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龍孫江の環論道具箱

環論の初歩について,基本事項をまとめます.環論を学び始めた人,もう少し良く知りたい人におすすめです.月6回ほどの更新と,おまけテキストを載せる予定です.
環論の初歩について,基本事項をまとめます.教科書にはあまり書かれない細々とした計算や寄り道っぽい話…
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2024年1月の記事一覧

環の単元群〈龍孫江の環論道具箱〉

環の性質を調べる方法として,要素の特徴的な性質による分類が挙げられます.特に環では除法が…

可換環の確認2〈龍孫江の環論道具箱〉

前回は,ある集合に演算を定義して可換環になることを確かめました.今回も,またひとつの集合…

可換環の確認〈龍孫江の環論道具箱〉

以前,可換環の源流となった数の体系と函数の体系の2種類から例を挙げました.今回は,もう少…

加法逆元と減法〈龍孫江の群論道具箱〉

前回は単位元の一意性について考えました.今回の目標は「加法逆元」の性質を観察することです…

2つの単位元〈龍孫江の環論道具箱〉

 今回の話を通して,議論の舞台となる環$${A}$$をひとつ固定して考えます.今回の目標は,2…

例と揺らぎ〈龍孫江の環論道具箱〉

前回は,可換環の例として比較的馴染み深い例について紹介しました.慣れ親しんだ例とはよく出…

最初の例〈龍孫江の環論道具箱〉

前回の「環の定義」では,可換環の理論的源流として数の体系と関数の体系の2つがあることを述べました.今回はもう少し詳しく見ていきましょう. https://youtu.be/BF6jPonVR6k 1.数の体系例1.整数の全体 $${\mathbb{Z}}$$,有理数の全体$${\mathbb{Q}}$$,実数の全体$${\mathbb{R}}$$,複素数の全体$${\mathbb{C}}$$はいずれも通常の数の加法および乗法を演算として可換環をなす.

可換環の定義〈龍孫江の環論道具箱〉

可換環というのは,龍孫江がずっと好きで学んで(学生時代にはちょっとだけ研究もして)きたも…