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花と羅漢

羅漢寺は花がいろいろ見頃というので出かけた。
アシビがゆれて、ボタンがゆれて、タイツリソウがゆれていた。
シャクナゲはびっくりするほど大きくて真っ赤。
ムベの白い花が木を這い、ツルニチニチソウは地を這っている。

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羅漢場の前に咲くのは肥後椿。真新しい落花をつれあいが拾って帰ったのを計ったら花径13cm、しべだけで4.5cmある。他にも袖隠しという白色大輪の一種など、椿はいろいろな種類が咲いている。

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羅漢場に咲くのは、この一本の白椿。後はドングリを降らせる木ばかり。
椿があれば、メジロやヒヨドリが来る。羅漢も鳥は好きだろう。蜜を吸った鳥がひんやり落し物をしても、羅漢は許すだろう。


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♪はぁ〜酒見北条で見せたいものは
 五百羅漢に五百羅漢に散るさくら

古謡の一節で、桜はというと羅漢場の前に一本あるが、この春はもう盛りを過ぎてしまった。羅漢たちにはらはら散るといい情趣だろうが、そんな風景にまだ巡り合わない。散り敷くのはいつも椿だ。


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ずっと曇っていたのが、天気予報にもなかった雨に変わり、足止めを食っている内に日も照り、また雨が降り……なにか羅漢場が妙に「狐の嫁入り」の華やぎに浮かれて、らかんもぼくたちも楽しんだ。


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