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ニンジャスレイヤーTRPG2版シナリオ【ジ・アーケイン・トレジャー・オブ・ニンジャ】

◆はじめに

この記事はニンジャスレイヤーTRPG2版の非公式シナリオです。

セッションに際し、シナリオの内容を自由に改変できます。また、記事の内容は予告なく変更される場合があります。

◆シナリオサマリー

ソウカイヤのシマにある倉庫から、ニンジャ・レリックのマキモノが奪われた。ナセ・バイオケミカルの工場へ逃げ込んだ襲撃者を追い、マキモノを奪還せよ。工場には用心棒の配置が予想される。

対象:作成したてのニンジャ3〜5人
難易度/Wassoi!判定:イージー~ノーマル/あり
キャラロスト:あり
余暇:標準(4スロット)
その他:キャンペイグン1話目としても運用可能

◆ダンゴウ

地の文「君たちはソウカイヤに所属するニュービーニンジャだ。君たちは上司であるソニックブームに呼び出され、トコロザワ・ピラーに集まった。
 君たちは初対面だろうか、あるいは死線を共にくぐった戦友だろうか? いずれにせよ、ニンジャは互いに顔を合わせたらアイサツをしなければならない。これは古事記にも書かれている」

PCたちの自己紹介が一段落したら、ソニックブームを登場させる。

ソニックブーム「ウチのシマにある倉庫から、ニンジャ・レリックのマキモノが奪われた。身の程知らずの襲撃者が、このマキモノをナセ・バイオケミカルの工場へ運んだところまでは掴んだ。俺様に代わって、工場にカチコミをかけてマキモノを回収してこい」

ソニックブームは簡潔に、以下の情報をPCたちに伝える。

◎ナセ・バイオケミカルはヨロシサン製薬の子会社である。様々な薬品の原材料を集積・精製してヨロシサンへ出荷しており、襲撃者はその工場のひとつへ逃げ込んだ。

◎襲撃者は8人のチームだった。このチームにニンジャの存在は確認できていないが、工場で合流していないとも限らない。

◎襲撃者が奪っていったものはマキモノ以外は自由にしてよい。工場のものに手出しをすると、ヨロシサン製薬の報復が懸念されるためほどほどに。

ソニックブームはPCたちの質問には一切答えず、さっさと向かえと急かす。もしプレイヤーたちが調査したいと言い出した場合は「◆予備調査」へ、言われた通り即座に現場に向かう場合は「シナリオマップ」へ進む。

◆予備調査

◇襲撃者についての聞き込み

地の文「ニンジャ・レリックが奪われたとなれば、大きな失態である。襲撃者と交戦した者、さらには責任を負ってケジメした者がいるのではないか? 君は他のニンジャに、そのような話がないか聞いてみることにした」

この『調査判定』には【ワザマエ】を用いる。難易度はNORMALで、代表者ひとりだけが判定できる。

◆襲撃者の事前調査に対する修正(上限+2まで):
最も適した知識スキル(+2):ソウカイヤ、バイオ系メガコーポ
次に適した知識スキル(+1):ヤクザの流儀、銃器、犯罪など
◆判定成功時に与えられる情報:
◎倉庫が襲撃されニンジャ・レリックが奪われた、などという話は誰も聞いていない。幹部級のニンジャ――ソニックブームが秘密裏に対処するつもりだったのかもしれない。

◆【6】成功時の追加情報と報酬
◎ヨロシサン製薬の子会社となれば、警備にクローンヤクザやバイオニンジャが配備されている可能性もある。備えよう。
この段階の成功を得たPCは、数々の不測の事態に備えらえれるため、シナリオ開始時に『即応ダイス』数が+1される。

◆【6,6】成功時の追加情報と報酬
◎さる幹部級ニンジャの話では、この任務はラオモト=サンの下命によるものらしい。成果をあげて、ただのサンシタでないことを示さねばなるまい。
この段階の成功を得たPCとそのチームは、シナリオ報酬の【名声:ソウカイヤ】をさらに+1する。

◇工場についての調査

地の文「襲撃者が逃げ込んだという工場のセキュリティについて、君はハッキングによって調査することにした」

この『調査判定』には【ニューロン】を用いる。難易度はNORMALで、代表者ひとりだけが判定できる。

◆工場の事前調査に対する修正(上限+2まで):
最も適した知識スキル(+2):バイオ系メガコーポ、セキュリティ
次に適した知識スキル(+1):ドラッグ、犯罪など
◆判定成功時に与えられる情報:
◎工場の詳細な見取り図を入手することができた。

◆【6】成功時の追加情報と報酬
◎工場で使用されているセキュリティシステムを把握した。堅牢だが陳腐なものだ。
この段階の成功を得たPCは、工場のセキュリティをハッキングによって突破しようとする場合、【ニューロン】判定の難易度を-1できる。

◆【6,6】成功時の追加情報と報酬
◎工場内の監視カメラを掌握した。これで警備状況を常に確認することができる。
マップに敵を配置した状態でシナリオを開始する。

プレイヤーに対する事前の情報提供と、ゲーム内で「すべきこと」の理解が十分だと思ったら、マスターはマップを公開してPCたちを現場に送り込むこと。

◆シナリオマップ

新しいビットマップ イメージ

新しいビットマップ イメージ

地の文「君たちはナセ・バイオケミカルの工場へやってきた。突き立った煙突からはもくもくと煙が吐き出されている。建物正面に玄関、左手には倉庫の搬入口がある。搬入口にはサビの浮いたシャッターが下りていて、動くと大きな音を立てそうに見える」

地の文「どちらの入り口も電子的にロックされているため、ハッキングかカラテによって突破しなければならない」

工場の外、黄色の範囲にイニシアチブ逆順でPCを配置させること。

◆侵入

玄関、搬入口ともに、突破するには【カラテ】判定か【ニューロン】によるハッキング判定をおこなう。難易度はいずれもNORMALである。

玄関:
【カラテ】判定成功:
ニンジャ腕力をもってすれば、鋼の板さえも飴細工のように捻じ曲げることができる。君たちは玄関から自由に出入りできるようになった。
【カラテ】判定失敗:何とか体をねじ込めるだけの隙間を開けることができたが、敵は玄関の異変に気づいていることだろう。各戦闘で、増援が現れるまでの猶予が1ターンずつ短くなる(最小1)。

ハッキング判定成功:ささやかな電子音とともに、ロックは解除された。君たちは玄関から自由に出入りできるようになった。
ハッキング判定失敗:ファイアウォールが予想以上に堅牢だ! ハッキングを試みたPCは【精神力】を1点失う。このままでは玄関から侵入することはできない。
搬入口:
【カラテ】判定成功:君のカラテが轟音とともにシャッターを貫いた! 搬入口から出入りできるようになったが、敵が気づかないはずがない。
【カラテ】判定失敗:錆びついた鋼板はびくともしない。このままでは搬入口から侵入することはできない。

ハッキング判定成功:すさまじい音とともにシャッターが動き始めた! 搬入口から出入りできるようになったが、敵が気づかないはずがない。
ハッキング判定失敗:ファイアウォールが予想以上に堅牢だ! ハッキングを試みたPCは【精神力】を1点失う。このままでは搬入口から侵入することはできない。

玄関から侵入する場合は「◆廊下」へ、搬入口から侵入する場合は「◆倉庫-A」へ進む。

◆廊下

地の文「蛍光灯が明滅し、薄暗い廊下を照らしている。正面には事務所へ通じるドアがあり、右手に伸びる通路はトイレの前を通って左へ折れている。左手には『従業員専用』と書かれたドアがある。このドアはロックされているようだ」

地の文「トイレの前を通って左へ曲がると、応接室と書かれたドアが左手に見える。このドアはロックされていない」

事務所に入る場合は「◆事務所-A」へ、応接室に入る場合は「◆応接室-A」へ、『従業員専用』のドアへ向かう場合は「◆更衣室」へ進む。

◆事務所-A

まだどの部屋でも戦闘が行われていない場合である。

地の文「設備はやや古めかしいが、整然とした事務所だ。数名の従業員が、突然現れた君たちをきょとんとして見つめる」

穏便に事を運ぼうとするならば、従業員の1人が工場長・マエシダ=サンに取り次いでくれる。しかし彼はソウカイヤ倉庫の襲撃についても、奪われたマキモノについても一切知らない。彼が唯一知っているのは、工場に秘密の地下倉庫があり、彼の左手の掌紋が地下倉庫の開錠キーになっている事だけである。

もしPCたちがニンジャネームを名乗るなどして恫喝すれば、従業員たちはニンジャ・リアリティ・ショックにより騒ぎ始める。

地の文「もはやマキモノの所在を聞くどころではない。警備のクローンヤクザが飛んでくるのも時間の問題だ」

戦闘シークエンスを開始する。改めてイニシアチブ逆順でPCを事務所内に配置させること。

◇事務所での戦闘

事務所には最初、マップ上に配置はしないが、(PC人数×2)人の従業員(モータル)がいる。うち1人は工場長・マエシダ=サンである。プレイヤーが宣言すれば1手番に1人まで殺害できるものとする。従業員を1人殺害するごとに、そのPCは【万札】1と【DKK】1を得る。

各ターン終了時に増援が来る。玄関からの侵入を試みる際【カラテ】判定に失敗していたならば、増援が現れるまでの猶予が1ターンずつ短くなる。つまり1、2ターン目終了時の増援が、1ターン目終了時に同時に来ることになる。

ターン終了時増援:
1ターン目:
工場のドアからクローンヤクザ2体(PC4人以上の時は3体)
2ターン目応接室のドアからクローンヤクザ2体(PC4人以上の時は4体)
3ターン目工場のドアからクローンヤクザ2体(PC4人以上の時は3体)
4ターン目応接室のドアからクローンヤクザ2体(PC4人以上の時は4体)
5ターン目工場のドアからクローンヤクザ2体、スモトリヤクザ、ホーンドキャリバー(PC4人の時はクローンヤクザを4体に、PC5人の時はクローンヤクザをスモトリヤクザに変更)

ホーンドキャリバーはボス級の敵である。敵を全滅させた場合は「◆捜索」へ進む。

応接室-A

まだどの部屋でも戦闘が行われていない場合である。

地の文「テーブルを挟んでソファが一組置かれている。それぞれのソファの両隣には、ダークスーツに身を包んだクローンヤクザが立っている。クローンヤクザは君たちを見るや否や、一糸乱れぬ動きでチャカを抜き放った」

戦闘シークエンスを開始する。改めてイニシアチブ逆順でPCを配置させること。

◇応接室での戦闘

各ターン終了時に増援が来る。玄関からの侵入を試みる際【カラテ】判定に失敗していたならば、増援が現れるまでの猶予が1ターンずつ短くなる。

ターン終了時増援:
2ターン目:
事務所のドアからクローンヤクザ2体(PC4人以上の時は3体)
3ターン目事務所のドアからクローンヤクザ2体(PC4人以上の時は3体)
4ターン目事務所のドアからクローンヤクザ2体、スモトリヤクザ、ホーンドキャリバー(PC4人の時はクローンヤクザを4体に、PC5人の時はクローンヤクザをスモトリヤクザに変更)

ホーンドキャリバーはボス級の敵である。敵を全滅させた場合は「◆捜索」へ進む。

更衣室

廊下側のドアを開けるには【カラテ】判定か【ニューロン】によるハッキング判定をおこなう。難易度はいずれもNORMALである。

【カラテ】判定成功:ニンジャ腕力をもってすれば、鋼の板さえも飴細工のように捻じ曲げることができる。君たちは更衣室に自由に出入りできるようになった。
【カラテ】判定失敗:何とか体をねじ込めるだけの隙間を開けることができたが、敵は異変に気づいていることだろう。各戦闘で、増援が現れるまでの猶予が1ターンずつ短くなる。

ハッキング判定成功:ささやかな電子音とともに、ロックは解除された。君たちは更衣室に自由に出入りできるようになった。
ハッキング判定失敗:ファイアウォールが予想以上に堅牢だ! ハッキングを試みたPCは【精神力】を1点失う。このドアから更衣室に侵入することはできない。
地の文「ここは更衣室のようだ。スシ詰めになったロッカーの周囲に衣服や靴、空き瓶やピザの箱などが散乱しており、労働環境が察せられる」

この部屋には複数のロッカーがある。ランダムトレジャーボックスが5つあるものとして扱う。

ランダムトレジャー決定表
 出目1〜3:万札1
 出目4〜5:バクチク・グレネード 射撃武器:爆発(3x3)、1ダメージ(火炎属性)、使い捨て
 出目6:  トロ粉末       【精神力】2回復、使い捨て

わずかに開いたドアの先へ向かう場合は「◆工場-A」へ進む。

◆工場-A

まだどの部屋でも戦闘が行われていない場合である。

地の文「巨大な機械がもうもうと蒸気を吐き出している。その間を縫うように従業員が走り回り、彼らをクローンヤクザが監視している。クローンヤクザは工場内に踏み込んだ君たちを目ざとく見つけ、一様にチャカを抜いた」

戦闘シークエンスを開始する。改めてイニシアチブ逆順でPCを配置させること。

◇工場での戦闘

各ターン終了時に増援が来る。玄関からの侵入を試みる際【カラテ】判定に失敗していたならば、増援が現れるまでの猶予が1ターンずつ短くなる。

ターン終了時増援:
1ターン目:倉庫のドアからクローンヤクザ2体(PC4人の時はクローンヤクザを4体に、PC5人の時はクローンヤクザをスモトリヤクザに変更)
2ターン目:倉庫のドアからスモトリヤクザ、ホーンドキャリバー
3ターン目:事務所のドアからクローンヤクザ2体(PC4人以上の時は4体)
4ターン目:事務所のドアからクローンヤクザ2体(PC4人以上の時は4体)

ホーンドキャリバーはボス級の敵である。敵を全滅させた場合は「◆捜索」へ進む。

◆倉庫-A

まだどの部屋でも戦闘が行われていない場合である。

地の文「大音声とともにシャッタがーが巻き上がっていく。その奥に、君たちを待ち構えていたかのように、メンポからもはみ出すあごひげを持つニンジャが立っている」
ホーンドキャリバー「ドーモ、ホーンドキャリバーです。サンシタがイキがって、コーポにケンカを売ろうというのか?」

(ソウカイヤやソニックブームの名を出した)
ホーンドキャリバー「なるほど、ソウカイヤの鉄砲玉か。お前たちのような下っ端をぶちのめすのが俺の仕事だ。逃げ帰るなら今のうちだぞ」

戦闘シークエンスを開始する。改めてイニシアチブ逆順でPCを配置させること。

◇倉庫での戦闘

各ターン終了時に増援が来る。玄関からの侵入を試みる際【カラテ】判定に失敗していたならば、増援が現れるまでの猶予が1ターンずつ短くなる。つまり3、4ターン目終了時の増援がそれぞれ2、3ターン目終了時に現れる。

ターン終了時増援:
1ターン目:工場のドアからクローンヤクザ2体(PC4人の時は3体)
2ターン目:工場のドアからクローンヤクザ2体(PC4人の時は3体)
3ターン目:工場のドアからクローンヤクザ2体(PC4人以上の時は4体)
4ターン目:工場のドアからクローンヤクザ2体(PC4人以上の時は4体)

ホーンドキャリバーはボス級の敵である。敵を全滅させた場合は「◆捜索」へ進む。

◆捜索

地の文「工場の警備にあたっていたクローン兵士やニンジャは始末した。もはや君たちを阻むものは何もない。ここからはゆっくりとマキモノを探すことができる」

まだPCたちが入ったことのない部屋、特に「◆警備員室」を調査するように促そう。直接言うのがはばかられるなら、マエシダ=サンなど従業員の口を借りるとよいだろう。例えば以下のように。

マエシダ=サン「私は何も知りませんが、あの警備のニンジャなら何か知っているんじゃないでしょうか。あいつは仕事の時間じゅう警備員室にこもっていて、警備の仕事もクローンヤクザ任せでしたから」

いずれにせよ、PCたちが次の目的地を決めたら進む。以降、各部屋について「◆(部屋名)-B」の地の文を読み上げること。

◆事務所-B

地の文「設備はやや古めかしいが、整然とした事務所だったようだ。しかしニンジャ同士の戦闘の余波が、少し前までここにあった秩序をも吹き飛ばしてしまった。横転したデスクや散乱した書類の中に、従業員がすすり泣きながらうずくまっていたり、失神して横たわったりしている」

(PC人数)人の従業員(モータル)がいる。うち1人は工場長・マエシダ=サンである。彼はソウカイヤ倉庫の襲撃についても、奪われたマキモノについても一切知らない。彼が唯一知っているのは、工場に秘密の地下倉庫があり、彼の左手の掌紋が地下倉庫の開錠キーになっている事だけである。

どの従業員も、プレイヤーが宣言すれば1手番に1人まで殺害できるものとする。従業員を1人殺害するごとに、そのPCは【万札】1と【DKK】1を得る。

◆応接室-B

地の文「テーブルを挟んでソファが一組置かれている。クローンヤクザが吐いたのであろう痰の他に、目立ったものはない」

◆工場-B

地の文「巨大な機械がもうもうと蒸気を吐き出している。工具やマニュアルが放り出されていて、従業員の姿はどこにも見当たらない」

◆倉庫-B

地の文「大小のコンテナや工具箱が、背の高い棚に収められている。搬入口を出入りするわだちの痕跡が残っているが、あのシャッターは長い間開けられたことがないように見える」

◆警備員室

地の文「監視カメラの映像を映すモニターとUNIXが置かれている。しかしそれより目を引くのは長椅子、作業机と様々な銃器だ。警備員室とは名ばかりの、ホーンドキャリバーの私室だったようだ」

(PC人数÷2)回(端数切り上げ)まで、ランダム射撃武器トレジャー決定表を振ってもよい。

ランダム射撃武器トレジャー決定表
 出目1〜3:チャカガン
 出目4〜5:カスタム・チャカガン
 出目6:  ショットガン

警備員室を調べると、「UNIX下」「工場長の左手」などといったメモが見つかる。UNIX筐体をどかすと、床材の色があからさまに違うのがわかる。ここには隠し扉があり、地下に降りるはしごがついている。

地下には鋼鉄の扉と掌紋認証のパネルがある。ここに(手段を問わず)工場長の左手を押し当てれば、鋼鉄の扉を開くことができる。中に入る場合「◆秘密の地下倉庫」へ進む。

◆秘密の地下倉庫

地の文「鋼鉄の扉の内部は、殺風景なシェルターであった。空っぽの棚が乱立し、目当てのマキモノすらないのではないかと思われたその時、君たちは棚の中に収まる漆塗りの箱を目にする」

漆塗りの箱を開けて中を確かめてもいいし、開けずにソニックブームに提出してもよい。

漆塗りの箱の中に収められていたのは、ミイラ化した肘から先の腕である。もしPCの誰かがこれに触れた場合(本当に触れるのか確認を取ること)、そのPCは【ニューロン】判定(難易度HARD)をおこなう。

【ニューロン】判定成功:リアルニンジャの生きざまを追体験する、あるいはニンジャ真実の一端に触れる。判定したPCは永続的なニューロン-1、ジツ+1を得る。もし元の【ジツ】値が0のキャラクターがこの効果を得た場合、直ちに任意のジツ系統を取得するか、「謎めいたニンジャソウル」として処理すること。
 さらに、ミイラの腕も砂のように崩れ去ってしまう。これによりミッションの達成は不可能になる。
【ニューロン】判定失敗:特に何も起こらない! ミイラの腕も触れたPCの手の中に残る。

いずれにせよ、地下倉庫の捜索を終えた場合「◆Wasshoi判定」へ進む。

◆Wasshoi判定

PCたちが工場から出たところで『Wasshoi判定』をおこなう。失敗した場合「◆評価と報酬」に進む。成功した場合戦闘シークエンスを開始する。改めてイニシアチブ逆順でPCを配置させること。

新しいビットマップ イメージ

黄色=PC初期配置エリア
NS=ニンジャスレイヤー
地の文「首尾はどうあれ、あとはアジトへ帰るだけだ。工場を出て安堵した君たちの耳に、恐ろしいシャウトが突き刺さる。工場の屋根から飛び降りた赤黒の影は君たちに向き直ると、厳かにアイサツした」

ニンジャスレイヤー「ドーモ、ニンジャスレイヤーです。ニンジャ殺すべし!」

ニンジャスレイヤーを戦闘不能にする、もしくはPC全員が「」マスに到達した場合戦闘を終了し「◆評価と報酬」に進む。

◆隠された背景

漆塗りの箱に収められていたのはリアルニンジャのミイラ化した腕である。ヨロシサン製薬はニンジャ研究の資料としてこれをいずこからか入手し、ナセ・バイオケミカル工場地下に保管していたのだ。

ホーンドキャリバーは工場自体というよりこの地下倉庫の警備のためにヨロシサン製薬から派遣されており、勤勉さゆえか、あるいは怠惰ゆえか警備室からほとんど出ることはなかった。いずれにしても、楽な仕事だと彼が感じていたことに変わりはない。

リアルニンジャの腕に目をつけたのがソウカイヤのラオモト=カンと、ヨロシサン製薬から派遣されたはずのリー・アラキである。彼らはこの腕を、恐るべきゾンビ―・ニンジャ研究に役立てられないかと考えたのだ。

シナリオアレンジ例:
「マキモノがソウカイヤ倉庫から強奪された」という欺瞞情報を、誰が、なぜ設定したのかは明言しない。回りくどいのは好みでない、あるいはソウカイヤのやり口と合致しないとお考えのニンジャマスター各位は、この要素をオミットしてもよい。事前調査も工場についてのもののみになるため時間の短縮になる。

また「ストリートニンジャに任意の企業からの依頼」という形のダンゴウから始めることもできる。オムラなどがリアルニンジャの腕を手に入れるためにPCたちを利用しようとする、ある種サイバーパンクらしいシナリオになるだろう。

◆評価と報酬

成功度の基準は以下の通り。上にあるほど評価が高い。襲撃者についての事前調査で【6,6】を出していた場合【名声:ソウカイヤ】をさらに+1する。またニンジャスレイヤーを1段階以上戦闘不能に陥れた場合、評価は1段階引き上げられる。

A:ホーンドキャリバーを撃破し、マキモノを持ち帰った
B:ホーンドキャリバーは撃破できなかったが、マキモノを持ち帰った
C:ホーンドキャリバーは撃破したが、マキモノを持ち帰れなかった
D:ホーンドキャリバーを撃破できず、逃げ帰ってきた

漆塗りの箱をソニックブームに提出すると、彼は箱の中身を改める。そこにミイラの腕があるならば、彼は満足げにうなずく。

ソニックブーム「上出来だテメェら。次はもう少し歯ごたえのあるミッションを持ってきてやるから、覚悟しとけよ」
A:【万札】プール+30。全員が【名声:ソウカイヤ】+1。
B:【万札】プール+20。全員が【名声:ソウカイヤ】+0。
C:【万札】プール+0。全員が【名声:ソウカイヤ】+0。
D:【万札】プール-10。全員が【名声:ソウカイヤ】-1。

以上でシナリオは終了となる。カルマロンダリング余暇に勤しみ、次のシナリオに備えよう。

◆エネミーデータ

◆クローンヤクザ(Y-12型) (種別:モータル/バイオ生物/クローンヤクザ)	
カラテ    2  体力   1
ニューロン  1  精神力  1
ワザマエ   3  脚力   2
ジツ     –  万札   1
攻撃/射撃/機先/電脳  2/3/1/1

◇装備や特記事項
 チャカガン:銃器、連射1、ダメージ1
◆スモトリヤクザ (種別:モータル)
カラテ    3  体力   4
ニューロン  1  精神力  2
ワザマエ   2  脚力   2
ジツ     –  万札   3
攻撃/射撃/機先/電脳  3/2/1/1
		
◇装備や特記事項
 『◉突撃』
◆ボス級◆ホーンドキャリバー (種別:ニンジャ)
カラテ    5  体力   8
ニューロン  3  精神力  3
ワザマエ   6  脚力   3/H
ジツ     3  万札   10
攻撃/射撃/機先/電脳  5/6/3/3
回避/精密/側転/発動  6/6/6/6

◇装備や特記事項
 ヘンゲヨーカイ・ジツLV3:効果はPCたちが使用するものと同様。発動判定はダイス6個。
 ☆◉ヘンゲ時銃器習熟
 マシンガン:銃器、連射3、ダメージ1

ホーンドキャリバーはヨロシサン製薬・バイオ研究所の警備員だったが、バイオニンジャ脱走に巻き込まれて命を落とし、ニンジャとなってよみがえった。彼はヘンゲヨーカイ・ジツによって、ヌーのような剛毛と角を生やすことができる。

もしヘンゲヨーカイ・ジツを使い切ったならば、ホーンドキャリバーは工場の外へ向かい撤退しようとする。

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