M-1体験談

M-1グランプリ2020準々決勝で敗退しました!本当にここだけの話なのですが準々決勝の僕らはめっちゃすべったので、いずれ動画が公開されたらみてみるのもいいかと思います。スリップ事故の現場検証動画になっているはずです。
朝に家を出る時は何もなかったはずの右頬に、ネタ終わりでっかいニキビができていた。もう少しだけ残りたかった。もう一枚、アウターを羽織る気温になっても今年のM-1のことを考えていたかった。

今年の初めに海からやってきたわけのわからないウイルスのおかげで世の中がしっちゃかめっちゃかになったからこそ、自分の冴えない現状を変えるのは今年なのだと思った。大掃除をする時も、一旦始める前より部屋をぐちゃぐちゃにするタイプなんだ、俺は。
不要不急極まりないことを生業としている俺たちの周りでは色んなものが中止になって停滞を余儀なくされて、そのぶん阿保ほど余った時間を費やせば何かを変えるられるのだと思った。だからまあ、今までよりは頑張ったとは思う。
とはいえ全てをM-1に費やしたといえる日々を過ごしただなんて口が裂けても言えない。自粛期間中はご多分にもれずネットフリックスとアマゾンプライムに入ったし、YouTubeの有料会員にもなった。いまだにラップバトルにはまって動画を漁りまくっているやつ、俺の周りでは俺しかいないんじゃないか。スマホもめっちゃいじった。俺とママタルトのひわちゃんはギャルぐらいLINEの返信がはやい。ずっと携帯をいじっているので。ネタに対して今までよりも時間を費やしたけれど、結構サボっていたことも揺るぎない事実。
事務所から送られてくるモノマネ番組や特技を披露する番組のオーディションメールはほとんど何も返信しなかった。M-1を頑張るということをM-1以外を頑張らない理由にしながら日々を過ごした。多分、全然良くないスタンスだ。他のことも頑張っている人の方が偉い。
結果、めっちゃ負けた。去年より一個上のステージには行けたけれど、こんなものでは大してなにも変わらないだろう。更にもう一個上のステージへの壁は、ひくほどぶ厚かった。
俺は今年どうにかして何者かになりたかったけれど、それは全然叶わなかった。

この半年は、結構楽しかった。どこもかしこも大勢でぎゅうぎゅうには集まれなくて、日々の感染者数も一向に減らない世の中は最悪だけれど、俺の半径1メートルぐらいは結構楽しいものだった。何でもないことをやっていた去年よりは、少しはキャッチコピーのつけやすいネタをやるようになったと思う。
全然足りなかったのならもっと頑張るしかない。まだまだ出来ていないことだらけ。全てをやったうえでどうにもならなかったら、その時初めて悩んでみるつもりです。
応援してくれた方々、ありがとうございました。貴方達に喜んでいただけるような、数多の吉報を早く届けたい。

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