準備1ー「意識に上げる」ということ

論理とは何かについて説明する前に、大切なお話をします。それは「意識の使い方」についてです。「意識が高い/低い」の「意識」ではありません。そもそも意識に高いも低いもありませんので、「意識高い系」なんて表現を使っている人は、「意識」というものをわかっていません。

この記事を読んで実際にやってみるだけでも、いろんな効果が実感できると思いますので、ぜひ試してみてください。とくに、頭が良くなりたいと思っている人は必ずやってください。

新しいことを身につけようとするとき、人は必ずそれを意識に上げる(意識する)必要があります。

「○○ 上達 意識すること」で検索すれば、分野に限らず、うまくなるために必要なポイントが解説されているサイトがたくさん見つかります。テニスでも、ゴルフでも、ギターでも、タッチタイピングでも、プログラミングでも、その他あらゆる勉強でも。その道のプロやうまく上達できた人たちは、「意識に上げること」の重要性を分かっているから、そのように教えてくれるのでしょう。また、筋トレなどでも、「使っている筋肉を意識することでより効果が上がる」と言われていて、実際にその通りだと思います。

でも、多くの人は「意識の使い方(意識に上げる方法)」なんて教わったことがないので、「えっ、じゃあどうやってそれを意識すればいいの?」「意識に上げるってどういうこと?」となるわけです。

スポーツや筋トレ、タッチタイピング、あるいは、自転車や車に乗れるようになる、といった実際に体を動かして身につけるものに関してはまだ意識しやすいので、それなりの数の人たちが効果を出せると思いますが、プログラミングや勉強といった頭をメインに使うものに関しては、何をどう意識してやればいいかわからないので、かなりの人がつまづいてしまいます。(実際に、先生や教えてくれる人がそばにいてくれれば何とかなるひともいると思いますが)


まず、「意識に上げる(意識する)」というのは、簡単にいうと「今自分がしていること・考えていることに気づく(気づいている)」ということです。

このノートを読んでいる今この瞬間であれば、「あっ、今自分はRonの書いたノートを読んでいるな」と気づく。腕立てをしているのであれば、「あっ、今自分は腕立てをしているな。手のひらが床についていて、腕に負荷がかかっているな。今すこしずつ腕を曲げていってるな。体が下がってきたな。少し汗をかいてきたな。」と自分の状態や変化に気づく。タッチタイピングであれば、「今自分の右手の人差指はJの位置に、左手の人差指はGの位置にあるな。キーボードのポチに指先が触れているな」と気づく

この「気づく(気づいている)」というのが意識の正体です。逆に、「無意識」というのは「気づいていない」ということですね。

次に、じゃあどうやって意識に上げればいいか?つまり、どうやって気づけばいいか?その方法は?

それは、「今自分がやっていることを言葉にする(言葉で表現する)」です。はじめのうちは声に出してもいいですが、慣れてくれば声に出さずに頭の中で言葉にするようにしてください。難しいことをする必要は全くありません。

今コーヒを飲んでいるといるとしたら、「今自分はコーヒーを飲もうとしているな。腕を伸ばしてコーヒカップを手にとったな。コーヒーカップを持ってその重さを感じているな。コーヒーカップを唇にあてたな。コーヒーのいい匂いがしたな。今、一口すすったな…」というように、自分の動作を細かく見ていって、その一つ一つを言葉にしてみればいいだけです。細かくすればするほど、意識への上げ方・意識の使い方は上手になります。

ここで「意識の使い方」のトレーニングを2つご紹介します。どちらも全くお金がかからない上に、体力も使いません。にもかかわらず、ありとあらゆることに効果があります。ただし、実際にやらないことには効果は実感できませんので、ぜひやってみてください。早い人だと2週間から一ヶ月、遅くても3ヶ月もすれば必ず効果を実感できます。


1 呼吸トレーニング

寝る直前、布団やベッドで横になっているときにするのがおすすめです。やることは簡単で、自分の呼吸を意識に上げる、というものです。まず、深呼吸をします。鼻から息を吸って、口から吐く。このとき、できるだけ長い時間を掛けて息を吸い、できるだけ長い時間を掛けて息を吐くようにしてください。深呼吸をしながら、「今自分は深呼吸をしているな。今、すこ〜しずつ鼻から息を吸っているな。息が肺にたまってきたな。お腹も膨らんできた。まだ吸えそうだな。まだ吸える。あぁ、もうこれ以上は吸えそうにないな。よし、今度は息を吐くぞ。口からすこ〜しずつ息を吐いてるな。あっ、今ちょっと吐きすぎたかも。もう少しゆっくり吐かないと。お腹も凹んできた。まだ息は残っているな。うん、吐ききった。またゆっくり吸って。スゥ〜。吐く。フゥ〜。」こんな感じで、自分の深呼吸のプロセスを細かく分けて言葉にしていく。これだけです。ただひたすら自分の呼吸と、それを言葉にすることだけに集中してください。20分くらいできるのが理想ですが、はじめのうちは5分程度で大丈夫です。


2 歩行トレーニング

今は外出を自粛されている方がほとんどだと思いますので、必要に応じて外に出たとき、もしくは家の中を移動するときにやってみてください。これもやることは簡単で、歩くことを意識に上げるだけです。「今自分は歩こうとしているな。右足を一歩前に出したな。右足のかかとが地面についたな。今度はつま先が地面についた。自分の体重が前に移動して、左足のかかとが浮いたな。左足全体が浮いて、左足を前に出して、左足のかかとが地面についたな。左足のつま先もついて、体重が前に移動して、今度は右足のかかとが浮いて…」といった感じで、自分の「歩く」という行為を徹底的に意識に上げる。このとき地面の感触なども言葉にしてみるといいでしょう。砂利道であれば「あっ、今右足の親指で大きい石を踏んでるな」とか、泥道だと「ここはヌルっとしているな」とか。こちらも、できるだけ一つ一つの動作を細かく見るようにしてください。


できれば毎日やってください。その効果は本当に抜群です。「意識に上げる」ということがどういうことか、実感を伴った上で理解できるようになります。今まで気づかなかったことに気づけるようになります。

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