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ウイグル医者にかかってみた

中国、新疆ウイグル自治区の最西端の街カシュガルの北西部は
どういうわけか薬局がたくさんある。

中国漢方系もあれば、そう、新疆ならではの伝統的ウイグル医薬局もあるのだ。ウイグル人にはウイグル医学という医学体系があると聞く。これは試してみなくてはなるまい。

薬局に入ると、二人のウイグル人店員が迎えてくれる。
漢人のおばちゃん3人組が、両手にたくさんの薬を抱えながらこちらを見て、
「ここのは効くわよ〜アハハ」

「こういう薬って、どのくらいの値段するんです?」と聞くと、
漢語のできるお姉さん、「それはあなたの症状を見なくちゃわからない」。
まいったな、買ってみて高かったらどうしよう。

さあ先生のところへ行きましょうと別室に押し込まれる。
薬局かと思いきやクリニックでもあったのだ。

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(診察室への扉)
(ウイグル薬草類:维吾尔草药类;Uyghur tababet ot- chöpdorilar)
小部屋では、大柄でやさしそうな先生が、
ほほえみながら小さな手首用の茶色いクッションをちょんと指差す。
通訳としてさっきのお姉さんが様子を見に来た。
「脈をみるからここに手をのせてっておっしゃってるの」
脈をみるとすぐさま、「胃がわるいでしょう」と先生(を通訳したお姉さん)。
あたっている。

しかし
(胃が悪いか、頭がいたいか、肩がこるかぐらいのことは
どれか言っておけば誰にだって当てはまるだろ、)
と考えた天の邪鬼な僕は
ちょっと意地悪をしてみたくなった。

そこで、持病のことは伏せつつ、
その身体症状だけを伝えてみた。
すると先生は「〇〇が原因のものだね。」と、なんと日本で診断されたのと全く同じことを言うのだ。
うーむ、本物かもしれない。ウイグル医学恐るべし。

「リラックスして、たくさん遊ぶんだ。
今は旅行中だろう、カシュガルもいいが、例えばホータンに行ってみたかな?
あそこは良いところだ。景色が美しい。
結局のところね、気楽にやんなさい。」

というようなことを言ってくれたらしい(お姉さん曰く)

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こうして診察を終え、出来上がった5日ぶんの薬は約200元。

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値段はいいとして、なんだか量が多い。
「本当に5日ぶんですよね、これ」と確認すると、
「そうよ。」と涼しげにお姉さん。
「日本人って漢字読めるの?そう、じゃあ漢字のラベルも貼っておくね。
食事の前に緑の袋のを5粒、シロップのほうも一回25グラム。食事のあとに青い袋のを2袋、どれも一日3回って書いたから、あとは自分で読んで。」

すでに漂う漢方の香り。

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…甘苦い……
きっと良薬であろう。
また行きたい。

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