのレビューなどはウェブ上にあふれていますが、「ここに行けばこんな旅ができるよ!」という体験談が集まっていくと、これまでとはまた違った旅の計画ができそうですね。
みなさんの旅もぜひシェアしてみてください!


⑩「建築の見方」を身につけて、前川國男を見に行こう!/ロンロ・ボナペティ|建築ライター

最後に、手前味噌ながらロンロの記事を。
日本のモダニズム建築を代表する前川國男さん。
いま日本の建築家は世界的に注目を集めていますが、最新の建築も辿って行くと前川さんに行き着く、といえるほど日本の現代建築の源流にいるような建築家のおひとりです。
前川さんの建築の「見方」がわかるようになると、いまの建築もどうやって見ればよいかわかるのでは? と思って書いてみました。
ぜひ感想をいただけたら嬉しいです^^


来月も建築の面白さをひろげてくれるnoteを紹介します。
お楽しみに!

最後まで読んでいただきありがとうございます。サポートは取材費用に使わせていただきます。