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不快なにおいを嗅いだとき

なぜ人は不快なにおいを嗅ぐと吐き気を催すのか?

空気中のにおい物質が鼻から入り嗅粘膜に溶け込んだ後、神経を介して脳に伝達される。胃の中に空気が入ることはあったとしても、においという感覚が直接胃を刺激することはないだろう。だが、僕らの身体は不思議なことに、においという感覚が一旦脳に達してから、間接的に胃に対して食べ物を吐き出すよう指示する。せっかく食べたものをわざわざ吐き出すなんて、そんな必要はないはずなのになぜそんなことが起こり得るのか、不思議でならない。

その理由をネットで調べてみたがよくわからない。不快なにおいというのは、毒物の可能性があると身体が本能的に認識し、それにより嘔吐という反応が起こるからだとか、自律神経がどうのとかいう答えがあったが、医学が素人の僕にはどういうメカニズムなのかいまいち理解できなかった。確かに毒物を飲み込んだら意識的にも無意識的にも吐き出したくはなるだろうが、さっき食べることができたのに、その後で別の理由によって不快感を味わったとき、それを嘔吐してしまうのは本能的な行動として本当に適切なのだろうか。空腹の状態でも不快なにおいを嗅ぐと吐き気を催す。胃液を吐いたり、何も無くても空えずきする。

なぜ体外に排出するのが胃の内容物に限るのかがわからない。それなら脱糞したり、汗をかいたり、鼻水で鼻孔を塞いでしまったり、いろんな対処法があっても良いんじゃないかと思う。いや、やっぱり反射的に脱糞をするのは嫌だから、それは無しにしたいところだが、毒物を排出するという意味でなら、ひとまず脱糞や汗も選択肢の一つとして入れておきたい。

だけど、よく考えると吐き気以外にもいろんな症状が出てくることがある。ツンとしたにおいを嗅ぐと、頭痛がしたり涙が出ることがある。これも毒物を排出しようと身体が反応した結果なのか。それとも自律神経が乱れているせいなのか。そのどちらでもないのか。

機械の油のにおいや、靴下のにおい、おせち料理の大根を炊いているときのにおいを嗅いだ時、僕は吐き気を催す。実際に吐くことは滅多にないが、うえっとえずくことがある。

自然とそうなる。だがやはりどうしても、それが理にかなった反応だとは思えないのだ。


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