居酒屋と喫茶店

愛想が悪く社交性のないやつというイメージをもたれることが多く、実際それは間違ってはいないのだけれど、飲み会という文化は結構好きだった。スケジュール的に行けるものなら、どんな人に誘われてもほとんど断ることなく顔を出していた気がする。
あまり酒を飲まない先輩とご飯を食べる流れになって「どこいこか」みたいな会話になった時でも、無知のふりして「居酒屋どすか?」と提案することもよくあった。

6年前ぐらい、芸人になりたての頃は「下戸の人の方が面白い人多くねーか。というか、酒飲みの人みんなしょうもなくねーか」なんて考えていて酒を飲まない時期があった。
「酒は会話の気まずさを和らげるアイテムみたいなものだし、本当に会話が上手ければこんなもの必要ないに違いない。飲む相手が異性なら終電を逃させるための助道具になるかもしれんが、そんなのモテないやつのやることだ」とか言っていたかもしれない。とても早口で。
あれから6年の月日が過ぎ、オイラめっちゃ居酒屋好んでます。しぇ〜〜い。結局そうなった理由も特に覚えていない。初志を貫徹できなかっただけ。
最低限、相手がアルコールを飲めない人なら自分も飲まない方が良いと考えるステージもあったのだけれど、それすらどっかでどうでもよくなってしまった。しぇ〜〜〜〜い。
飲み会を好まない人達の、酒に溺れる側に対する鋭い意見をインターネットでたまに見かけるけれど、そんなのもどうでも良くなってしまった。目の前にいる人には不快な思いをさせないように心がけるが、いないやつに気を遣ってもしょうがない。

単に自分は酒が好きなだけかと思っていたが、オンライン飲み会には全くもって魅力を感じられなかった。アレはなんか全然違った。なんでだろう。
居酒屋の薄暗さが好きだったのかもしれない。トイレで席を外す時でもミュートにすれば会話を聴けてしまうのも、とてもよくない気がする。
こんな世の中になってしまって、街で居酒屋の閉店を知らせる貼り紙をみると毎度毎度とても心をいためている。お金持ちになったら、全部の居酒屋に顔を出したかったのに。

居酒屋と同じぐらい、喫茶店も好んでいる。ビールと同じぐらい、コーヒーを嗜好している。コーヒーはいくら飲んでも人に迷惑をかけることがないから良い。
チェーン店でない時間無制限で居座れる純喫茶があればとてもあげぽよなのだが、須くどうやって経営が成り立っているのか全くわからない。単価も回転率も全て投げ出すと、なにか助成金が国から出るのだろうか。
ホスピタリティ番長ことルノアールにたまに行くと、頼んだ飲み物に加えて、お冷とサービスのお茶も出される。自分用に三種類の飲み物がテーブルに並ぶさまは、結構ウケる。
お金持ちになったら、全部の喫茶店にも顔を出したい。
居酒屋でもコーヒーが出ればいいのに、喫茶店でももつ煮が食えれば最高なのにと常々思っている

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