俺にはカレーが残っている

自分たちのラジオで激辛道という企画をやっています。これは、辛いものが苦手な僕が激辛料理を食べて大量に発汗し、芸人として一皮剥けようではないかという企画です。
元々僕は辛いものが本当に苦手で、コンビニで売っているカレーパンなども「辛いから嫌だ」という理由で避けてきました。小さい頃は家族で入った近所のインド料理屋で激甘カレーを頼んで「辛い」と言って残したこともあるそうです。
辛みは痛覚。痛覚を望んで欲しがるやつなんて人間としておかしいと思っていたので、この企画も本当に嫌だったのですが、大量に発汗しながらも激辛料理を口にする僕を、相方やスタッフが横で応援してくれるこのコーナーは、もちろんツラいのですが何とも言えない解放感があり、正直ちょっとクセになっています。「汗をかくから」という理由で半裸になれるのも気持ちい。室内とはいえ他所で半裸になれる機会は早々ないので。

先日、コーナー内で激辛料理が大好きな相手と早食い対決を行ったのですがその際、勝負にならないことを危惧したスタッフが、僕が食べるラーメンだけ辛さを一段階低くする、という組織ぐるみのヤラセを行ってしまいました。本当にゴメソな事態です。
今はその謝罪行脚ということで、蒙古タンメン中本の各店舗を回って北極ラーメンを食するというお遍路を行っています。

ここ最近そういう食事をしているので、自分の中でも辛いものに対する自信が少しは出てきました。先週はなんの気無しに入ったファミレスで、日替わりランチのエビチリ定食を躊躇いなく注文しました。カッコいい。以前の僕だったらありえないことです。おいしかった。

自分の中で全く掘り起こしていなかった水脈をひとつ見つけた気分です。今までずっと、外食のカレーを避けてきました。理由は当然「カレーは辛いから」です。
今は違います。カレーはおいしい。これに気付くのに三十年かかった。僕の人生には「カレーを楽しむ」というイベントが丸々残っているのです。
スラムダンクや寄生獣を初めて読んだ時、「素晴らし過ぎる。もう一回、なんも知らない状態で読み直したい」と思っていました。それをカレーでやってきます。
おすすめのカレー屋さんあったら教えてください



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